【ツアー報告】フォトツアー2月の冬の道東めぐり 2024年2月21日~24日

(写真:オオワシ 撮影:酒井知子様)

冬の定番となっているこの冬の道東めぐりも早いものですでに20年近く担当させていただき、過去、毎年のようにコースを変えながら催行してきました。当時はタンチョウ、シマフクロウ、オオワシ、オジロワシが主役でしたが、シマフクロウに関しては厳冬期の出現率が極めて低いため、出現率が極めて高い初冬に移行しました。それに代わって加わったのがシマエナガ、そして私的に応援している落石クルーズです。シマエナガはその独特の風貌から一気に人気が高まり、今や冬の北海道では外せない鳥になりました。また落石クルーズではほぼこのクルーズでしか見ることができない謎めいた海鳥、ウミバトをはじめとしたウミスズメ類やラッコの撮影に期待しています。これによりシマエナガをはじめとした小鳥類、流氷のオオワシ、オジロワシ、タンチョウの塒および雪原で乱舞するタンチョウ、エゾフクロウ、そしてコオリガモをはじめとした海ガモ類、最後はウミスズメ類とほぼ全てが撮影可能な4日間コースが完成しました。

21日、前日には東京で最高気温が23℃を記録するなど春を通り越して初夏のような陽気になりましたが、この日は一転して東京の最高気温は9℃で、早朝から小雨が降っていました。予定通り羽田空港にご集合いただいた後は資料の配布、この日の連絡事項をお伝えしてから予定通り出発して女満別空港に向いました。天気予報は曇りとのことでしたが女満別空港が近づいてくると晴れ間が見え、眼下には真っ白な大地が広がっていました。着陸直前には機体が大きく揺れたものの無事、女満別空港に到着後はバスにて宿に向いました。空気は冷たかったですが北海道内もここ数日は気温が高かったとのことで、路面が完全に見え、畑地は一部で土が露出しているという驚きの状況でした。途中、美幌峠に差し掛かったところでは雪景色に映える屈斜路湖を見ることができ、宿に到着後は一旦お部屋に入っていただいてから各自撮影機材の準備をしていただき、その後はシマエナガをはじめとした小鳥類を撮影しました。前回に比べてかなり積雪が少ない印象でしたが、この日もかなりの数のハシブトガラが頻繁にやってきていて、ほかにもシロハラゴジュウカラ、シジュウカラ、ヒガラ、アカゲラ、オオアカゲラもやってきてくれ、期待していたシマエナガは1~2羽で行動している小群、そして10羽ほどの群れで行動している群れはかなりにぎやかに盛り上げてくれました。またこの日も数羽のウソがやってきていましたが、どういうわけかオスばかりでした。かなり冷え込んできたころには一旦室内に戻って暖をとり夕方からはこの日も餌場に向って飛びたっていくエゾモモンガを撮影し、ほぼ同時に現れたエゾクロテンを撮影してから夕食の時間としました。

22日、この日はタンチョウの塒の撮影のため早朝に出発して現地に向かいました。観光パンフレットなどでもおなじみのタンチョウの塒はまず天気が良くかなり冷え込むこと、そして風がないことという絶妙なバランスで川霧と霧氷という最高の条件になるのですが、この日は幸いなことに天気予報は晴れ、最低気温は-17℃ということでよい条件になるだろうと期待していました。早朝には起きて外の気温を見ると-10℃と低く、日の出の頃にはさらに下がるだろうと予想しながら出発しました。1時間ほどで現地に到着するとこの日もなかなかの混雑でしたが中州に佇むタンチョウたちを見ることができ、この日もかなり個体数が多いような印象でした。また群れの中にはこの冬に鶴居村にやってきているカナダヅルの姿もありました。日の出が近づくと川霧が立ち込め、うっすらと見えるタンチョウたちの中には鳴き交わしをする個体もいました。また付近の枯れ木にはヤマセミが止まり、カワアイサやホオジロガモ、マガモの姿もありました。時間とともにタンチョウたちに動きはでてきましたが残念ながら霧氷に覆われることはなく、それでもタンチョウの塒の雰囲気は十分に楽しむことができました。その後はエゾフクロウの撮影に向かいました。エゾフクロウはいるのかいないのか運次第といった感じではありますが、この日は幸いにも2羽で仲睦まじく寄り添うように休んでいる姿を見ることができました。その後はカナダヅルが飛んでくることを期待して現地に向いました。積雪が少ない影響から一部で地面が見えている状況で、この時間でもタンチョウの姿はまばらでした。ただ観察していると続々とタンチョウたちが飛んできては降り、いつの間にか数はどんどん増えていて、暖かいせいか鳴き交わしが頻繁に見られ、交尾をするつがいも見られました。また周辺の林では複数のミヤマカケスも見られました。ただカナダヅルがやってこなかったため鶴居村のサンクチュアリに向いました。ここでは前回見られたマナヅルの姿はなかったものの良い光線状態の中でタンチョウを撮影することができ、何度も何度も繰り返し行われる鳴き交わしや飛翔、求愛ダンスの撮影を楽しむことができ、ここでも交尾をするつがいを見ることができました。また帰り際にはナナカマドの実を食べているキレンジャクを見た方もいらっしゃいました。その後は宿に戻って各自昼食の時間とし、その後は晴れ間から時折小雪が舞う中、シマエナガをはじめ、ハシブトガラやシロハラゴジュウカラ、アカゲラ、オオアカゲラ、ウソなどの撮影を楽しみ、この日はキバシリを見ることもできました。撮影後はこの日も夕方からエゾモモンガの撮影を行いましたがこの日はなぜかエゾモモンガが現れる気配がなく、そのためこの日もエゾクロテンの撮影に切り替えて、その後は夕食の時間としました。

23日、この日は流氷に群れるオオワシ、オジロワシ撮影のため早朝に出発して羅臼町に向かいました。以前は05:30出航の早朝便に乗っていましたが、なかなか日の出に出会えないこと、そして日の出が見られないと光線の関係で1時間ほど撮影ができないことから乗船便を変えたのでした。この冬はかなり早い段階で羅臼町に流氷が接岸し、さらにはかなりの量であることが伝えらえてきてはいましたが何しろ流氷は風任せ。風向きによってはあっという間に押し寄せ、あっという間になくなってしまうことは当たり前です。前日には流氷が陸地からやや離れてしまったとの連絡がきていましたが、風向きが北よりだったことから再び流氷が押し寄せてくるのではないかと期待して出発しました。途中、見事な朝焼けを見ながら進み、いよいよ海が見えると美しい国後島も見ることができました。ただ前回は周辺の海が流氷に覆い尽くされていたにもかかわらず、この日は流氷の気配はなく穏やかな海が広がっていました。約2時間で羅臼町に到着した後は快晴の中、各自朝食をとっていただき、合わせて準備もしていただきました。ただやはりここでも視界に流氷が入ることはなく、ひとまず船会社の事務所で状況を聞いてみることにしました。すると知床岬側に15分も走れば流氷があるとのことでひとまず安堵しました。雪を冠した羅臼岳を眺めながら出航した後は流氷のある海域まで船を走らせました。最初はなかなか流氷が見えませんでしたが、次第に真っ白い帯のような流氷が見え、流氷帯に到着するとここからは見事な青空に映える羅臼岳を背景に群れ飛ぶオオワシ、オジロワシ、さらには流氷帯に群れるオオワシ、オジロワシを2時間に渡って撮影することができました。この日は羅臼町としてはかなり寒さが厳しく、風は刺すように冷たく感じましたが、みなさん夢中でシャッターを切っているようでした。下船後は買い物の時間をとってから根室方面に向かい昼食を買っていただいてから野付半島に向かいました。半島に沿って走ると驚いたことに接岸はしていないもののかなりの流氷がありました。一旦、ビジターセンターまで行って各自昼食の時間をとっていただきましたが、ここから見える流氷と国後島は見事で、海面が見えている場所にはコオリガモ、クロガモ、シノリガモの姿がありました。来た道を戻るとわずかに見えている草地に30羽ほどのハギマシコがいて順光側に回って撮影をしました。一旦、飛び去ってしまったものの再び草地で餌を採り始めたことから接近して撮影することができ、道端まで出てきている大きな角のエゾシカやキタキツネも見てからさらに根室方面に向かいました。途中にある漁港ではウミアイサ、ホシハジロ、シノリガモが見られ、最後に立ち寄った花咲港では漁港内に群れているかなりの数のウミアイサを間近に見ることができ、それに混じるシノリガモ、クロガモ、アカエリカイツブリを見ていると、突然、目の前に1羽のウミガラスが浮上して驚かされました。なかなか目的のコオリガモが見られないことから外側の漁港に行ってみるとようやくオス2羽メス2羽で群れている4羽のコオリガモを見ることができました。

24日、この日は落石クルーズに乗船予定のため風、波予報が気になっていましたが、幸いなことに天気予報は晴れ一色、波や風も弱いということでかなり条件が良いと期待していました。当日は予報通り、朝から快晴でしたが日中の気温が-4℃とのことで海上は厳しい冷え込みが予想されました。朝食後は落石漁港に向かい、待合室にてライフジャケットの装着、トイレを済ませてから乗船して出航しました。漁港内には幸いなことに1羽のコオリガモのオスがいたため、船を順光側に回していただき間近に撮影することができました。その後はかなり穏やかな外洋に出ました。早速、ケイマフリが見られ、この時期らしく夏羽、冬羽、中間羽とさまざまな個体が見られ、この日は早くもアリューシャンウミバトが現れて間近にその姿を堪能することができました。この日はかなり遠くまで見渡せることができたことから、その後も連続してウミバト、アリューシャンウミバトを見ることができ、時にはケイマフリと並んで浮いているウミバトを見ることもできました。折り返し地点まで行くと岩礁にはかなりの数のゼニガタアザラシが休んでいましたが、ラッコの姿がないためさらに進めると距離はあったもののおなかを上にした独特の姿勢で餌を食べるラッコを見ることができ、上空にはオジロワシ、岩礁にはハギマシコの群れも見られました。そして最後はこの冬の落石クルーズを象徴するかのように冬羽のウミガラスがのんびりと浮いていたため船を接近させてじっくりと撮影することができました。

今回も往復ともに飛行機が満席でまったく空きがないという状況で、観光需要の完全な復活を再び感じる旅になりました。4日間という国内ツアーとしては長い日程でしたが、この時期の道東としては珍しく全日概ね穏やかな陽気で助かりました。このツアーのメインともいえる流氷観光船からのオオワシ、オジロワシ撮影は流氷が全く見えず心配しましたが、結果的には流氷帯に到達でき最高の条件で撮影することができました。早朝からはじめたタンチョウの撮影は気温が下がりきらなかったことが残念でしたが塒風景、飛翔、求愛ダンス、交尾などを撮影することができ、新たな主役となった可愛らしいシマエナガも期待通りで撮影三昧でした。ほかにも可愛らしいエゾフクロウはつがいで見られ、オオアカゲラ、アカゲラ、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、ウソ、ミヤマカケス、ハギマシコ、ヤマセミ、キレンジャクなども見られました。また落石クルーズではウミバト、アリューシャンウミバトがかなりの数で見られ、ウミガラス、ケイマフリ、ラッコなども撮影できました。北海道はさまざま企画しどれも魅力的な野鳥たちに出会えています。 また季節を変えて北海道にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

シマエナガ 撮影:一ノ瀬徹様

 

オオアカゲラ 撮影:KN様

 

キレンジャク 撮影:酒井知子様

 

コオリガモ 撮影:一ノ瀬徹様

 

タンチョウ 撮影:KN様

 

ウミバト 撮影:酒井知子様

 

オオワシ 撮影:一ノ瀬徹様

 

エゾフクロウ 撮影:KN様

 

ウミガラス 撮影:酒井知子様

 

アリューシャンウミバト 撮影:一ノ瀬徹様

 

シマエナガ 撮影:KN様

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