【ツアー報告】冬の真岡市井頭公園と館林 2020年1月22日
(写真:トラツグミ 撮影:上田恵様)
冬の小鳥類をまとめて観察することを目的とした冬恒例の日帰りバスツアー。井頭公園では最近、ヨシガモの個体数が一気に増え、トモエガモの飛来も安定してきて、そもそもよく見られているミコアイサを含めた3種の人気のカモ類が見られるようになり、小鳥類もヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、そして冬鳥としてやってくるジョウビタキ、ルリビタキ、トラツグミ、シロハラ、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、ビンズイ、シメといった種に加え、過去にはアリスイ、クイナとの出会いもあり楽しみです。また夕方には館林市の湖沼に向かい、公園では見づらいカモ類やホオジロ類、オオジュリンなども探します。この日は曇りマークに晴れマークがついてはいましたが結果的には雨はなかったものの終日陽射しはなく肌寒い1日でした。
22日、東京の天気予報は曇りということで早朝からどんよりとした空模様でしたが、我々が向かう栃木県には晴れマークが出ていたため期待しての出発となりました。途中のバス車内ではこの日に見られる可能性がある種の中から、特に目立った種に関して識別ポイントなどの解説を行いました。途中、サービスエリアで休憩をとった後は一気に現地まで走り、到着後は各自観察機材の準備を行っていただいてから公園内を歩きました。期待していた晴れ間はなく、肌寒い中での探鳥でしたが、まずは池で年々その数を増しているヨシガモの姿を堪能し、他にもヒドリガモ、オナガガモ、マガモ、カルガモの姿があり、よく見てみると2羽のトモエガモのオスやオカヨシガモの姿もありました。また付近の林には賑やかなエナガの群れがやってきて楽しませてくれました。やや歩くと美しいミコアイサのオスが2羽で寄り添うように浮いていて、気が付くと間近に止まっているカワセミがいて、それほど警戒していないようでじっくりと観察することができました。広場ではこの冬によく見られているシメが見られ、池ではコガモの群れに混じるカワアイサのメス、さらに進むと地面をノコノコと歩きながら餌を探すビンズイの小群に出会うことができました。その後は水溜まりで水を飲んでいるヤマガラ、メジロの姿を見てから一旦、各自昼食としました。昼食の間にも広場をノコノコ歩き回るビンズイが見られたほか、地面でせっせと餌を探すトラツグミの姿もあったことから望遠鏡を使ってじっくりと観察しました。また周囲にはシロハラやジョウビタキ、3羽で餌を探すアオジの姿もあり、いつものメンバーが出揃ってくれました。午後からはまずルリビタキのメスが見られ、戻る途中にはミコアイサのオス3羽、メス1羽が戯れて求愛行動をしている様子も見られました。その後はようやく青いルリビタキが連続して登場してくれ、木の幹をつつくコゲラなどを見てから館林市にある城沼に移動しました。予定よりもやや遅くなってしまいましたが池にはオオハクチョウの姿があったほか、オナガガモやダイサギ、アオサギ、またホシハジロが数多く見られました。ヨシ原の周辺を歩くと地面に降りて餌を探すモズ、周辺ではホオジロ、カシラダカの姿もあり、池ではミコアイサが佇んでいました。またヨシをつついて昆虫を探すオオジュリン、そしてここでもカワセミがその姿をよく見せてくれ、塒にしているのか、次々に飛来するオナガガモの群れを見てこの日の探鳥を終了しました。
結果的には陽射しがなく肌寒い1日でしたが、ミコアイサ、ヨシガモ、トモエガモといった人気のあるカモ類が出揃ってくれ、冬鳥のジョウビタキやシメ、冬季に平地にやってくるトラツグミ、ルリビタキ、ビンズイ、シロハラ、キクイタダキ、そして公園では見られなかったホオジロ、カシラダカ、オオジュリン、オオハクチョウなども最後に見ることができました。期待していたいくつかの種に出会えなかったのは残念でしたが、冬の人気種との出会いをお楽しみいただけたと思います。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史