【ツアー報告】初夏の戸隠高原ハイキング 2018年5月9日~10日

(写真:オオアカゲラ 撮影:坂東俊輝様)

国内にはさまざまな探鳥地がありますが、その中で個人的に最も多く訪れている探鳥地が今回訪れる戸隠高原です。1年を通してよく訪れていますが初夏と晩秋の頃が最も良い季節で、初夏の頃は花も鳥も素晴らしい印象があります。足元を見ればミズバショウやリュウキンカ、カタクリが咲き、森はちょうど新緑を迎えてみずみずしいことに加え、キビタキ、コサメビタキ、コルリ、クロツグミ、ノジコなどの夏鳥たちが花を添えてくれます。今回は出発時の天気予報は芳しくありませんでしたが、次第に天候が良くなるとの予報でした。ただその後、天気予報がめまぐるしく変わり、予報が読みづらい状況となってしまいました。

9日、朝の東京駅は小雨が降っている状況でしたが、これといったトラブルなく無事出発することができました。車窓から見える風景は次第に明るくなり、長野駅到着時には雨は上がって日が射してきていました。長野駅からは1時間ほどバス移動して一旦ホテルに入っていただき各自昼食、その後探鳥に出発することにしました。ただ、やはり戸隠高原は標高1000mほどある山の中です。出発時にはどんよりとした曇り空になっていて霧雨が降っていました。この日はまず草原に向かいました。到着時はまだ霧雨が降っていましたが、2羽のサンショウクイがやってきてその姿をじっくりと見せてくれました。その後は林内を飛び回るキビタキのオス、また枝先で餌を探すカワラヒワの中に混じる3羽のマヒワが見られました。園内ではモズのオスとメスが求愛行動をしているのか、2羽で仲良く行動し、その後は当地の名物となっている地面で採食するアカゲラの姿がありました。また巣にせっせと餌を運んでいるエナガのペアがいたため観察していると2羽ではなく3羽の成鳥が頻繁にやってきてはヒナに餌を与えていました。距離があったため望遠鏡で観察しましたが、とにかく驚くほど見事な保護色、見事な造りの巣でした。その後は移動のためトイレ休憩を取りましたが、ちょうど付近の木で採食するオオアカゲラがいました。そのため皆さんを呼んで観察しましたが、驚くほど長時間に渡って採食行動してくれたことから思いのほかじっくりと観察することができました。また再びサンショウクイのペアがやってきてくれ、時折ホバリングなどを交えて枝先で餌を探す様子をしばらく観察することができました。その後はようやく雨が上がる中、森に移動しました。まずは駐車場付近でキセキレイの姿があり、池ではカルガモ、コガモ、カイツブリの姿がありました。周囲からはイカル、アカハラのさえずりが聞こえ、池の上を飛び回る複数のコサメビタキの姿がありました。森に入るとヒガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラといったお馴染みの顔ぶれが出迎えてくれたものの夏鳥たちのさえずりは皆無でした。そのため予定よりもやや行動範囲を広げて歩きました。ここではエナガ、ヤマガラ、シジュウカラに混じるキバシリが見られ、どんどん幹を登って行く様子を観察することができました。そしてようやく最後の最後で低木でなぜかじっとしているクロツグミの姿が見られ、ようやくさえずり出したノジコの姿を見て探鳥を終了しました。

10日、この日は天気予報がはっきりせず、どうなることかと心配して朝を迎えましたが、早朝はやや雲がかかっていましたが青空が広がり、このツアーではじめて戸隠山を見ることができました。想像以上にかなり冷え込んでいる中、森に向かいました。この日はいきなりアオゲラが飛んできてその姿を楽しませてくれました。観察しているといつの間にかオスとメスがやってきていて交尾する様子まで見せてくれました。その後は間近にさえずるミソサザイやニュウナイスズメ、せっせと巣穴を掘るコガラ、小川ではオシドリなどが見られ、ようやくさえずり出したコルリの姿を探しましたがその姿を見ることができず次第に強くなってくる雨に追われるように一旦ホテルに戻りました。ただ驚いたことに朝食中に、その雨が雪に変わり窓からの景色はまるで冬のようでした。過去、長らく戸隠高原に来ていますがこの時期の雪は全く見たことがなく驚きの光景でした。ただ再出発の頃には雪は止み、空は見る見るうちに青空が広がってきていました。朝食後は再びバスにて出発し、池では昨日までの顔ぶれに加わったキンクロハジロのペアが見られたほか、3羽のコサメビタキが飛びまわり、美しいキビタキのオスが間近にその姿を楽しませてくれました。その後は鏡池までを歩きました。途中ではせっせと巣作りするヒガラの可愛らしい姿や、川面で跳ねるように戯れるキセキレイのペアなどが見られ、鏡池では水墨画のようなモノクロの山々と日光を浴びて輝く新緑が織り成す見事な光景を眺めることができ、やや風が吹く中、ホバリングするように飛翔するサンショウクイの姿を見ることもできました。また天候が回復したことから各所で「フィフィフィ・・・」と大きな声でさえずるゴジュウカラの姿を目にしました。一旦昼食に戻りお蕎麦をいただいた後は再び森を歩き、相変わらず池の湖面を飛び回るコサメビタキ、そしてようやくいい場所で歌ってくれたノジコ、さらにはさえずるウグイス、そして最後は子育て中のオオアカゲラの姿を観察して終了しました。この日もめまぐるしく天気が変わる1日でしたが、最後は見事な青空に戸隠山が輝いて見えました。

さて、この初夏の戸隠高原ツアーもかなり長い歴史がありますが、今回は初夏と謳うにはやや難がある2日間でした。早朝や夕方の冷え込みはまるで晩秋の戸隠高原を連想させ、言うまでもなく過去には経験したことがない雪が舞いました。野鳥たちの動きも想定していたほど良くはなく、いくつかの種類ではさえずっているベストシーンに出会うことができず残念でした。ただ相変わらず夏鳥たちは見やすい印象があり、キビタキ、コサメビタキ、ノジコ、アオジ、サンショウクイ、ニュウナイスズメといった常連たちが出迎えてくれ、今回は季節の進みが遅かったことが影響してか、エナガ、オオアカゲラ、コガラ、ヒガラ、キセキレイといった種の巣作りや子育てを垣間見ることができました。ハイキングツアーのためほぼ徒歩での探鳥でした。この度はお疲れ様でした。

石田光史

コサメビタキ 撮影:山岸俊文様

 

キビタキ 撮影:なー様

 

ミソサザイ 撮影:坂東俊輝様

 

オオアカゲラ 撮影:山岸俊文様

 

コサメビタキ 撮影:なー様

 

キセキレイ 撮影:坂東俊輝様

 

ニュウナイスズメ 撮影:山岸俊文様

 

コゲラ 撮影:なー様

 

コサメビタキ 撮影:坂東俊輝様

 

キセキレイ 撮影:山岸俊文様

 

ノジコ 撮影:なー様

 

サンショウクイ 撮影:坂東俊輝様

 

サンショウクイ 撮影:山岸俊文様

 

アオゲラ 撮影:なー様

 

キバシリ 撮影:坂東俊輝様

関連記事

ページ上部へ戻る