【ツアー報告】8月の東京~小笠原父島航路と南島クルーズ 2025年8月22日~24日
猛暑と呼ばれる日がずっと続いていると外出そのものが危険なレベルになってしまい、どこに行って良いか悩んでしまうわけですが、比較的涼しい海上での探鳥はこの時期の逃げ道のようになっています。中でも小笠原父島へ向かう航路は通常であれば5泊6日の日程で運行しているものの、この時期に3日間で往復できる着発航路が設定されるため、6日間だとなかなか足が向かないという方でも比較的ご参加いただきやすいだろうとのコンセプトで企画しているのがこのツアーです。この時期の小笠原航路は小笠原海鳥基本5種がほぼ間違いなく見られることはもちろん、時には大変珍しい海鳥に出会うこともでき魅力的な時期です。父島には4時間ほどしか滞在できませんが、これといって目立った種がいるわけではないことから南島へのクルーズを実施し、この時期可愛らしい姿を見せてくれるカツオドリの親子や岩礁に群れるクロアジサシを観察する短時間のチャータークルーズを企画しています。本州はとにかく厳しい暑さが続いてはいますが、小笠原はこの時期でも最高気温は30℃くらいのため、まるで避暑に行くような感覚で出発することになりました。
22日、ずっと猛暑が続いている東京都内は、この日も早朝から気温がぐんぐん上がっていて最高気温は35℃になるとのことでした。集合時間の1時間ほど前に東京竹芝桟橋に到着して準備を進め、おかげさまで集合時間の10:00前に全員のご集合が完了したことから、資料配布、行きのチケットの配布、そして海鳥観察ツアーには欠かすことができなくなくなったトラベルイヤホンの配布および使用説明を行なってから乗船し、定期船おがさわら丸は255名とやや少なめの乗客を乗せて、定刻の11:00に父島に向けて出港しました。ただ、おがさわら丸が東京湾を出るまでに約3時間を要することから、乗船後はひとまず船内見学や昼食の時間としていただき観察は東京湾を出る14:00からとしています。
*諸般の事情から詳しい出現現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
今回は出発直前に台風12号が九州南部に発生し大きな被害が出たようでしたが、本州には影響がなかったことからツアーにも影響はありませんでした。また3日間を通して過去に見たことがないほどのベタ凪で海面が鏡のようで印象的でした。今回もまず覚えたいアナドリ、カツオドリ、オナガミズナギドリ、シロハラミズナギドリ、クロアジサシの小笠原海鳥基本5種を見ることができ、じっくりとはいかなかったもののオガサワラミズナギドリ、オガサワラヒメミズナギドリが見られ、最終日にはアカアシカツオドリの成鳥、幼鳥の共演も見事でした。さらにはオーストンウミツバメ、ヒメクロウミツバメ、ハジロミズナギドリ、トウゾクカモメ、アジサシも記録され、ハナゴンドウ、マッコウクジラ、ミナミハンドウイルカも見られるなど楽しむことができました。次回は厳しい暑さがなく、島内散策に適した春に母島でたっぷり時間をとってメグロ、アカガシラカラスバト、ハシナガウグイスなどを探すほか、海ではアホウドリ3種、オーストンウミツバメ、そしてザトウクジラが大ジャンプを見せる時期に企画予定です。ぜひ時期を変えてまた小笠原にお出かけ下さい。この度はご参加くださいましてありがとうございました。
石田光史