【ツアー報告】カンムリワシの島 石垣島と西表島 2018年3月25日~28日

(写真:カンムリワシ 撮影:内田将司様)

3月25日、羽田空港、伊丹空港を出発したお客様を那覇空港でお迎えして石垣空港に移動。もう、石垣島は真夏のような陽射しである。直ぐに専用バスに乗り、バードウォッチングを開始。いつも地元で鳥を見ている方が最新情報を教えてくれるので本当にありがたい。早速、耕作地へ直行してオオチドリをみなさんでじっくりと堪能する。次に4年前から石垣島に渡来し、その後、数回繁殖に成功しているカタグロトビの幼鳥の餌場へ行く。体色の濃いリュウキュウキジバト、イシガキヒヨドリや体の小さいオサハシブトガラス、さらにシマアカモズ、シロガシラなどを観察しながら待つ。電柱にとまっているカンムリワシをみなさんで観察、撮影。さらにムラサキサギが飛来して、こちらもみなさんで観察、撮影。早くも八重山3点セットの2種をゲット。サシバ、ハヤブサ、チョウゲンボウなどの猛禽類はやって来るがカタグロトビが来ないので場所を移動し、木に止まっているカタグロトビの成鳥2羽を発見。さらに、夕方に餌採りに出てくるズグロミゾゴイを探しに行くが、時間切れとなりホテルにチェックイン。

3月26日、ホテルの近くの草地にムネアカタヒバリが15羽程見られ、隣接する公園にはハクセキレイ、シマアカモズなどがいてじっくりと観察、撮影する。その後、ズグロミゾゴイのポイントへ行く。しかし、恥ずかしがり屋で出て来ない。近くの海岸でオオメダイチドリ、ムナグロ、クロサギなど観察。ズグロミゾゴイは明日に回して別の場所に行く。そこにはシマアジの綺麗な夏羽の雄が20羽以上、雌も合わせると40羽以上もいて、こんな数のシマアジは初めて見るのだ。さらにセイタカシギ、アオアシシギなどもいてみなさんでじっくりと観察、撮影する。次に河口へ行き、白いクロサギ、ヒバリシギ、コチドリなどを見て、さらに水田地帯を歩く。キジの雄は繁殖羽で綺麗だが、猟友会によって放鳥された種であり、クジャクと共に農作物や在来のトカゲ類や昆虫類などを食べる厄介者なのだ。今年は水田に入るサギ類やシギ・チドリ類が少なくパっとしない。すると、お客様が水路を走るタマシギのヒナを発見。さらに雄も走って行き、なんとかみなさんで観察する。石垣島では珍しいハイタカが何かを襲ったらしく休耕田に飛び込む。ヤツガシラの情報をもらっていたが、場所が遠いため躊躇していると「今、いるよ!」と連絡を頂き、慌てて移動する。そして芝生で餌を採っているヤツガシラをみなさんでじっくりと観察、撮影。さらに帰りに道路の直ぐ脇にいるムラサキサギのペアを堪能する。巣材をくわえて飛び去ったので近くに巣があるようだ。昼食後はオジロトウネン、アカアシシギなどを見て桟橋へ行く。石垣島離島桟橋からフェリーに乗り、西表島に到着。ホテルで夕食後、ナイトハイクに行くと、直ぐにホテルの近くで鳴くリュウキュウコノハズクを発見してみなさんでじっくりと観察・撮影する。そして、山道をゆっくりと登っていくと、真っ暗の中で何万匹というヤエヤマヒメボタルがイルミネーションのように点滅し、リュウキュウコノハズクが「コホッ コホッ」と鳴く。このなんともいえない幻想的な世界をみなさんに経験してもらいたかったのである。帰りにリュウキュウアオバズクのペアもじっくりと観察・撮影して終了。

3月27日、ホテルを出発しようとしている時、ホテル前の水田の電柱にカンムリワシの成鳥がとまっているので見ると、なんと虹彩の黒い個体であった。普通のカンムリワシの虹彩は黄色だが、100羽に1羽とか1,000羽に1羽とかしかいないといわれている珍しい個体である。10年前からこの水田周辺で度々みる同じ個体だろう。今年も元気な姿をみせてくれた。もちろん、みなさんでじっくりと観察・撮影する。その後は集落内を歩く。チュウダイズアカアオバトが電線にとまっていて緑が青空に映える。あちこちでシロハラクイナが鳴き交わす。そして、空き地で餌を採るズグロミゾゴイを発見してじっくりと堪能する。これで八重山3点セット制覇である。

海岸へ行くと真っ赤なデイゴの花の蜜をリュウキュウメジロが吸っている。校庭をホオジロハクセキレイが歩き、全長2cmの日本一小さなイワサキクサゼミが鳴いている。牧場では牧場の木にカンムリワシの成鳥がとまっていてゆっくりと観察、撮影する。ツメナガセキレイが数羽降りているが、牛の足元でじっくり見られない。昼食後、遠くに見えるピナイサーラの滝を撮影。ピナイサーラとは「老人のあご髭」の意であり落差54mは沖縄県1位なのだ。さらに進むと道路脇の木にカンムリワシの幼鳥がとまっていた。カンムリワシの成鳥は全身が黒褐色だが、幼鳥は全身が白色で別の鳥のようだ。警戒心は薄いのだがあまりにも近過ぎて直ぐに飛んでしまう。しかし、近くの水田で再発見してみなさんでしっくりと観察・撮影する。さらに進むと、ヤツガシラが道路の脇から飛び立つが直ぐに飛んで行ってしまう。その後は水田地帯歩く。上空ではカンムリワシのペアが鳴きながらディスプレイ・フライトをする。突然、足元からリュウキュウヨシゴイの雄が飛び出してみなさんを驚かせる。タカブシギ、セイタカシギなどを見て帰路に着く。帰りも電柱にかなりの数のカンムリワシがとまっている。しかし、こんなに見られるのはこの時期だけで、4月になると繁殖のためにみんな山へ帰ってしまうので見られなくなるのだ。17:45にホテルに戻り、希望者だけで歩く。ホテルの近くの樹林でキンバトが鳴き、水田ではシロハラクイナのペアが尾羽を上げるディスプレイをする。夕食後、ホテルの近所でリュウキュウアオバズクのペアを見て、最後は翼開長が1m近いヤエヤマオオコウモリが2頭飛来し、我々の頭上をぐるぐる回ってから闇へと消えて行ったのである。

3月28日、早朝に集落を歩く。昨日と同じ場所にズグロミゾゴイがいて餌を採っている。シロハラクイナの雌雄が激しく鳴き交わし、リュウキュウキビタキやリュウキュウサンショウクイが鳴く。橋で繁殖しているリュウキュウツバメを見ていると、ツバメも混じって2種が並んでとまるので勉強になる。虹彩の黒いカンムリワシを観察、撮影して終了。西表島から石垣島、さらに石垣空港から那覇空港へと向かったのである。ゆったりと時間が流れる八重山ですが、大慌てでカンムリワシ、ムラサキサギ、ズグロミゾゴイとカタグロトビの「八重山4点セット」にオオチドリ、シマアジ、ヤツガシラ、ムネアカタヒバリなどの渡り鳥をみなさんでじっくりと観察や撮影したツアーでした。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

ズグロミゾゴイ 撮影:内田将司様

 

ムラサキサギ 撮影:内田将司様

 

ヤツガシラ 撮影:内田将司様

 

リュウキュウコノハズク 撮影:内田将司様

 

リュウキュウサンショウクイ 撮影:内田将司様

 

チュウダイズアカアオバト 撮影:内田将司様

 

リュウキュウアオバズク 撮影:内田将司様

 

シロハラクイナ 撮影:内田将司様

 

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