【ツアー報告】渡良瀬遊水地と城沼・多々良沼 2025年11月28日
渡良瀬遊水地を中心に、周辺の湖沼をめぐる冬恒例の日帰りバスツアーです。ここ数年は狙いの種を絞って探鳥する「会いたいシリーズ」が増えましたが、このツアーのように特に狙いの種を決めていない場合は、各探鳥地をまんべんなくめぐるため観察種が多く、いろいろな野鳥が見たいと考えている初心者の方には特におすすめです。またこのツアーは東京から比較的近い場所に探鳥地あること、また探鳥地間がわずかな距離であることから集合時間を08:30とやや遅めにしても十分にお楽しみいただけます。多々良沼、城沼はハクチョウ類の越冬地として知られ、カモ類も多いことから、それらを狙う猛禽類が多く、メイン探鳥地の渡良瀬遊水地は広大なヨシ原が広がる中で、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、ノスリ、ミサゴ、チョウゲンボウなどの猛禽類、さらにはツグミ、ジョウビタキ、カシラダカ、シメ、ベニマシコといった冬鳥にも期待できます。風が強く寒い探鳥地として知られていますが、この日はこの時期とは思えない暖かな陽気になるとのことで、東京都内の最高気温は18℃まで上がるとのことでした。
28日、早朝からほぼ快晴の東京駅前に予定通りご集合いたいたことから、ひとまず出発して東北自動車道を走りました。バス車内では数日前の下見時の内容、そしてこの日に期待できる種の解説を行いながら進み、途中、サービスエリアでの休憩を含めても2時間かからずに最初の探鳥地に到着することができ、まずは観察機材の準備を行っていただきました。駐車場からはこの冬の鳥の状況を象徴するかのようにツグミが複数見られ、川沿いではカワセミが盛んにダイビングして魚を捕食していました。観察しているとモズがけたたましく鳴き、シジュウカラが飛んできて葦原に飛びこんでいました。湖面が見えるとツグミとシメが水を飲みにきていて、陸地にはカワウが群れ、その中にはセグロカモメが混じっていました。またヒドリガモの群れが行進するように歩いていて、付近にはアオサギ、ダイサギ、コサギが揃って採食し、どこからともなく飛んできたミヤマガラスの群れが水を飲んでいました。湖面を見るとかなりの数のカンムリカイツブリが見られ、10羽ほどで群れているハジロカイツブリも見られましたが、カモ類の姿は極端に少ない印象でした。お隣の沼に移動するとようやくオオハクチョウの姿がありましたが、やはりカモ類は少なく、オナガガモ、キンクロハジロが見られたのみでした。ただ帰り際にはミサゴの飛翔を見ることができました。その後は城沼でかなり少ないながらもマガモ、カルガモ、ホシハジロを見てから昼食の時間にしました。この時間からはやや風が強くなってきましたが、昼食後はまずはケリが見られている場所に行ってみました。ここでは幸いにも5羽のケリが地上採食していたことから少しずつ接近しながら観察し、時折、飛翔する姿も見ることができました。その後は周辺の畑地をめぐると、ミヤマガラスの群れが地上採食していたことからたっぷり観察し、最後はちょっと寄り道してため池に行ってみました。ここでも数羽のオオハクチョウが見られたほか、コガモ、ハシビロガモ、そして1羽ながらミコアイサを見ることができました。そして最後は渡良瀬遊水地に移動し、公園を歩くとカワラヒワの群れが飛び交い、ここでもかなりの数のカンムリカイツブリが見られたもののカモ類は極めて少ない状況でした。戻る途中では芝生を歩くツグミが見られ、この冬のツグミの多さを実感しました。探鳥後は最後のポイントに移動し、まずは木に止まっているコチョウゲンボウのメスが見られ、池ではかなりの数のヨシガモが見られてほっとしました。そして最後は葦原上を低く飛んできたハイイロチュウヒのオスが我々の周囲を飛び回り、いつの間にか2羽になり、あまりの近さに驚かされてこの日の探鳥を終えました。
日中にやや風が吹いたものの概ね穏やかでこの時期としては暖かな1日で幸いでした。この冬の傾向なのかカモ類が極端に少なく、また日中に強風が吹いたことから小鳥類観察には不向きで、観察種がやや少なめでしたが、水辺ではオオハクチョウ、ミコアイサ、ヨシガモ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリなどが見られ、ケリ、ミヤマガラス、ツグミ、シメ、ジョウビタキなどの冬鳥、さらにはミサゴ、コチョウゲンボウ、チュウヒといった猛禽類も見られ、最後は2羽のハイイロチュウヒのオスが見事な飛翔を間近に見せてくれました。結果的にはこの日は1日で計45種の野鳥たちに出会うことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史








