【ツアー報告】フォトツアー空の王者 イヌワシに会いたい! 2025年8月2日

(写真:チョウゲンボウ 撮影:坂東俊輝様)

最近は春を過ぎるといきなり真夏がやってきているような陽気が続いていて、どこからが夏なのかがよくわからないですが、盛夏のこの時期恒例のイヌワシの出現をひたすら待つというツアーです。暑い時期になると鳥を見に行くにも良い場所がなく、また厳しい暑さの中、歩き回ることは熱中症の危険がありなかなか難しいものです。そのためこのツアーは下界よりも涼しい場所に行って、これといって歩くこともない定点観察をするということがコンセプトです。もちろん定点観察といえば大型猛禽類だろうということで、イヌワシをターゲットにしています。昨年は久しぶりに若ワシが巣立って見事な飛翔を見せてくれましたが、今年はどうやら繁殖はうまくいかなかったとのことで残念ではありましたが、それでもここを縄張りにしているイヌワシのつがいは元気に過ごしているでしょう。大型猛禽類観察には天気が重要なポイントではありますが、幸いにもこの日の天気予報は晴れとのことで、言うまでもなく高温には気をつけながらの探鳥となりました。

2日、前日に米原まできてこの日に備えていましたが、東京都内からもうとにかく暑いの一言で、ようやく新幹線車内で涼むことができたものの、到着した米原駅は夕方にも関わらず、さらに暑さを感じるほどでした。ツアー当日は早朝から快晴ということもあって気温はぐんぐん上がっている感じで先が思いやられるほどでしたが、集合時間の09:00には集合が完了したことから予定通り出発してまずは伊吹山ドライブウェイの山頂駐車場に向かいました。途中、今回の主役であるイヌワシの基本的な話や今年の伊吹山のイヌワシの状況などについて話しながら進め、伊吹山ドライブウェイのゲートまでやってきたところで掲示板を見ると山頂付近の天気は曇り、気温は20℃、視界は良好とのことでまずは一安心して山頂駐車場に向かいました。車窓から外を見るとずっと視界良好でこれはチャンスと思っていましたが、山頂が近づきてくるとやや霧が出ていて山頂駐車場に到着すると霧の中でした。ただ休憩後にバスで出発する頃には次第に視界が開けだし、観察場所に到着した頃にはすっかり霧はなくなっていました。機材の準備後はひたすらイヌワシの出現を待ち、午前中は周囲からホオジロやホトトギスの声が聞こえ、次第に飛翔するツバメ、イワツバメが増え、中にはコシアカツバメが混じっていました。その後は快晴の空をここではあまり見かけないトビが飛んだものの午前中はイヌワシの姿はなく、そのまま午後に入りました。午後からは吹きあげてくる風に乗るように2羽のチョウゲンボウが現れ、ひらひらと舞ったり、ホバリングを繰り返していました。そして16:30頃には眼下を飛ぶイヌワシの姿がありましたが、わずかな時間で山の裏側に入って隠れてしまったことから、じっくり見ることはできませんでした。そしてこの日は予定通り17:00まで観察を続けましたが、その後はイヌワシの出現はなく、この日は残念な結果になってしまいました。

さて、毎年盛夏の頃の恒例ツアーになっている国の天然記念物、イヌワシを観察、撮影するツアー。この日は天候も良く、終日視界は良好でしたが、最大の目的であったイヌワシの姿をじっくり観察することができず残念でした。広大な縄張りをもって生活しているイヌワシはそもそも観察するにはかなりの時間を要します。ぜひまたの機会に大空を悠々と飛ぶイヌワシの姿を見にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

チョウゲンボウ 撮影:宅間保隆様

 

ホオジロ 撮影:坂東俊輝様

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