【ツアー報告】3月限定 やんばるの森とザトウクジラ 2022年3月16日~18日

(写真:ザトウクジラ 撮影:柳由紀子様)

16日、10:45 那覇空港でお客様と合流。26℃と真夏のような暑さの中を那覇空港から一気に北上して公園で昼食。北へ帰るサシバが10数羽集まっていて、そろそろこちらではサシバとお別れの季節なのだ。13:00 ホエールウォッチングの事務所で手続き。13:30出航。べた凪で鏡のような海を船はクジラを探しながらぐいぐい進む。毎年、12月~3月頃に沖縄本島近海には200頭以上のザトウクジラがやって来て出産・子育てや求婚をするのである。ここは比較的に陸から近いところがクジラのポイントなので簡単に見付かることが多い。しかし、この日は1時間走ってもクジラが見付からない。14:40沖合でクジラが数頭でばしゃばしゃしているのを発見。船は全速力で直行するとブローを発見。3頭のブローが見える。すると、いきなり左舷の至近距離でブリーチをして豪快な音と波しぶきが立つ。しかし、みなさん前方を気にしていたようでほとんどの人が見ていなかった。その後も合計5頭が30回以上のブローやフルークアップ・フルークダウンをしてみなさん大歓声なのだ。17:10帰港して、やんばるを目指して北上する。18:10ダムにいくとヤンバルクイナが鳴く。しかし、この季節ならこの時間に複数羽が鳴き交わしをするのだが、遠くで1羽のみ。それでも、初めてのヤンバルクイナの声をみなさんでじっくりと堪能する。18:30 やんばるの森のホテルに到着。夕食はザトウクジラの話しで盛り上がったのである。

17日、夜明け前、ホテルの周りでリュウキュウコノハズクとヤンバルクイナが鳴く。気温19℃。早朝、空き地でヤンバルクイナ3羽が餌を採っている。まだ、薄暗いのだが十分に確認できるので慌ててお客様を呼ぶが、一部の人が見られただけで森の中へと入っていった。その後、やんばるの森をゆっくり走る。気温20℃とコンディションは良く、オキナワシジュウカラ、リュウキュウメジロ、ホントウアカヒゲなどが囀り、遠くからノグチゲラのドラミングも聞こえる。しかし、いつもならヤンバルクイナが道路脇の草地で餌を啄むのだが1羽も道路には出て来ない。内地の亜種より色の濃いリュウキュウキジバトやリュウキュウヒヨドリなどの沖縄の亜種も次々に出現する。しかし、ここ数年でヤンバルクイナが最も見られてきた実績のあるポイントを次々に回るが1羽も見られなかった。こんな条件のいい朝に1羽も見られなかったことはツアーを15年やってて初めてのことなのだ。 ホテルに戻り朝食をいただき再出発。奥へ行くと施設の屋根にリュウキュウツバメのペアがとまっていてみなさんでじっくりと観察、撮影する。ここからやんばるの森の中の林道をゆっくり走る。北へ渡るサシバとシロハラが集まっていてあちこちにいる。この時期、イタジイなどの照葉樹が一斉に芽吹き、山はブロッコリーの森のようなのだ。ホントウアカヒゲのポイントでは、雄が出てきて朗々と囀る。みなさんでじっくりと観察するが素早くてなかなか撮影は困難である。繁殖期を迎えて浮かれてる鳥たちの声を聞きながらやんばるの森をゆっくりと走る。この時期限定の“幻のパープル・シャンデリア”といわれているイルカンダが南国的エキゾチックな花を見付けているのでみなさんで撮影会となる。ホントウアカヒゲが囀り、ノグチゲラのドラミングが遠くから響いてくる。その後は昼食とお買い物。午後は各所をめぐる。ホントウアカヒゲのポイントで雄をみなさんでじっくりと観察、撮影する。この辺も渡りで集まってきたサシバがたくさん溜まっていてあちこちにいる。再び過去に実績のあったヤンバルクイナのポイントを次々に回るが1羽も見ることが出来なかった。18:30 ホテルに到着。夜、リュウキュウアオバズクがホテルの裏にとまって鳴く。

18日、夜中から台風のような暴風雨と雷。06:30 大雨警報と竜巻注意報が発令されたため早朝の探鳥は中止。07:30 に朝食。08:15 出発。さっきまでの嵐がウソのように青空が出てきた。雨の後は、カタツムリやミミズを食べるヤンバルクイナが最も出現するので、過去に実績のあったヤンバルクイナのポイントを回るが、時々、鳴き声がする程度で1羽も道路に出てこない。過去にこんなことは一度もなく、どうしたのかも分からない。やっと、道路のすぐ脇で鳴いている個体がいたので、待ってみると2m程のところまで近づいて鳴くが、草丈が高くてどうして姿が見えない。すぐ近くでノグチゲラのドラミングが聞こえるが、ヤンバルクイナを優先する。しかし、どうしても姿が見えないまま、森の奥へと歩いて行ってしまったのである。でも、ヤンバルクイナの鼓動が聞こえるような距離での遭遇にみなさんちょっとだけ感激する。その後も、ヤンバルクイナの姿を見ることがなく、やんばるから南下して耕作地へ行く。サギ類、コチドリ、タヒバリ、シロガシラ、シマキンパラなどをじっくりと観察、撮影。ハクセキレイの群れがたくさん入ってて、シベリアハクセキレイがいてみなさんで盛り上がる。さらに南下してコガモ、ハシビロガモのカモ類やサギ類、セイタカシギ、アオアシシギ、ヒバリシギ、アカアシシギなどをみなさんで観察、撮影する。そして、16:30那覇空港へと向かったのである。この時期限定の、ザトウクジラとやんばるの森のツアーでした。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

ザトウクジラ 撮影:米持千里様

 

リュウキュウツバメ 撮影:柳由紀子様

 

ホントウアカヒゲ 撮影:米持千里様

 

アカアシシギ 撮影:柳由紀子様

 

ザトウクジラ 撮影:米持千里様

 

ホントウアカヒゲ 撮影:柳由紀子様

 

シベリアハクセキレイ 撮影:米持千里様

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