【ツアー報告】鵡川・大沼・遊楽部 冬の道南めぐり 2026年1月16日~18日
冬の北海道といえばバードウォッチャーならば一度は訪れたい憧れの探鳥地でしょう。特に道東エリアは人気が高いですが、道東エリアはどちらかというとオオワシ、オジロワシ、タンチョウ、シマフクロウといった大型の鳥種が中心です。一方、この道南は冬の小鳥類、猛禽類、カモ類、カモメ類と冬の北海道としては比較的さまざまな種が観察できることが最大の特長で、オオワシやオジロワシ、そしてほかのツアーでは出会えないコクガンの群れが毎回見られています。ただ道東に比べて道南は冬に訪れる探鳥地の中でもとにかく天候が安定せず、積雪量が多い探鳥地でもあるため運行が難しいのも事実です。この冬はカモ類が極端に少ない印象ながら、冬の小鳥類はまずまずといった状況で、事前の天気予報も荒天だった先週に比べ、かなり穏やかな日和になるとの予報が出ていました。
16日、この日の東京都内はやや風が強かったものの早朝からほぼ快晴でしたが、この日は首都圏のJRに大規模な停電があり集合に関して混乱が発生してしまいました。ただ搭乗予定の飛行機は予定通り出発し、無事に千歳空港に到着した後は空港内にて観察機材の準備をしてから出発しました。先週、札幌周辺ではかなりの積雪があったようでしたが、苫小牧市内は積雪はあったものの探鳥に影響が出るほどではありませんでした。到着後にバスを降りるといきなり高木に止まっていたイスカのメスが飛び立ち、それを追うように15羽ほどのイスカの小群が飛び立ちましたが残念ながら見失ってしまいました。ただ園内を歩くとこの冬の傾向なのか、小鳥類の動きが良く、我々の周囲にはシジュウカラ、ヤマガラ、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラがやってきてくれ、しばらくの間、たっぷりと観察することができました。また地上から飛び立ったツグミが木に止まり、付近ではアカゲラのオスが幹をつついていました。さらに歩くと地上で採食しているシメの小群も見られ、最後はこちらもこの冬によく見かけるミヤマカケスを見て次の探鳥地に向かいました。園内を歩くと地上採食しているシロハラゴジュウカラ、ツグミの姿はあったものの、毎回見られているカササギの姿はなく、そのためやや広範囲に歩くと、松の木にやってきているヒガラが見られました。さらに駐車場付近を探してみると2羽のミヤマカケスがやってきて樹上で餌を食べていて、その後方にようやくカササギの姿を見つけ、たまたま建造物の上にしばらく止まってくれたことからしっかり観察することができました。そして休憩後にこの日最後の探鳥地に向かい、まずは漁港に行ってみました。この冬はどこに行ってもカモ類が少ないのですがここも同様で、わずかにスズガモ、シノリガモの姿があったのみでした。隣の漁港まで行くとここではヒドリガモ、スズガモ、ホオジロガモは見られましたが、やはりその数はかなり少ない印象でした。ただ周辺の草原では小鳥類の小群が飛び回っていて、たまたま電線に止まったことから見てみるとベニヒワでした。ただこれらも飛び去った後は見失ってしまい、じっくり観察することはできませんでした。
17日、この日は当地では珍しいくらいのすっきりした青空が広がる中、豪華な朝食をいただいた後に出発して八雲町を目指しました。このツアーは毎回、積雪量が多い印象がありますが、今回は比較的路面が見えている状況が多く、ここまでは積雪量の多さは感じませんでした。まずは途中で休憩をとり、その際にも澄み切った青空と新雪のコントラストが美しく映え、再度出発後は八雲町にある遊楽部川上流に向かいました。途中、電光掲示板には−7℃の表示が出てはいましたが、無風だったことからそれほど寒さを感じることなく探鳥することができ、最初のポイントでは数羽のホオジロガモが見られ、川沿いではカワガラスが活発に採食していました。観察しているとここでもミヤマカケスがやってきて姿を見せてくれました。次のポイントでもカワガラスが見られ、この頃からは雲がかかってきたせいもあって小雪が舞ってきていました。その後は休憩を挟んで河口に向かい、川沿いを歩くと2羽のホオジロが草の実をついばんでいました。河口までやってくると雪の勢いが強まってきてしまいましたが、浅瀬では7羽で休んでいるヒシクイが見られ、海上に目を移すとカモ類はほとんどいませんでしたがオオセグロカモメなどのカモメ類が浮いていました。さらに接近して観察してみると、オオセグロカモメのほかにワシカモメ、シロカモメ、カモメが見られ、さらには20羽ほどのミツユビカモメが混じっていて驚きました。またビロードキンクロの美しいオス個体も見られ、やや距離はありましたがカワアイサ、ウミアイサの姿もありました。そしてバスに戻る途中では2羽のイスカの姿があったものの飛び去ってしまったことからじっくり見ることができませんでしたが、針葉樹の上には2羽のミヤマカケスがじっと止まっていて、こちらはたっぷり見ることができました。その後はさらに函館方面に南下し、途中にある道の駅で昼食の時間とり、昼食後は隣接する公園で探鳥をしました。この頃にはかなりの雪が降る中で鳥の気配はありませんでしたが、よく見ると桜の芽をついばんでいる5羽のウソの姿があり、しんしんと降る雪の中でその姿をたっぷり見せてくれました。その後はホテルがある大沼に向って進み、途中にある漁港に行ってみました。幸い雪の勢いが弱まった状況でしたが、この冬を象徴するかのようにカモ類はスズガモだけでした。ただ堤防越に海を眺めるとホオジロガモ、カワアイサが見られ、コクガンの姿もあったことからお隣の漁港に移動してみました。するとバスのすぐ脇で地上採食しているハギマシコの小群をじっくり見ることができ、堤防にはカモメ類がずらっと並んでいたためバスを降りて観察してみました。ほとんどがオオセグロカモメでしたが、その中には背の灰色が薄いワシカモメ、さらに淡いシロカモメが混じり、初列風切が白黒で背がオオセグロカモメよりもやや薄いセグロカモメ、さらにはここでも15羽ほどのミツユビカモメがいたことから驚きました。また周辺ではハシビロガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ハジロカイツブリなども見られました。ただこの頃からは再び空は真っ暗になり、大量の雪が降ってきたことから視界が悪くなり、道の駅で休憩後に漁港に立ちよってからホテルに向かいました。無風だったことから寒さは厳しくなかったものの、晴れ、曇り、雪とめまぐるしく天気が変わる1日でした。
18日、この日は早朝の気温が−7℃と冷え込んでいて、空は見る見る青空が増えてきていました。朝食後はコクガンを探すため海岸に向いました。海岸が近くなってくるとやや風が出てはきましたが天気はさらに良くなっていてほぼ快晴でした。ひとまずコクガンの姿を探しながら海岸線を走り、毎回よく見られている場所までくると驚いたことに100羽近いコクガンが群れていました。バスを降りて観察をはじめると群れは大きな塊のようになって移動し、右に行ったり左に行ったりしていておもしろい動きを見せてくれました。過去、毎回見てはいますがここまでの数の群れは見たことがなく印象的でした。また海上にはアカエリカイツブリの姿があり、周辺では風に乗るようにオオセグロカモメ、シロカモメが飛んでいました。観察後はトイレに立ち寄りましたが、ここでも間近に海藻を食べている10羽ほどのコクガンを見ることができ、ホオジロガモの群れが飛び回っていました。その後は大沼公園まで戻ってヤマゲラなどの小鳥類を探してみました。駐車場付近では早速、ハシブトガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、シロハラゴジュウカラが間近に見られ、森に入るとここでもハシブトガラ、ヤマガラ、シロハラゴジュウカラ、そしてアカゲラも見られましたが鳥影が薄かったことから、キャンプ場まで行ってみることにしました。バスを降りると上空を2羽のオジロワシが飛んでいたもののここでも小鳥の気配は薄く、戻ろうかと思った時、遠くから「コロコロコロ・・・」というクマゲラが飛翔時に出す声が聞こえたため見てみると、飛んできたクマゲラが木に止まり、今度は止まった時によく出す「キョーン、キョーン」という声で鳴きだしました。望遠鏡で見てみるとオス個体で枯れ木をつつく様子が見られるなどラッキーな出会いがありました。その後は2羽で仲良く止まっているオジロワシを見てから再び大沼公園まで戻ると、小さな池にはアオサギ、ダイサギの姿があり、その後は森に入りましたが、ここではハクセキレイ、ミソサザイ、ベニマシコが見られたのみで新た出会いはなく、この日の探鳥を終えました。
冬の道東とは異なり、毎回毎回、雪に降られることが多く、積雪量も多い探鳥地ですが、今回は2日目にやや雪が降ったものの概ね好天の中での探鳥ができ幸いでした。目的であったヤマゲラ、シマエナガに出会うことはできませんでしたが、もう一つの主役であるコクガンの大きな群れが移動する様子は見ごたえがありました。またこの冬はカモ類が少ないながらもビロードキンクロ、クロガモ、ホオジロガモなどが見られ、比較的多く見られている冬の小鳥類に関してはハギマシコ、ウソ、ミヤマカケスが良く見られ、しっかりとはいきませんでしたが、ベニヒワ、イスカ、ベニマシコも見られ、冬の北海道の定番種のハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、シロカモメ、ワシカモメ、さらにはこのツアーでは過去に見たことがなかったヒシクイ、ミツユビカモメ、そして最後はクマゲラも登場してくれました。北海道は季節を問わず野鳥が楽しめますので、ぜひ次回は夏の北海道にでもお出かけ下さい。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸です。
石田光史








