【ツアー報告】フォトツアー2月の冬の道東めぐり(追加設定)2022年2月20日~23日

(写真:シマエナガ 撮影:神長恵子様)

冬の定番となっているこの冬の道東めぐりも早いものですでに15年以上担当させていただき、過去、毎年のようにコースを変えながら催行してきました。以前はタンチョウ、シマフクロウ、オオワシ、オジロワシが主役でしたが、シマフクロウに関しては出現率が極めて高い初冬に移行し、新たに人気が高いシマエナガ、そして私的にも応援している落石クルーズでのウミスズメ類撮影を加えてリニューアルしました。これによりシマエナガをはじめとした小鳥類、流氷のオオワシ、オジロワシ、タンチョウの塒および雪原で乱舞するタンチョウ、エゾフクロウ、そしてコオリガモをはじめとした海ガモ類、最後はウミスズメ類とほぼ全てが撮影可能な4日間コースが完成しました。これにモモンガ、ラッコ、アザラシ類撮影まで加わってさらに完成度が増しました。4日間では私的にはもうこれ以上のツアーは作れないと自負しているツアーの出発です。ただ今回は前回とは全く異なり、北海道に低気圧が急接近してくる中での出発となってしました。

20日、早くも小雨が降りだしている早朝に羽田空港に向かうも搭乗を予定している便をはじめとして北海道各所に向かう飛行機は軒並み条件付きや欠航。我々が搭乗予定の便も条件付きながら出発予定になったため通常通りに進行し、ひとまず予定通り出発することができました。無事着陸してくれるのかと不安でしたが、これといった大きな揺れもなく女満別空港に到着することができました。小雪が舞う中ではありましたが、ここからはバスにて1時間ほど移動の時間をとってこの日の宿泊地に向かいました。途中、雪のため風景を見ることはほぼできず、見る見るうちに積もってくる雪の中、宿に到着後は一旦お部屋に入っていただいて各自撮影機材の準備をしていただき、その後は宿の庭にてシマエナガをはじめとした小鳥類を撮影しました。天候が悪い日のほうが小鳥たちは活発に動きまわるとのことで、確かにこの日は前回よりも小鳥たちの動きが良く、シマエナガはほぼ出ずっぱりといった状況で、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、そして複数のアカゲラにオオアカゲラのオス、メスもとにかく活発に動いており、キバシリの姿があったほか、この日はウソが5羽~7羽の小群でやってきて楽しませてくれました。そして今回も17:00過ぎからエゾモモンガの撮影の準備にとりかかり、風で雪が舞い上がるような状況だったにもかかわらず、この日も複数のエゾモモンガが飛び出していく様子、そして木々を登っては餌を食む様子も撮影することができました。

21日、この日はタンチョウの撮影のため早朝に出発する予定で準備をしていましたが、そもそも道路が通行止めになるような猛吹雪となり、ひとまず除雪機がきたタイミングでバスドライバーに連絡を入れて宿まで来ていただきました。ただ極めて危険な状況であることは明らかで、宿のご主人とも話し合った結果、この日はそのまま一日宿にとどまることにしました。風は見る見るうちに強くなってはきましたが、ちょうど建物が風よけになることもあって、休み休みであれば撮影は可能なことから、各自の判断で休憩を入れながら撮影することにしました。雪も降り続いていて風もありましたが、この日はさらに小鳥類の動きが良くなり、シマエナガは前日以上に出ずっぱりといった状況で、風があるせいか地上に降りて餌を食べる姿がよく見られ、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、アカゲラもほぼ出続けてくれ、この日もオオアカゲラのオス、メス、そしてウソも群れで頻繁にやってきてくれました。そして今回も17:00過ぎからエゾモモンガの撮影の準備にとりかかりましたが、この日はさすがに吹雪のような状況になってしまったため撮影は断念しました。

22日、この日は羅臼町に向かう予定でしたが、前日に早くも流氷観光船の全便欠航の連絡が入っていたことから鶴居村に向かうルートを考えていました。天気予報は早朝から良かったため期待していましたが、深夜からの強風は弱まることなく、その音と振動のため03:00頃からは寝ることができず起きていました。05:00集合予定でしたがひとまず07:00まで待機とし、前日同様に除雪車が来るタイミングでバスに来ていただき、とりあえず朝食の用意をしました。さまざま調べた結果、この日は我々がいる場所から北側、東側は道が全て止まっていて、行けるのは釧路方面だけのため朝食後は鶴居村に向かうことにしました。やや迂回したことから予定よりも時間がかかってしまったものの鶴居村には無事に到着し、到着後は見る見る青空が広がってきました。まずは音羽橋でわずかに居残ったタンチョウを撮影し、その後は新雪を踏みしめながら歩いてエゾフクロウを撮影、その後はサンクチュアリーに移動してタンチョウの撮影を行いました。最初はタンチョウの数が少なかったのですが、次々に飛んできたことからいつの間にか個体数が増え、風があったことから間近を飛翔する珍しいシーンが多く、鳴き交わしや求愛ダンスも頻繁に見られました。その後はなるべく多くの野鳥たちを撮影しながら根室に移動しようと考えましたが、道路は釧路に行くルートしかなかったため釧路経由で厚岸町に向かい、その後は東へ向かいました。漁港ではコオリガモを狙いましたが、つがいがいたものの撮影できる距離ではなかったことから諦め、岬まで移動してケアシノスリを探しました。一面の雪景色で風もあったことから非常に寒かったのですが、どこからともなくケアシノスリが飛んできて電線に止まってくれました。その後は一旦姿を消しましたが、ホバリングしている姿をじっくりと撮影することができ、同時にオオワシ、オジロワシも風に乗って飛んでいたため、合わせて撮影することができました。ただ、コオリガモの撮影がうまくいかなかったことから最後に別の港を目指しました。ドライバーさんががんばって走ってくださったことから16:00過ぎになんとかたどり着くことができ、早速間近に浮いているコオリガモをじっくり撮影することができ、その後はシノリガモやクロガモ、ウミアイサ、スズガモ、そしてワシカモメも撮影することができ、なんとか17:00に根室市内のホテルにたどり着きました。

23日、この日はこのツアーを締めくくる落石クルーズでウミスズメ類や海ガモ類を撮影します。昨夜は強風が残っていて不安でしたが、早朝からやや風はあったものの穏やかな晴れでした。この落石クルーズは営業運行前から少々お手伝いをさせていただいた縁があり、また観光客が気軽に乗船するような観光船ではないことから我々のツアーでは応援する意味でも必ずツアーに組み込むようにしています。もちろんウミスズメ類が撮影可能な距離感で見られるという意味ではまさに唯一無二といってよいクルーズです。夏には妖艶な姿のエトピリカが主役ですが、冬季はなぜかこの海域でしか見られないウミバトが主役で、この日はなかなか見られず焦りましたが3個体を見ることができ、この日に目立ったケイマフリはかなりの数が見られ、夏羽の換羽した個体から冬羽の個体までさまざま撮影することができました。またいよいよこの時期になるとコウミスズメが増えてきてかなりの数を見ることができました。さらにこの日は数百羽単位のクロガモの大群が群れ飛ぶ様子が見られたほか、ビロードキンクロのオスをじっくり撮影する機会に恵まれ、ウミガラス、ラッコ、飛翔するオオワシ、オジロワシも撮影できました。

新コースに変更したフォトツアー冬の道東めぐり。シマエナガをはじめとした小鳥類の撮影にはじまり、雪原に舞うタンチョウと塒にいるタンチョウ、流氷のオオワシ、オジロワシ、可愛らしいエゾフクロウ、独特の表情のコオリガモをはじめとした海ガモ類、そしてウミスズメ類と冬の見どころをほぼ網羅して撮影可能なコースとし、エゾモモンガやラッコも撮影できることが魅力ではありますが、今回はたまたま発生した低気圧の影響で結局は流氷観光船に乗ることができず、オオワシ、オジロワシの撮影が不十分になってしまい残念でした。またの機会がありましたらぜひご検討ください。そして夏にもフォトツアーを企画いたしましたのでぜひまた季節を変えて北海道にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ケアシノスリ 撮影:神長恵子様

 

タンチョウ 撮影:神長恵子様

 

オオワシ 撮影:神長恵子様

 

ウソ 撮影:神長恵子様

 

ラッコ 撮影:神長恵子様

 

コオリガモ 撮影:神長恵子様

 

エゾフクロウ 撮影:神長恵子様

 

ケイマフリ 撮影:神長恵子様

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