【ツアー報告】冬の道東巡り 2015年2月19日(木)~22日(日)

オオワシ/コミミズク/オジロワシ/タンチョウロ/オオアカゲラ/シラガオホオジロ/ベニヒワ/ラッコ/コオリガモ

冬の定番中の定番ツアーである冬の道東巡り。シマフクロウ、オオワシ、オジロワシ、タンチョウといった大型種、コオリガモ、クロガモ、ホオジロガモといった海ガモ類が主役で、小鳥類を見る機会が少ないのが難点ではありますが、今回は4日間を通して大変に穏やかだったことから、魅力的な小鳥類に出会う機会が比較的多く、また諦めかけていた流氷がようやく3日前にやってくるという幸運が重なりました。
19日、中標津空港に予定通りに到着しましたが、同じ便に複数の旅行会社のツアーが搭乗していたことから、中標津空港のロビーはちょっとした賑わいでした。観察機材を準備した後は羅臼を目指しますが、時間があることから二箇所の漁港を巡り、カワアイサ、ウミアイサ、ホオジロガモ、シノリガモ、クロガモ、そして木々に止まるオオワシ、オジロワシといった冬の北海道の基本種を観察することができました。一旦宿に入り夕食をとった後はシマフクロウ観察です。積雪が多く驚かされましたが20:00頃からはシマフクロウの声は途切れることなく聞こえ、いつ現れても不思議ではない雰囲気が続きましたが、結果的にはその姿をじっくり観察することはできず、予定を1時間ほど延長してがんばっていただきましたが残念な結果になってしまいました。
20日は05:30出航の観光船からオオワシ、オジロワシを観察しました。数日前まで流氷が全く無かったとは思えない見事な流氷が押し寄せ、あまりの量に港から僅かに出た場所で観察するという状況でした。今年は全体的な個体数はやや少ない印象でしたがオオワシの成鳥個体が多く、間近に見るその姿に圧倒させられ続けた2時間半でした。朝食後は野付半島で探鳥をしましたが、ここも海面はほとんど見えないほど流氷が押し寄せ、それに止まるオオワシ、オジロワシの姿が見られました。その後は漁港でハギマシコの群れをじっくり見ることができ、道端で懸命に採食するベニヒワの群れにも出会いました。よく見ると腹部まで真っ赤な個体が含まれていました。そして最後の漁港では根室の名物、コオリガモの姿を堪能することができました。 21日は前日の情報から納沙布岬に向かいました。納沙布岬は強風が吹き荒れる探鳥地として知られ、そのため観察小屋が作られましたが、この日は穏やかで無風だったため小屋に入ることなく観察ができました。草地ではカワラヒワとベニヒワの小群が見られ、海上にはウミスズメの群れが点在し、双眼鏡でどこを見てもその姿が捉えられるほどでした。また冠羽が特徴のエトロフウミスズメ、目の周囲が白いケイマフリ、そしてウミバトの姿が見られたほか、ラッコの姿を見る幸運もありました。その後訪れた漁港では草地で20羽ほどのシラガホオジロの群れに出会い、漁港内では間近にコオリガモ、ウミアイサを観察し、最後は真っ昼間から活動している2羽のコミミズクを楽しむことができました。そして最後は鶴居村でタンチョウを観察しました。塒入り前の時間帯は個体数が多く、あちらこちらで求愛ダンスが見られ、サンクチュアリを出入りするために飛翔する個体も多く見られました。また餌台ではシジュウカラ、ハシブトガラ、アカゲラ、ゴジュウカラの姿もありました。 22日は屈斜路湖で雪景色の中、オオハクチョウの姿を観察し、その後は周囲の林でここまでほとんど見られていない森林の小鳥類を探しました。まずはカケス、ツグミ、シメ、カワラヒワが地上で餌を探し、2羽のウソのオスの姿もありました。また林からはアカゲラのドラミングが聞こえ、探してみると思いのほか低い場所で木をつついていました。観察しているとオオアカゲラが現れ、長時間に渡って同じ場所をつついていたため、かなりゆっくりと観察することができました。そして最後は一番リクエストの多いエナガの小群が現れ、コミカルな動きで楽しませてくれました。
今年の冬の道東は事前の報道にもあったとおり積雪が多く、一部で災害派遣などもありましたが、ツアー中は信じられないような穏やかな状況でした。また流氷がやってくるのか不安がありましたが、直前になって見事な流氷が押し寄せてくれました。シマフクロウは残念でしたが、ウミスズメ類、北海道らしい小鳥類が楽しませてくれた4日間でした。皆様お疲れ様でした。

石田 光史

オジロワシ

オジロワシ

オジロワシ

オジロワシ

ハシブトガラ

ハシブトガラ

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