【ツアー報告】渡り鳥の中継地 秋の粟島 2022年10月14日~16日

(写真:コホオアカ 撮影:宅間保隆様)

14日、予定通りに粟島に到着後、宿泊する宿で観察準備を整えて、先ずは農耕地から観察を開始する。先週訪れた時よりはいくぶん鳥の声が多く聞こえてくるが、依然ジョウビタキやシロハラなどのツグミ類の姿を確認することが出来ず、例年と比べると渡り鳥、特に冬鳥の姿がとても少ない。しかし、そのなかでよく目立ったのがミヤマホオジロであった。最初にその姿を確認して喜んだのも束の間で、確認するホオジロ類のほとんどがミヤマホオジロであった。海岸沿いではハヤブサが現れた。下面の縦斑がはっきり確認できることから幼鳥らしい。けんかっ早い性格なのか、さかんにカラスと威嚇しあっていたが、すぐ目の前のテトラポットに降りてくれて、しばらくの間ゆっくりと観察、撮影することが出来た。

15日、新たな渡り鳥の姿を期待して、朝食前に畑地を歩くが、状況はあまり好転しておらず、鳥が増えたという感じが特にしない。しかし背の高いススキ原を見ていると、時々ホオジロ類がススキの上や灌木に出てきているようだ。少し時間をかけてみているとカシラダカが多かったものの、ノジコ、コホオアカ、オオジュリンなども次々と現れた。現れた2羽のオオジュリンを観察していると、飛び去った直後にひとまわり大きな鳥が不意に現れた。すぐに双眼鏡で確認すると、ノゴマであった。しばらく落ち着いた様子でいてくれたので、ゆっくりと観察することが出来た。朝食を食べた後は移動して農耕地を歩くが、8羽のヒバリの群れが鳴きながら飛びまわっている以外は、こちらも残念ながらあまり鳥が見られない。昼食後は再び農耕地で観察するが、新たに数羽のミヤマガラスが加わったほか、海岸沿いの桜並木の中にメボソムシクイ上種(※今回は鳴き声を確認できず識別できなかったため、このような表記としています)の姿を見つけた程度に過ぎなかった。朝食前にホオジロ類やノゴマを観察したポイントに、夕方になって再び向かうとオオジュリンやコホオアカは再び現れてくれたが、新たな種の発見には残念ながらつながらなかった。

16日、目を覚ますと、本日も気持ちの良い晴天である。秋の粟島でツアー全日を通して、これだけ晴天に恵まれることもなかなか無いが、それが災いしたのか鳥の姿はいっそう少なくなっているようだ。それでも数は少ないながらツグミが新たに確認できるようになり、アトリも昨日よりも目立つようになっていて、渡り鳥も夏鳥から冬鳥にすこしずつ移行しているようだ。午前中を通して農耕地を歩くが、昨日よりも数が増えたオオジュリンのほかは特にこれといった発見も無いまま、残念ながらお昼を迎え、観察を終えた。

冬鳥の渡来時期が遅れているのか、例年よりも渡り鳥の数が少なく少し寂しい感じがしましたが、今冬の渡来状況がどうなるか少し気がかりです。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

田仲謙介

オオジュリン 撮影:竹村章様

 

ノジコ 撮影:宅間保隆様

 

ノビタキ 撮影:竹村章様

 

オオジュリン 撮影:宅間保隆様

 

ハヤブサ 撮影:竹村章様

 

ウグイス 撮影:宅間保隆様

 

ヒヨドリ 撮影:竹村章様

 

ハヤブサ 撮影:宅間保隆様

 

ミヤマガラス 撮影:竹村章様

 

ミヤマホオジロ 撮影:竹村章様

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