【ツアー報告】初冬の羅臼でシマフクロウに会いたい!(追加設定) 2017年11月21日~23日

(写真:シマフクロウ 撮影:中村由紀子様)

過去、シマフクロウ観察は厳冬期に企画していて、数時間の観察時間でほぼ出会うことができていました。しかしここ数年は数時間の観察時間ではほとんど出会えなくなってしまい、せっかく北海道まで足を運んでいただいてもシマフクロウに出会うことができず旅を終えることが多くなってしまいました。そこで今期はシマフクロウ観察に絞り、現地宿泊を含む観察機会を2日間確保したツアーを企画することにしました。繁殖期に入る前のこの時期は比較的シマフクロウの動きが良く、オスもメスも、そして年によっては幼鳥も姿を見せることから出会いの確率が高いのです。また夜の時間が長いことからじっくり観察できること、雪景色で観察することができることなどを加味するとさまざまな意味においてシマフクロウ観察のベストシーズンといえるでしょう。

 21日、快晴の羽田空港を出発してほぼ予定通りに中標津空港に到着。この時期は昼間の時間が極めて短いことから空港を出発した14:00はすでに夕方のような印象でした。ひとまず日没の15:45までには羅臼町に到着したいことからバスにて走り出しました。ただ途中、飛び交う200羽ほどのキレンジャクの群れに出会ったことから少々時間をとって観察しました。ここまでの観察状況から今年は冬鳥が多い印象を受けていましたが、それがそのまま裏付けられた形となりました。羅臼町に到着した後はひとまずお部屋に入っていただき、観察機材の準備と防寒装備を整えていただいてから食堂に移動していただきました。時刻はまだ17:00前でしたが外は真っ暗でいつシマフクロウが現れてもおかしくはない状況だったため17:30頃から夕食としました。夕食後はひたすらシマフクロウの出現を待つことにしましたが、この日は夜になってから時折小雪が舞う状況になり次第に寒さが厳しくなってきました。ただシマフクロウは何度もやってきてくれ、その神秘的な姿を楽しませてくれました。就寝後も盛んに鳴き交わす「ボボ、ボー」という不気味な鳴き声が谷に響いていました。

 22日、この日は07:00から朝食をいただき快晴の中、08:00に出発しました。出発時には川で餌を探すカワガラス、そして高木に止まるオオワシの姿が見られました。実はこのツアーでは昼間に行く場所をあらかじめ決めておらず、直前の状況で行く探鳥地を決めることにしていました。途中休憩を挟んでまずは公園に向かいました。ここでは残念ながら目立った種には出会いませんでしたが、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、そして水浴びをしているオオセグロカモメや飛翔するオジロワシの姿を見ることができました。また次の探鳥地ではオナガガモとヒドリガモの群れ、オオハクチョウ、シロカモメ、ユリカモメ、水辺に群れるハマシギ、タンチョウのつがいなどが見られました。その後は一旦各自昼食としてから羅臼に戻ることにしました。帰りにはやや時間があったことから漁港に立ち寄りました。海が凪いでいたことから海面に浮いているウミアイサの群れやカワアイサ、ホオジロガモ、クロガモ、堤防に並ぶユリカモメ、カモメ、オオセグロカモメ、そしてその中に混じるミツユビカモメの姿を見ることができました。この日は羅臼町内に15:30に到着。観察に使わないものをお部屋に置いてきていただいてから夕食をいただき観察を開始しました。が、この日は驚いたことに早い時間から「ボボ、ボー」というシマフクロウの鳴き交わしが始まり、比較的早い時間にシマフクロウが現れ、間もなくもう1羽もやってきて結局2羽揃って15分間ほどその姿を楽しませてくれました。またその後も2羽揃って姿を現してくれました。この日は寒さが緩み、薄いダウンジャケットだけでも耐えられる中での観察でした。

 23日、この日は早朝まで雨が残り心配される中07:00から朝食をいただき08:00に出発して探鳥に出かけました。幸い出発と同時に雨は上がり、次第に空が明るくなってきていました。やや時間があることからまずは漁港に向かいカモ類を観察することにしました。漁港内にはスズガモ、ウミアイサの姿があり、やや遠い場所にシノリガモの姿があり、その中に混じるコオリガモをようやく見つけることができました。そして付近には数羽のミミカイツブリの姿もありました。ただ距離が長いことから別の漁港に行って見ると今度は比較的近い場所に浮いているコオリガモのオスがいたことからバスを降りて近づいてみました。幸いこの個体は逃げる様子がなかったことからかなり近い距離から観察することができました。その後は小雨模様になる中、もう一か所を巡りました。残念ながら小鳥類は見つかりませんでしたが海面に浮いているアビ、クロガモ、ビロードキンクロ、コオリガモ、そしてゴマフアザラシの姿もありました。また群れているオオハクチョウの中にコハクチョウの姿もありました。そして最後は漁港に向かい、シノリガモなどを見て終了しました。

 さて、初企画となった11月のシマフクロウ観察ツアー。当初2度も観察機会が必要かと悩みましたが、結果的にはさまざまな姿を見ることができ成果があったように思いました。この時期らしく複数羽のシマフクロウが同時に見られ、闇夜に響き渡る不気味な声も聞くことができました。また僅かな時間ながら日中にも探鳥を行い、まだまだ本格的なシーズンではないものの、オオワシ、オジロワシ、タンチョウが見られ、人気のあるコオリガモをはじめ、クロガモ、ビロードキンクロ、シノリガモなども見ることができました。そして冬鳥が多いことを印象付けるようにキレンジャクの群れに出会えたことも幸運でした。やや寝不足気味でしたが皆様、お疲れさまでした。

 石田光史

オオワシ 撮影:中村由紀子様

 

シノリガモ 撮影:中村由紀子様

 

ハマシギ 撮影:中村由紀子様

 

コオリガモ 撮影:中村由紀子様

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