【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング 2025年11月18日

晩秋恒例になっている奥日光を訪れる日帰りバスツアー。数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間が片道約3時間かかることから集合時間を08:00としています。この時期の奥日光は、すでに紅葉の季節が過ぎていることから混雑はなくなり、そのせいで林は静まり返っていて鳥の声もよく聞こえてバードウォッチングには良い季節です。このツアーでは平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種、さらには渡ってきたばかりのアトリやマヒワ、ツグミといった冬鳥たちを観察することも主な目的とし、その中から特にアオシギを探すことを目的にしているため、アオシギが生息している可能性が高い場所を中心にめぐります。過去には積雪があったり、小雪が舞ったりすることもあった奥日光ですが、この日は事前の天気予報は曇りベースながら晴れマークが出ていました。ただこの日から寒気が関東エリアを覆いはじめるとのことで気温が低くなるとのことでした。

18日、この日の東京都内は曇り空ながらも一部に青空が見え天気は問題ないように思えました。ほぼ予定通り集合が完了したことから08:00に出発して、ひとまず奥日光に向けて東北道を進みました。バス車内ではこの日の行動予定、そして今日見られる可能性がある野鳥たちの解説しながら進み、まずは途中にあるサービスエリアで休憩をとりました。その後は青空が広がってくる中を進み、まだまだ紅葉が美しい日光有料道路を走ってからいろは坂を上り、いよいよ左手に中禅寺湖が見えてきましたが、風が強いようで湖面は波立っていました。さらに戦場ヶ原方面に走ると風に乗るように小雪が舞いはじめ、視覚的にも寒さを感じました。最初のポイントに到着後は各自、観察機材の準備をしていただいてから探鳥をスタートしましたが、早くも付近の木を登るキバシリの姿がありました。歩き出すと子供を連れたニホンザルの小群が見られ、木道を歩くと愛想が良いカワガラスが流木に止まって羽繕いをしていました。するとここでたまたま出会った方がアオシギを見たとのことで行ってみると川沿いでせっせと採食しているアオシギに出会うことができました。また付近では2羽のカワガラスの姿もあり、交尾するシーンを見ることもできました。この頃からは雪の降り方が強くなってきましたが、さらに歩くとミソサザイが倒木に止まってポーズをとってくれました。探鳥後はバスに戻って各自昼食の時間とし、その後は次のポイントに行ってみました。相変わらず小雪が舞う中でしたが、ここでは地上に群れているツグミが見られ、この時期にツグミの群れが見られたことにはうれしさを感じました。よく見ると付近のズミやナナカマドにもツグミが群れて採食していて、さらにはマヒワの群れ、数羽のアトリ、さらにはシメも現れて地上採食していました。また樹液を吸っているアオゲラも見ることができ、いつの間にかエナガの群れもやってきていて、ゴジュウカラが地上に降りて採食していました。やや場所を変えるとここでもアオゲラの姿があり、観察しているとどこからともなくアカゲラが飛んできて、アオゲラと小競り合いをしていました。また周囲のカラマツ林ではツグミが群れ飛び、シラカバにはヒガラがやってきていました。そしてこの日はアオシギに出会うことができたことから、最後は戦場ヶ原に行ってみることにしました。ここはズミの実が多いことから、この時期の奥日光では毎回鳥が多く、良い場所ではありますが、この日はズミの実はあるものの小鳥が動き回っている雰囲気が全くなく、コガモ、マガモが見られたのみでした。さらに歩くとようやくコガラ、ヒガラが飛んできてカラマツに止まり、わずかながら姿を見せてくれました。時間があったことから戦場ヶ原が一望できる場所まできて、ひとまず双眼鏡で周囲を見てみると、青白く輝いてみえる鳥が枯れ木にじっと止まっていました。距離があったことから望遠鏡で見てみると稀な冬鳥として、当地で何度が記録があるオオモズで大変に驚きました。想定外の小雪の中での探鳥でしたが、アオシギをはじめ冬鳥との出会いが多い印象的な1日でした。

この時期恒例になっている奥日光ハイキングですが、今回は終日小雪が舞う寒い1日でした。主な目的だったアオシギをはじめ、カワガラス、コガラ、ゴジュウカラ、キバシリに出会うことができ、ヒガラ、ミソサザイ、アカゲラ、アオゲラ、さらにはこの冬の鳥の状況の良さを象徴するかのように、ツグミが群れ、アトリ、マヒワ、シメといった冬鳥を堪能することができ、最後はオオモズに出会う幸運もありました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

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