【ツアー報告】初夏の富士山 北富士演習場と富士山五合目 2024年5月26日~27日

(写真:コルリ 撮影:水本真矢様)

野鳥の宝庫としてしられている富士山。亜高山帯の野鳥たちが間近に見られる富士山五合目は有名ですが、麓の森林帯はコルリの生息密度が日本一と言ってよい高さで、ほかにもキビタキ、センダイムシクイ、クロツグミ、ヒガラなどさまざまな小鳥たちが生息しています。今回はこれら亜高山帯の野鳥、麓の森林帯の野鳥たちを観察することに加え、新たに決められた日にしか入ることができない北富士演習場内で、ノビタキやホオアカ、コヨシキリ、カッコウ、コムクドリ、ビンズイといった草原性の野鳥たちも探す行程を加えた富士山麓探鳥に特化したコースにしてみました。ちょうど梅雨入り直前ということもあって事前に天気予報をチェックし続けていましたが、ちょうど台風1号が発生して進路なども気になる状況でした。ただ結果的には台風の影響はないだろうとの予報ながら、2日目は雨の予報が出てしまいました。

26日、そもそもこのツアーは東京駅前集合を通常のツアーよりも遅い09:00にして、遠方からのお客様にもご参加いただきやすくしています。余裕を持った集合時間にしていることもあってか特に問題なく順調にご集合が完了したことから、予定通り出発して富士山麓を目指しました。バスは中央自動車道を走り、車内ではこのツアーで見られる可能性が高い種の解説をしながら進みました。まずはサービスエリアで休憩をとりましたが空を見ると天気予報よりも悪いようでかなりどんよりとしていて、風が予想よりもかなり冷たく感じました。休憩後は富士山に向かってさらに進み、到着した道の駅では相変わらずどんよりとした空の下、まずは各自昼食をとっていただき、同時に観察機材の準備もしていただきました。たださらに冷え込んでいる印象だったため着るものも整えました。その後はいよいよ北富士演習場に入りました。北富士演習場は基本的には特定の日しか立ち入ることができないため、通常であればここぞとばかりに走り回るオフロードバイクが目立つのですが、この日はどちらかというと普通乗用車が多く、ほとんどが山菜を採っているようでした。我々は場内を走りながらバスが安全に止められる場所でバスを降りて観察を開始しました。早速、ホオアカ、アオジがさえずり、その後はノビタキのつがいが間近にやってきて何回もその姿を楽しませてくれました。また地面ではヒバリがさえずり、遠くからはカッコウ、ホトトギスの声も響いていました。大回りで場内を回ると林の中からはアオゲラの声が聞こえ、キビタキ、センダイムシクイがさえずっていて、餌を咥えたアカゲラが飛び回っていました。トイレに立ち寄るため、一旦道の駅に移動し、その後は再び北富士演習場に入り、別のエリアに行ってみました。ここではノスリがハシブトガラスに追われる様子が見られ、付近では相変わらずホオアカ、ノビタキの姿がありました。さらに進むと枯れ木に止まっているカッコウがいたため少しずつ接近しながら観察していると、どこからともなくコムクドリのオスが飛んできて同じ木に止まりました。しばらく見ていると付近ではオオジシギがディスプレイフライトを始めたためやや移動して観察を始めると、我々の頭上を何度も何度も飛び交いながら独特のフライトをしばらく楽しませてくれました。また付近では当地では珍しいオオヨシキリがけたたましくさえずっていました。終日、いつ雨が降ってきても不思議ではない空模様ながら、結果的には雨が落ちてくることはなく終えることができました。

27日、この日は早朝から雨が降っているのではないかと心配しながら外に出てみましたが、意外なことに空には青空が見え、昨日は見ることができなかった富士山がバッチリと見えていて雪を被った山頂までしっかりと見えていました。早朝探鳥のため05:00にホテルを出発し、まずは富士山麓の森で探鳥をしました。早朝は主にコルリを狙っての探鳥ですが、この日はキビタキのさえずりは多かったもののコルリはそれほど鳴いておらず、聞こえる声もかなり距離があったため、早々に断念して別の場所に向いました。ここではホトトギスやアオバトの声はしていましたが、コルリの声はなく、針葉樹の枝先で餌を探すヒガラ、メジロなどを見てから移動しました。するとここでは幸いなことに良い距離感で複数のコルリがさえずっていたため探してみました。すると目線ほどの高さの横枝でさえずるコルリを見ることができ、一旦飛び去ってしまったものの、もう一度見ることができ、この時は望遠鏡を使って長時間じっくり観察することができました。時間が07:30を過ぎてしまったことからこの後は朝食を各自購入していただき、道の駅で時間をとって朝食の時間としました。この時間になっても空は明るく、しかも一部で青空が見えていたことからこれはラッキーと思いながら、朝食後は富士山五合目に向いました。最初は日差しもあって好調でしたが途中からはなにやら怪しげな雲に霧、そして五合目間近からはバスが揺れるほどの強風が吹いてきてしまいました。ひとまず奥庭荘まで行ってはみたものの、とても鳥が見られる状況ではなかったことからドライバーさんとも話し、麓ならば天気は大丈夫だろうとのことから一旦スバルラインを下ることにしました。ただここでまた想定外の渋滞が発生してしまいバスは道路上でストップとなりました。工事か事故かと思いましたが、なんと驚いたことに強風によって倒れた木が道路を塞いでいるとのこと。そのためチェーンソーで木を切って運び出す作業に1時間強ほどかかってしまったため、またまた予定変更で富士吉田に向うことにしました。まずは早朝にも行った森に向い、ここでは針葉樹のてっぺんでさえずっているビンズイが見られ、その後は餌を咥えて付近をうろうろしているアカゲラが見られました。また普段は樹間を移動しながらさえずることが多いセンダイムシクイが珍しくじっと止まってさえずっていたため望遠鏡を使ってじっくり観察することもできました。その後はお昼を過ぎたことから各自お昼を購入していただき道の駅に移動して各自昼食の時間とし、その後は別の場所で探鳥をしました。この時間になっても雨は霧雨程度で全く気になるものではなく、ここではキビタキ、コルリ、クロツグミのさえずりを聞きながら歩き、巣立ったばかりのヒナを連れているのか、エナガが周辺を飛び回っていました。そしてやや時間があったことから最後に公園に向い、ここでは林の中でコサメビタキ、カワラヒワを見て探鳥を終えました。

今年の富士山ツアーは天候の不安がありましたが、結果的には雨の影響なく終えることができました。ただ富士山五合目だけは天候の急変による強風で探鳥ができず、目的の一つだった高山の鳥たちに出会うことができませんでした。初日は終日曇天ながら草原の鳥たちは元気で、ホオアカ、ノビタキ、カッコウ、コムクドリ、ヒバリ、キジなどを楽しむことができ、夕方に見たオオジシギのディスプレイフライトは見事でした。翌日朝は意外にも美しい富士山を眺めることができ、目的のコルリをはじめ、アカゲラやセンダイムシクイ、ビンズイ、ヒガラ、エナガ、コサメビタキなどを見ることができました。急な変更が多いツアーになってしまいご苦労をおかけしました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

カッコウ 撮影:水本真矢様

 

ホオアカ 撮影:水本真矢様

 

アカゲラ 撮影:水本真矢様

 

オオジシギ 撮影:水本真矢様

 

ノビタキ 撮影:水本真矢様

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