【ツアー報告】大洗の海鳥と涸沼の猛禽類(追加設定)2023年2月14日

(写真:チュウヒ 撮影:霜村亮様)

平成27年にラムサール条約登録湿地となった茨城県の涸沼と海鳥たちが楽しめる大洗海岸をセットにした毎冬恒例の日帰りバスツアー。ここまでずっと涸沼の主役であったオオワシが残念ながら数年前から渡来しなくなってしまいやや残念ですが、代わって頭が黒い大陸型チュウヒが渡来するようになり新たな主役が現れました。また涸沼周辺の広大な畑地は猛禽類の宝庫であり、そこから僅かな場所にある大洗海岸はそれに負けることがない海鳥たちの宝庫です。このツアーでは涸沼と大洗海岸とそれに付随しているさまざまな環境を巡ることから、数ある日帰りバスツアーの中でも毎回観察種数が多くバリエーションが豊かなことが特長です。この日は天気予報は概ね良かったものの強い北風が吹き荒れるとの予報が出ていました。

14日、前日の雨は上がったものの早朝は曇り空でした。ただ出発予定の08:30の東京駅前は次第に青空が見えてきていました。この日はまず常磐自動車道を走って茨城県方面を目指しました。移動中のバス車内では今日見られそうな鳥の解説をしながら進め、途中にあるサービスエリアで観察機材準備をしていただいてから再度出発し、まずは涸沼の西端にある干拓地から探鳥をスタートしました。この日も残念ながらミヤマガラスの群れは見当たりませんでしたが、前回を上回る数のオオハクチョウが群れていたため堤防上から観察しました。50羽はいようかというオオハクチョウは落穂を食べているようで付近ではミサゴ、ノスリが飛び、ヨシ原からはハイタカが舞い上がって旋回飛翔していました。畑地にはセグロセキレイ、モズ、ツグミが見られ、カワラヒワの群れが飛び回っていました。ヨシ原に目を移すとオオジュリン、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、シメの姿もありました。その後はトイレ休憩のため公園に向かいましたが、この日は公園内でアカハラ、ツグミが見られ、湖面を眺めてみるとわずかながらキンクロハジロ、カンムリカイツブリ、遠くにはハジロカイツブリの群れも見られました。その後はバスにて涸沼の南側まで移動し、ここでは湖面に浮いているキンクロハジロ、ホオジロガモ、マガモ、カルガモ、畑地ではかなりの数のスズメが群れ、ホオジロ、ツグミ、シジュウカラの姿もありました。その後は一旦、大洗まで移動して各自昼食をとっていただき、午後からは大洗海岸をめぐりました。本来であるならば小さな漁港をめぐる予定でしたが下見時の結果が悪かったことから、この日も岩礁海岸に絞って探鳥しました。最初に訪れた防波堤からはまずヒドリガモの群れが見られ、その中にはアメリカヒドリのオスの姿がありました。そして主役のシノリガモはこの日は良い距離感で数多くの個体が見られ、順光のためかさらに美しく見えました。周辺にはイソヒヨドリ、イソシギ、そしてミユビシギの群れはせっせと餌を採っていてウミウ、ヒメウが並んで止まっていました。防潮堤が高い所は避けて少々移動すると、ここではかなりの数のカルガモが群れ、その中にはウミアイサのメスの姿がありました。その後も岩礁海岸を見ながら歩き、各所でシノリガモが見られたほか、海上にはクロガモの姿もありました。その後はヨシガモを探しましたが見つからず、代わって間近に浮いているウミアイサのオス、ハジロカイツブリを見てからこの日の最後は再び涸沼に戻って大陸型チュウヒの登場を待つことにしました。ただ、午前中にタゲリが見られなかったことから途中にある畑地に立ち寄ると、幸にも2羽のタゲリが畑地で餌を探している姿を見ることができました。最後のポイントに到着後は土手に上がりましたが、この時間からは北風が強くなりかなりの寒さになっていました。ますはハイイロチュウヒのメスが畑地を飛び回り、どこからやってきたのか畔にはハイタカの姿がありました。すると対岸から大陸型チュウヒが飛んできましたが、一旦、ヨシ原の向こうに降りてしまい、じっくりと見ることができませんでした。ただ、しばらく待っているとチュウヒが飛んできて、それを追うかのように再び大陸型チュウヒが飛び出し、間近を通過していったかと思うと、どこからともなく飛んできたコチョウゲンボウが威嚇するように飛んできました。大陸型チュウヒはしばらくの間、我々のいる土手付近を飛んだ後、さらに西側の畑地に飛び去りました。

北風が強く寒い1日になるとの予報でしたが、結果的には北風が強まったのは最後だけで概ね穏やかな1日でした。この冬は海上や漁港の海鳥が少ないためやや寂しいですが、大洗海岸ではシノリガモ、ウミアイサ、アメリカヒドリのオス個体が見られ、涸沼では頭が真っ黒い大陸型チュウヒ、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、ハイタカ、コチョウゲンボウ、タゲリ、アカハラ、ホオジロガモなども見られ楽しめました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ノスリ 撮影:坂東俊輝様

 

ミユビシギ 撮影:嶋徹様

 

ミサゴ 撮影:佐藤幹夫様

 

ウミアイサ 撮影:霜村亮様

 

タゲリ 撮影:坂東俊輝様

 

シノリガモ 撮影:嶋徹様

 

チュウヒ 撮影:佐藤幹夫様

 

チュウヒ 撮影:霜村亮様

 

シノリガモ 撮影:坂東俊輝様

 

ミサゴ 撮影:嶋徹様

 

シノリガモ 撮影:佐藤幹夫様

 

ハイイロチュウヒ 撮影:霜村亮様

 

ヒドリガモ 撮影:坂東俊輝様

 

チュウヒ 撮影:嶋徹様

 

ウミアイサ 撮影:佐藤幹夫様

 

ノスリ 撮影:霜村亮様

 

ミサゴ 撮影:坂東俊輝様

 

チュウヒ 撮影:嶋徹様

 

チュウヒ 撮影:佐藤幹夫様

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