【ツアー報告】秋の渥美半島 田原湾と伊良湖タカの渡り(追加設定) 2017年10月5日~6日

(写真:伊良湖ビューホテル屋上からの眺め)

おかげさまで今年の伊良湖岬は追加設定をいただくことになり、4日に引き続いて5日に再出発することになりました。ご存知の通り、タカの渡りは天気に大きく左右されることから同様に天気予報を注視していましたが、今回はたまたま巡り合わせが悪く、天気が下り坂になる中での出発となりました。雨が降っている中ではタカの渡りにはほぼ期待が持てないことから、結果的には初日の午後の予定と2日目の午後の予定を逆にすることにしました。

5日、曇り空の東京駅を予定通りに出発してひとまず新幹線は豊橋駅に向かって順調に進みました。途中の車窓から見えた空は思いのほか明るく、とりあえず今日はある程度タカの渡りが観察できるであろうという印象でした。豊橋駅到着後は現地集合のお客様と合流して早速バスで伊良湖岬にあるホテルに向かいました。予定外でしたがバス車内では簡単ながらタカ識別講座を行い予習をしていただきました。12:45にホテル到着着はロビーにて観察機材準備を行い、屋上に上がり前回同様にトラベルイヤホンを使用して13:00から観察を始めました。前回同様に風が強いのが気になりましたがお天気は予報ほど悪くはなく薄日が射していました。14:00にはいきなり高速で飛翔するチゴハヤブサが屋上にいる我々をかすめるように間近を飛んでいきなり盛り上がりました。そして14:30にはやや高い位置をハチクマが渡って行き、15:00には眼下からいきなりサシバの幼鳥が湧き上がってきました。距離が近かったことから胸の縦斑をしっかりと見ることができました。そして夕方には50羽を超えるアマツバメの群れが次々に湧き上がっては渡っていくという光景を眺めることができました。全体的にはタカの渡りは低調な印象がありましたが低い位置を飛んでくれた個体がいたことからなんとか観察はできました。公式のカウント数は193羽でした。

6日、前回同様にやや風があるものの思ったほど天気は悪くはなく、なんとかタカ観察が可能な状況の中、06:00から観察を開始しました。予定ではお昼までの観察ですが予報では13:00から雨ということで微妙な状況でした。ただこの日は風があったことから早速ノスリがホバリングをしながら何度もその姿を見せてくれ、06:30には早くもハチクマが飛び、続けて2個体のハチクマが渡って行きました。08:50には昨日に引き続き高速で飛翔するチゴハヤブサが姿を見せてくれ、09:00には向かい風の中、ハヤブサが現れ急降下しながらキジバトを追っている様子が観察できました。09:30にはやや小雨模様になる中、海上にはオオミズナギドリの群れが連続して出現し、渦を巻くような独特の飛翔を見ることができました。そして10:00にはしつこくハシブトガラスに追われるオオタカの幼鳥が飛び、10:10にはどこに行くのかアオサギが飛んでいました。そして10:30にも再びオオタカの幼鳥が飛びましたがこの頃から風はさらに強くなってタカの渡りは見られなくなってしまいました。結局雨に打たれることはありませんでしたが、天候のせいかタカの渡りと言えるような光景は見られず12:30には観察を一旦終了して昼食としました。昼食後の13:30にはほぼ予報通りに雨が激しくなる中、初日の午後に行くことができなかったポイントを巡りながら豊橋駅を目指しました。まずは前回にオオアジサシが見られた漁港に向かいました。途中にある溜池はバスの中から見ることができるため車内から観察しましたが、やはりカモ類の姿は少なくマガモ、カルガモ、キンクロハジロ、コガモがわずかに見られただけでした。ただ魚をつかんだミサゴが電柱に止まったため観察することができました。漁港まで行き堤防から海上を眺めると前回同様に20羽ほどのオオアジサシが乱舞していました。この日は風に加えて雨も降っていたため早々に切り上げたのでじっくりと観察することはできませんでした。付近の干潟では雨の中で採食するダイゼン、シロチドリの姿がありました。次に向かった漁港では風にあおられるように飛翔するオオミズナギドリの群れを観察することができ、川沿いで採食するイソシギの姿がありました。この頃からはさらに雨が激しくなってきましたが、一旦トイレ休憩をとった後は河口に向いました。ただ雨が激しい上に時間もなくなってきていたことから水田だけを歩くことにしました。ここでは毎回ノビタキが見られていますが前回はなぜかその姿がありませんでした。ただ今回は激しく降る雨の中、3~4羽のノビタキが飛びまわり、秋らしい姿の個体を望遠鏡を使って観察することができました。

今回は2日目の天気予報が芳しくなかったため急遽、初日の午後の日程と2日目の午後の日程を入れ替えることにしました。結果的にはタカの観察で雨に打たれることはなかったですが、タカの渡りを象徴するような光景に出会うことができず残念でした。ただチゴハヤブサ、ハヤブサ、ハチクマ、オオタカ、ノスリ、ミサゴといったタカたちを見ることができ、2日目にはオオアジサシをはじめ、秋色のノビタキにも出会うことができました。今回は残念でしたが、タカの渡りは1年のうちで僅かな期間しか観察できません。今後も継続的に秋はタカ渡り観察にお出かけください。この度はお疲れ様でした。

石田光史

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