【ツアー報告】トウゾクカモメのピーク!晩秋の大洗~苫小牧航路 2021年11月19日~21日

ツアーという点では最も長い期間に渡って催行されているのがこの11月の大洗~苫小牧航路ツアーで早いものですでに15年を超えており、言い換えるならば私の海鳥観察ツアーの原点と言っても良いツアーです。すっかりおなじみになった商船三井フェリーさんふらわあ深夜便に往復乗船してただひたすら海鳥を観察するという単純な行程で、ツアーとしては珍しく食事時間も休憩も自由、またいつでも部屋で休むこともできるし、お風呂にもお好きな時間に入れます。また金曜日の夜にご集合いただき日曜日の夜に解散することから週末の時間をうまく利用して楽しめる点はご参加しやすい点といえます。そして我々のツアーではトラベルイヤホンを使用して観察することから、出現した海鳥の種名や特徴、位置、向き、距離感などをデッキにいる全員で瞬時に情報共有することができるため、必ずしもガイドの近くにいる必要がなく、海鳥観察初心者の方や最近ちょっと耳に自信がなくなってきたといった方でも安心して探鳥可能です。この時期は多くのミツユビカモメが南下してくることから、それを追ってやってくるトウゾクカモメが一年で最も多く見られる時期で、ほかにもコアホウドリ、クロアシアホウドリ、フルマカモメ、そしてアホウドリとの遭遇率も高い時期です。過去にはこのツアーで初雪に出会うといったケースもありましたが、今回は波も穏やかで11月としては比較的暖かい週末になるとの予報の中での出発となりました。

19日、ほぼ予定通りに大洗フェリーターミナルご集合いただくことができたため、乗船券、ツアー資料、そして観察に使用するトラベルイヤホインを配布してから翌日の連絡事項をお伝えし、最後に今回特別にご同行いただく「新・海鳥ハンドブック」著者、箕輪義隆さんからご挨拶をいただき、この時期に見られる可能性が高い海鳥について触れてから22:50に乗船しました。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

11月の大洗~苫小牧航路でその年の初雪を見ることもそう珍しくないのですが、今回は往復共に穏やかな中での海鳥観察となりました。全体的な海鳥の出現数は必ずしも多くはなかったですが、主な目的であったトウゾクカモメはほぼ想定していた数が見られ、なかなか良い距離感にならなかったものの数回は船に沿うように飛んでくれました。またアホウドリ、コアホウドリ、クロアシアホウドリのアホウドリ類3種、フルマカモメ、アカアシミズナギドリ、シロエリオオハム、ウミスズメ、そして渡り途中のコガモ、カルガモ、キンクロハジロ、そして我々の頭上をヒシクイの群れが飛んでくれたシーンは印象的でした。また随所で箕輪さんから識別のご指導をいただいたほか、苫小牧フェリーターミナルでは講座も開催していただき、単に海鳥を見るといった範囲を超えた有意義な時間を過ごすことができました。今後もトラベルイヤホンを使用してデッキで観察している全員で海鳥の出現状況を共有しながら探鳥可能な海鳥観察ツアーを提供いたします。またぜひご乗船ください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。特別ゲストとしてご同行いただいた箕輪義隆さんにも感謝申し上げます。

石田光史

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