【ツアー報告】やんばるの森とホエールウォッチング 2015年3月22日(日)~24日(火)

22日、羽田空港、神戸空港、那覇空港集合のお客様と合流。先週から肌寒い南国だが、最初のポイントの調整池に行く。50羽程のセイタカシギやアオアシシギ、タカブシギ、ヒバリシギが餌を採ったり休んだりしている。ハシビロガモやコガモに混じりシマアジの綺麗な夏羽を発見。ここは鳥との距離が近いのでみなさんでじっくり見たり写真を撮ったりする。海岸へ移動し、気持ちのいい海風に吹かれながらミサゴが飛ぶ姿を観察しながら昼食。
12:45 ホエールウォッチング船「パイレーツ」に乗り出航。沖縄の海にはカモメ類、ウ類、海ガモ類、トビなどがいないので、海上に出ても寂しい感じがするが、時折、カツオドリが横切る。船は慶良間列島の近くまで進み、さらに、南下して喜屋武岬が見える辺りまで行くが、なかなかザトウクジラの姿が見えない。毎年、沖縄本島近海には12月頃に200頭以上のザトウクジラがやって来て出産・子育てや求婚をするのだ。船は再び北上し、浦添の沖合までいくとブロー(潮吹き)を発見。赤ちゃんを連れたメスのクジラを何頭かのオスが追っかけている。船の近くを3~4頭のクジラが浮上しては沈んでいく。巨大な生物は感動するのだ。すると、いきなり赤ちゃんクジラが船の前方でブリーチング(ジャンプ)をした。この赤ちゃんはこの冬に沖縄で生まれた子であり、赤ちゃんといっても体長は4~5m、体重は1トン以上もある。その後、この赤ちゃんクジラは大はしゃぎで何度も何度も船の近くでブリーチングを繰り返し、みなさんを大喜びさせてくれたのである。ホエールウォッチング船は予定を1時間ほど延長して頑張ってくれたのだ。
船を降り、約2時間半かけてやんばるの森の中のホテルに到着。夕食後、みなさんでアオバズクの姿を堪能し、遠くからリュウキュウコノハズクの声が聞こえてくるのである。
23日、早朝、15℃と沖縄は真冬に戻ってしまった。6:40 やんばるの森を専用車でゆっくり走る。やんばるとは漢字で「山原」と書き、沖縄本島北部一帯を示し、亜熱帯の豊かな森が広がる地域である。ちょうどこの頃、イタジイなどの照葉樹が一斉に芽吹き、美しいブロッコリーの森のようなのだ。しかし、真冬の気温に下がったため鳥たちの囀りが少ない。ヤンバルクイナのペアの生息地を何カ所か廻っていくのだが、道路に出て餌を食べている個体がいない。陽が昇り少し暖かくなると、ホントウアカヒゲ、オキナワシジュウカラ、リュウキュウメジロなどが囀り、ヤンバルクイナも鳴き交わしを始める。林道を走っていると、クロウタドリが餌を採っている。寒くなったせいか、シロハラが喜んでいるようにみえる。その後もヤンバルクイナのポイントを何ヶ所も廻るが鳴き交わしの声ばかりで姿を現さない。そこで、ポイントを絞って待つと、車のすぐ横の斜面をヤンバルクイナ2羽が歩いてきた。全員でじっくり見るとはいかなかったが、ちょっとほっとする。その後も、やんばるの林道を網の目のように走って、皆さんでがんばっていただきましたが猛スピードで道路を横切る姿を見ただけでした。
その後、渡りに備えてたくさん溜まっているサシバを見ることができた。これからどんどん北上して繁殖地に向かうのだ。さらに、リュウキュウヨシゴイを見てから、那覇まで移動したのである。
24日、昨日よりさらに気温が下がってホテルは暖房が入っていた。6:40 に出発して耕作地をゆっくり走り、セッカ、シロガシラ、サシバ、イソヒヨドリなどを観察し、海岸のベンチで朝食。すると、岩礁の大きな岩の窪みでクロサギが造巣していた。クロサギの白色型の雌が巣の中にいて、黒色型の雄が頻繁に巣材を運んで来ては雌に渡している。男性のお客さんから「どこの雄も大変なんだ!」とのぼやきが出て、みんな笑顔になる。朝食後は海岸へ行き、数ヶ月前からいるサカツラガンをみなさんでじっくりと観察する。ここにはコチドリ、シロチドリ、アオアシシギ、チュウシャクシギ、ダイシャクシギ、ヒバリシギなどのシギ・チドリ類が13種、オカヨシガモ、コガモ、オナガガモなどのカモ類が6種、サギ類、ミサゴ、オオバンなどの野鳥がたくさんいる。ハヤブサが飛来すると300羽以上のムナグロが一斉に飛び立つ。その後、今年の1月から沖縄のあちこちを飛び回っているオオフラミンゴを観察する。当初、どこかの動物園から逃げたのかと思っていたが、この冬に中国の数カ所でも確認されたというので、野生のものが渡ってきた可能性もあり皆さんに見てもらったのである。そして、最後に訪れた耕作地で、タシギ、アオアシシギ、タカブシギ、シロハラクイナ、ツメナガセキレイなどを観察して、那覇空港へと向かったのである。
真冬に戻ってしまい、やんばるの鳥たちは静かになってしまいましたが、3日間で62種の鳥たちと出会うことができました。しかし、この時期ならではのザトウクジラが楽しませてくれ、特に赤ちゃんクジラの大ジャンプに感動したツアーでした。皆様お疲れ様でした。
宮島 仁

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