【ツアー報告】フォトツアー空の王者 イヌワシに会いたい! 2025年8月3日

(写真:イヌワシ 撮影:宅間保隆様)

最近は春を過ぎるといきなり真夏がやってきているような陽気が続いていて、どこからが夏なのかがよくわからないですが、盛夏のこの時期恒例のイヌワシの出現をひたすら待つというツアーです。暑い時期になると鳥を見に行くにも良い場所がなく、また厳しい暑さの中、歩き回ることは熱中症の危険があり、なかなか難しいものです。そのためこのツアーは下界よりも涼しい場所に行って、これといって歩くこともなく定点観察をするということがコンセプトです。もちろん定点観察といえば大型猛禽類だろうということで、イヌワシをターゲットにしています。昨年は久しぶりに若ワシが巣立って見事な飛翔を見せてくれましたが、今年はどうやら繁殖はうまくいかなかったとのことで残念ではありましたが、それでもここを縄張りにしているイヌワシのつがいは元気に過ごしているでしょう。大型猛禽類観察には天気が重要なポイントではありますが、幸いにもこの日の天気予報も前日同様に晴れとのことで、言うまでもなく高温には気をつけながらの探鳥となりました。

3日、この日も早朝から米原駅前は快晴で、早くもどんどん気温が上がっていました。09:00にご集合いただいた後は、この日も予定通り出発してまずは伊吹山ドライブウェイの山頂駐車場に向かいました。途中、今回の主役であるイヌワシの基本的な話や今年の伊吹山のイヌワシの状況などについて話しながら進め、伊吹山ドライブウェイのゲートまでやってきたところで掲示板を見ると山頂付近の天気は晴れ、気温は21℃、視界は良好とのことでまずは一安心して山頂駐車場に向かいました。車窓から外を見るとずっと視界良好でこれはチャンスと思っていましたが、山頂が近づきてくるとこの日も霧が出ていて山頂駐車場に到着すると霧の中でした。前日に比べるとこの日の霧はかなり濃いようで、休憩後にバスで出発し、観察場所に到着した頃にもかなり霧が濃く、全く視界がない状況でした。ただ天気は晴れで空がいくぶん明るかったことから霧は晴れると判断し、観察機材の準備を行って待機することにしました。霧の中からはウグイスの声が聞こえ、ホオジロが木のてっぺんに出てきてさえずってくれました。ただこの日の霧はなかなか晴れず、結果的には2時間近く待ったお昼頃にようやく視界が開けてきました。するとまず12:30につがいと思われる2羽のイヌワシが右から左の稜線に向かって飛び、あっという間に森に消えました。ただ12:45には今度はうち1羽が眼下を今度は右に飛んでいきました。すると今度はこの1羽と思われる個体が右の稜線からまっすぐ左の稜線に向かい、目線ほどの高さの岩に止まりました。そのため望遠鏡を使ってこの個体を観察することができ、距離はあったもののその姿をしっかりと見ることができました。観察していると14:00には飛び立って稜線の裏に向かったことから一旦、その姿は見えなくなってしまいました。ただこの日は動きが良いようで、14:15には再び眼下の谷間を左から右に飛ぶ2羽のイヌワシが見られ、かなり低い場所を飛んでいたことから下ばかりを気にしていると、わずかな間隔で目線ほどの高さを2羽で左へ飛び、その後、一旦稜線に消えたものの、その後は高く上がり、対岸の稜線の向こうへ消えていきました。この時点ではまだまだ観察時間は2時間ほど残っていたことから、再度の出現に期待して17:00まで観察を続けましたが、その後は残念ながらイヌワシの姿を見ることはなく探鳥を終えました。

さて、毎年盛夏の頃の恒例ツアーになっている国の天然記念物、イヌワシを観察、撮影するツアー。この日は午前中は霧によって視界がなかったことから待機となってしまいましたが、午後からはみるみる視界が開け、数回に渡って飛翔するイヌワシの姿を見ることができたほか、岩に止まっている姿も見ることができ、比較的楽しめた1日でした。広大な縄張りをもって生活しているイヌワシはそもそも観察するにはかなりの時間を要します。ぜひまたの機会に大空を悠々と飛ぶイヌワシの姿を見にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

イヌワシ 撮影:坂東俊輝様

 

ホオジロ 撮影:宅間保隆様

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