【世界の花旅案内人・冨山 稔のひとりごと(16)】青いケシ事始め その13

(写真:2014年のグレイ・ウィルソンの新しい本で新種と記載されたメコノプシス・ラサエンシス)

2002年チベット調査の大収穫、新種ラサエンシスとの出会い

2002年の調査で収穫だったのは、どうやら新種らしい青いケシを発見できたことだ。パーイーからラサに戻る途中、パーイーから2時間足らずの場所で青い色がちらっと眼を横切った。中国では青いビニールをよく使い、これを平気で道端に捨てる。車で走っているとよく騙される。今度もビニールかと思った。そこは通常の青いケシの自生地とは標高も低い3,600mほどだが、確認しなければならない。少し粘土質の草付きを登ると、数本の青いケシがあった。葉は少し切れ込みがあり、ホリデュラほど刺は鋭くない。花弁はやや小型で、明るい空色だ。おしべも少なく、一見して華奢な感じがする。これが2014年のグレイ・ウィルソンの新しい本で新種と記載されたメコノプシス・ラサエンシス(Meconopsis lhsaensis)になった。この種はさらにミラ山口をこえてラサ側にも数か所あった。

メコノプシス・ラサエンシス

メコノプシス・ラサエンシスの花弁はやや小型で明るい空色が美しい

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