【ツアー報告】冬の印旛沼 トモエガモの群れと湖畔の冬鳥たち 2024年1月23日

(写真:トモエガモ 撮影:緑川裕子様)

ここ数年、なぜかどんどん増え始めた印旛沼のトモエガモ。数年前から実際に現地で観察してみましたが、湖面に真っ黒くなるほど塊状に群れている姿、またそれらが一斉に飛び回り乱舞する様子はまさに驚きの一言でした。トモエガモの大群と言えばその昔、韓国に出向いて観察するツアーに同行したことがありましたが、川幅いっぱいに群れ、あたかも島のようになって川面の色が変わっていたことが強烈に印象に残っています。今回訪れる印旛沼はさすがにそこまでの規模ではないものの、数万羽単位のトモエガモが湖面に群れ、その数は今期はさらに増えて10万羽とも言われています。今回はこのトモエガモの群れと湖畔のヨシ原に棲む小鳥たち、そして夕方は茨城県まで移動して猛禽類の塒入りを観察します。幸いにもこの日の天気予報は終日ほぼ晴れで風も弱く穏やかな1日になるとの予報でした。

23日、天気予報の通り、早朝から澄み切った青空の中、東京駅前を予定通り08:30よりもやや早く出発して千葉県に向かいました。移動中のバス車内ではいつものようにこの日に見られる可能性がある種の中から、特に目立った種に関して識別ポイントなどの解説を行いました。途中、サービスエリアで休憩をとっても2時間ほどで印旛沼に到着し、到着後は各自観察機材の準備を進めていただきました。堤防に上がると湖畔であるにもかかわらず、無風だったことから寒さはなく、むしろこの時期としては暖かく感じるほどでした。この日はトモエガモの群れは昨年とは異なり、遊歩道から間近な場所から対岸までとかなりの数が群れ、明らかに昨年の倍以上いるように思えました。ただ群れの中心がやや西側に寄っていたことから移動し、西側にある堤防に行ってみました。堤防に上がるととにかくカモ類の多さには驚くほどで、間近に群れているヨシガモが順光に輝いて美しく、ほかにもオナガガモ、ホシハジロ、カルガモ、遠くの杭にはコサギ、ダイサギが止まっていました。トモエガモの大群が浮いている近くまで歩くと、周辺のヨシ原にはホオジロ、カシラダカ、アオジ、モズ、ジョウビタキ、ムクドリなどが止まり、愛想が良いオオジュリンが間近にしばらく止まってじっくりとその姿を見せてくれました。ここからしばらくトモエガモの大群を見ていましたが、群れは時々、大きく左右に動くことがあり、一度だけでしたが一斉に飛ぶ様子も見られました。湖面を見てみるとトモエガモは案外間近に浮いていることもあり、オスの美しい姿をしっかりと見ることもでき、遠くには数羽のミコアイサのオスの姿もありました。そして帰り間際には我々の上空をハヤブサが旋回飛翔してくれました。そろそろお昼になったことから一旦近くの公園に移動しました。昼食後は1時間ほど移動して茨城県に向かいました。この日の夕方にはチュウヒ、ハイイロチュウヒの塒入りを観察する予定でしたが、年末まではハイイロチュウヒのオスが見られておらず、この冬はダメかと思っていましたが、その後、ハイイロチュウヒのオスがやってくるようになり、さらには塒に帰ってくるのが早いとのことで、この日は予定よりの1時間ほど早い15:00くらいに行ってみることにしていました。そのためあまり時間がなくなってしまいましたが淡水シギ類を探してポイントに行ってみることにしました。ただこの日は残念ながらその姿はなく、わずかにクサシギが2羽いたのみで、周辺ではムクドリの群れ、ウナギを捕食するアオサギが見られたのみでした。そして時間が迫ってきたことからその後は塒入りのポイントに行ってみました。すでに枯れ木にはチュウヒが止まっていて望遠鏡を使って観察することができました。また杭にはミサゴが止まっていて魚を食べているようでした。ただこの日は予想に反してなかなかハイイロチュウヒのオスは姿を見せず、みるみる薄暗くなってくる中、次々に塒に帰ってくるチュウヒを見て過ごしました。チュウヒは一時的に枯れ木に10羽ほどが止まっていて、その後、ようやくハイイロチュウヒのメスが飛んできて飛翔する姿を見せてくれました。そしてようやく16:30頃に畑地を飛び回るハイイロチュウヒのオスが見られ、その後は塒になっているヨシ原にやってきて優雅な飛翔をしばらくの間、見せてくれ、いつの間にか塒から再び出てきたメスとともに飛翔する姿を見せてくれました。

真冬の時期にしては比較的暖かく、穏やかな探鳥日和で何よりでした。このツアーの主役であるトモエガモは今期は明らかにその数が増え、推定10万羽とのことでまるで島のように真っ黒くなって湖面に浮いている様子は圧巻でした。また間近に浮いている個体もいたことからその姿をしっかりと見ることができ、ヨシガモやミコアイサ、カンムリカイツブリ、ヨシ原ではオオジュリン、ホオジロ、アオジ、カシラダカ、モズ、ジョウビタキなども楽しませてくれました。また夕方は猛禽類の塒入りを観察し、この日はチュウヒは20羽ほどが見られ、枯れ木に群れで止まっている姿や乱舞する様子も見られました。そしてハイイロチュウヒは美しいオス個体、さらにはメスもかなりゆっくりと飛んでくれツアーを締めくくってくれました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ツグミ 撮影:緑川裕子様

 

オオジュリン 撮影:緑川裕子様

 

クサシギ 撮影:緑川裕子様

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