【ツアー報告】アホウドリ類3種に会いたい!東京~八丈島航路 2024年3月15日~16日

(写真;アホウドリ 撮影:杉崎明登様)

過去、4月上旬に企画してきた東京~八丈島航路ツアーですが、昨年からはアホウドリ、コアホウドリ、クロアシアホウドリのアホウドリ類3種をまとめて観察する企画に変えたため時期を3月上旬に変更しました。そもそも海況が良くないことが多い伊豆諸島航路において、この3月ももちろん海況が悪いことが多く心配ではありましたが、アホウドリ類3種をこの航路で見るにはこの時期が最も良いと判断し、リスクを承知の上で企画しました。主役のアホウドリ3種はいずれも翼開長200cm、あるいはそれ以上の長い翼をもち、その飛翔形の美しさは他の海鳥を寄せ付けないほどの強烈な印象を残してくれます。今回は航路上の気温は平均して15℃とのことで平年並みですが、最大で風速12mのやや強い西風が吹き、最大波高3.0ⅿながら午後にかけてはかなり穏やかになり、天候は快晴との予報。春は荒れていることが多いこの航路としてはいつもよりも穏やかになるとの予報が出ていました。

15日、我々が乗船する橘丸はこの時期は混雑することはないのですが、この日は週末であること、そして神津島に向かうさるびあ丸の出航もあることから、かなり賑やかな竹芝桟橋に20:00前に到着。その後はチケットの準備を進めて予定通り21:30にご集合いただき、今回は山階鳥類研究所の平岡考さんにお越しいただき、アホウドリ調査、保全の現状についてお話をしていただきました。その後は資料の配布、トラベルイヤホン使用方法説明、そして翌日の連絡事項、また念のため緊急時の対応方法をお伝えしてから22:10に乗船し、東海汽船橘丸は予定通り22:30にまずは三宅島に向けて出港しました。この日は八丈島に関しては問題なしの表示でしたが三宅島、御蔵島は条件付き運行との表示でした。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

私が海鳥観察をはじめた頃は定期航路でアホウドリが高確率で見られる日がくるとは夢にも思っていませんでした。ただ保護活動の成果もあってかつては幻の海鳥だったアホウドリが身近な海鳥になりつつあることを今回もあらためて実感しました。今回は春の伊豆諸島航路としては穏やかな海況の中で海鳥観察ができ、主な目的だったアホウドリ類3種に出会うことができました。ただアホウドリに関しては例年に比べると観察できた個体数が少なかったのは残念でした。ほかにもこの航路では珍しくヒレアシシギ類2種が見られ、渡り途中と思われるヤツガシラの登場には驚かされました。今後もさまざまな海域でさまざまな季節に海鳥観察ができるツアーを企画予定です。また異なった季節や場所で海鳥観察を継続していただければ幸いです。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

クロアシアホウドリ 撮影:杉崎明登様

 

コアホウドリ 撮影:杉崎明登様

 

ヤツガシラ 撮影:杉崎明登様

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