【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!富士山五合目 2022年8月26日

(写真:キクイタダキ 撮影:東海林治様)

今年は梅雨明けが異常に早かったこともあって7月から猛暑日が続くという異例の夏になりました。盛夏の時期はなかなか行く場所もみつからないため、国内のバードウォッチングは一休みとなります。ただ、それでも標高が高い場所に行けば、まだまだ野鳥たちが楽しめるだろうと企画したのがこのツアーです。とにかく暑さが厳しい下界を離れて涼しい高山帯に出かけ、たいして歩くことなく鳥が見られる場所でのんびりと野鳥を観察、撮影しようというコンセプトなのです。今回はずっと猛暑が続いてはいたものの、少々涼しい予報が出た日に当たりましたが、早朝の東京駅前は曇り空で蒸し暑い朝でした。

26日、朝から曇り空ながら東京のこの日の最高気温は28℃の予想。たいへん蒸し暑いなかで予定通り08:30に東京駅前を出発しました。バス移動中はこの日に見られる可能性が高い種の解説を行いながら進み、少々渋滞があったものの途中休憩を挟んでも2時間半ほどで現地に到着しました。途中、ずっと曇り空ではありましたがスバルラインを上るころからは晴れ間が見えだしていました。現地到着後は各自準備を整えていただき、後は少々歩いてポイントに向かいました。途中では早速、針葉樹林でキクイタダキ、ヒガラの姿を見ることができました。現地に到着すると早速、ウソのメスがやってきてくれました。その後はどんどん天気が回復して青空が広がってはきましたが意外なもので水場には全く小鳥たちがやってきてはくれませんでした。そのため昼食の時間にするなど時間を使っていただきました。その後はやや風が吹き始めましたが、午後からはウソが頻繁にやってくるようになり、13:20にはまずオスがやってきてくれ、一旦去ってはしまいましたが再びやってきて木に止まり、直後の13:30には水浴びを始めました。14:15には頬の赤みが薄い別のオスがやってきて水浴びをし、14:20には頬が真っ赤なウソのオスとともにかわいらし表情に見えるウソの幼鳥がやってきて水浴びをはじめてくれました。こういった個体がみられるのもこの富士山五合目だからこそです。そうこうしているうちに今度はウソのメスもやってきたため3個体をほぼ同時に見ることもできました。14:40には再びウソのオスと幼鳥がやってきて水浴びをし、ウソの水浴びが終わったあたりからは間近にキクイタダキの声がするようになってきました。ただ、なかなかキクイタダキは姿を見せず、15:00からは再びウソのオス、メスが水場にやってきてくれました。15:10にはメボソムシクイが付近に現れ、そして直後の15:20にようやくキクイタダキのオスが水場にやってきてくれたことから、ようやくその姿を見ることができました。上から見ることができるため頭頂部の黄色い模様、さらにはその中央に赤い羽毛がはっきりと見え、オスであることがよくわかりました。一旦、姿を消しましたが15:45に再びキクイタダキがやってきてくれたことからもう一度、しっかり見ることができました。その後は16:00にはヒガラの成鳥と頬が黄色い幼鳥がやってきてにぎやかに飛び回ってくれ16:30に観察を終了しました。

さて、本来であればまだまだ猛暑の時期だろうと想定していましたが、今回は平地でも猛暑が一旦、落ち着いた中での催行となりました。前日に少々雨が降ったため、各所に小さな水たまりができてしまったせいか、水場ではそれほど活発な小鳥たちの動きがなく残念でした。ただ、午後からはほぼウソの姿があり、メボソムシクイ、ヒガラ、そしてキクイタダキもやってきてくれ、少々寂しい状況だったにもかかわらずなんとか目的を達成することができました。またウソの幼鳥個体に出会うというラッキーな出会いもあり印象的でした。ご参加いただきました皆様、そして現地でお世話になった皆様、ありがとうございました。

石田光史

ヒガラ 撮影:須崎明男様

 

キクイタダキ 撮影:宅間保隆様

 

ウソ 撮影:東海林治様

 

ウソ 撮影:須崎明男様

 

ウソ 撮影:宅間保隆様

 

ルリビタキ 撮影:東海林治様

 

ウソ 撮影:須崎明男様

 

ウソ 撮影:宅間保隆様

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