【ツアー報告】初夏の奥日光 戦場ヶ原と日光白根山(追加設定)2022年6月1日

(写真:ミソサザイ 撮影:大澤保男様)

主に晩秋や冬季にツアー企画してきた奥日光ですが、今期からは初企画として初夏にも訪れることにしてみました。奥日光には標高約1400ⅿの戦場ヶ原があり、周辺には森林があります。またわずかな距離には標高約1700ⅿの日光白根山登山口があるため、今回はノビタキ、ホオアカなどの草原の野鳥、キビタキ、コサメビタキなどの森林の野鳥に加え、コマドリ、ルリビタキといった亜高山帯の野鳥たちも観察するといった具合に3つの環境をめぐることにしました。もちろんカワガラスやカラ類など奥日光を代表する留鳥たちも豊富なため、ちょうど賑やかな時期でしょう。この日は幸いにも天気予報は終日晴れとのことでした。

1日、心地よい晴れ間がのぞく早朝の東京駅前。数ある日帰りバスツアーの中でも奥日光は現地までの距離があるため出発時間を通常のツアーよりも早めの07:30としていますが、今回も順調にご集合が完了したことからほぼ予定通り出発することができました。バス車内ではいつものようにこの日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、おなじみのいろは坂を上っていきました。途中、意外なほどに雲が多い空模様でどうなることかと心配でしたが、最初に到着した場所では見事な青空が広がりだす中、まずは観察機材準備をしていただきました。早速、カッコウやホトトギスの声が聞こえる中をまずは日光白根山登山口に向かいました。金精峠を過ぎると周囲はすっかり亜高山帯の植生に変わり、一部に残雪も見られました。ますは遊歩道を歩きましたがいきなり間近でジュウイチの声が聞こえていました。その後は針葉樹林からキクイタダキのさえずりが聞こえ、枯れ木のてっぺんではずっとビンズイがさえずっていました。その後は白樺の木でさえずるヒガラを見ながら戻ると、針葉樹の林で盛んにフライキャッチを繰り返すサメビタキの姿があり、付近ではキクイタダキの姿もありました。また見ていると間近にミソサザイがやってきて珍しくじっと枯れ木に止まっていました。その後は湯滝まで移動して一旦、各自昼食の時間として、その後は木道を歩いてみました。まずはキビタキが頭上でしばらくさえずる姿をじっくり観察してからさらに歩くとオオルリのさえずりが聞こえましたが残念ながら姿は見えず。ただ戻る途中ではミソサザイが良い枝に止まってさえずってくれたことからしばらくその姿を堪能することができ、たまたまオオルリもさえずり出したためようやくその姿を見ることができました。そしてこの日の最後は戦場ヶ原に向かいました。到着するといきなりカッコウの声がしたことから見てみるとカラマツのてっぺんで鳴いていたため、じっくりと観察することができました。ホトトギスの騒がしいさえずりを聞きながら遊歩道に入ると、コサメビタキが飛び回り、川沿いに進むと餌を咥えたキセキレイが飛び回っていて、間近にゴジュウカラが現れたかと思うと続けざまに2羽のヒガラもやってきてくれました。木道エリアに入ると今度はオオジシギのディスプレイフライトがいきなり始まり、我々の頭上でしばらくの間、羽音を鳴らしながら急上昇、急降下する独特の行動を楽しむことができました。さらに進むとウグイス、キビタキが良い枝ぶりのところでさえずる姿を見ることができ、さらに進むと今度はズミに止まってさえずっている複数のアオジの姿を堪能することができ、周囲ではノスリが飛び回っていました。木道が途切れる場所まで行くと珍しく枯れ木のてっぺんにノビタキが止まってさえずり、草原ではホオアカもさえずっていました。戻る途中ではエナガの群れやニュウナイスズメを見ることができ、川沿いでは水浴びを終えたヒガラ、シジュウカラの姿を見てこの日の観察を終了しました。

穏やかな晴天に恵まれたハイキング日和の一日。亜高山帯では思ったほどの成果がありませんでしたが、サメビタキ、ビンズイ、キクイタダキ、ミソサザイが見られ、森林では奥日光を代表するキビタキやコサメビタキ、オオルリ、ニュウナイスズメ、アオジ、ウグイスなどをじっくりと見ることができ、草原ではノビタキやホオアカ、カッコウ、そして何より数年ぶりに戦場ヶ原でオオジシギのディスプレイフライトを堪能できたことは何よりの大成果でした。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

キセキレイ 撮影:大澤保男様

 

ノビタキ 撮影:大澤保男様

 

ビンズイ 撮影:大澤保男様

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