【ツアー報告】沖縄やんばるの森の固有種たち 2019年4月16日~18日

(写真:ヤンバルクイナ 撮影:宮沢安二郎様)

16日、12:05 那覇空港でお客様と合流。激しい風雨だが予報だと一時間程で雨雲が抜けるので、空港近くの公園で昼食にする。小降りになるとシロガシラが鳴き出し、ムナグロ、ミサゴなどを観察する。昼食後に雨があがったのでカモ類やシギ・チドリ類をじっくりと観察、撮影する。海側の運河も潮が引いていてオグロシギやソリハシシギがのんびりと餌を啄む。その後、北上してやんばるの森に到着。ヤンバルクイナは、かたつむりやミミズを食べるので小雨や雨上がりの日は、早くから道路に出て来る。脇道へ入ると夢中に餌を食べるヤンバルクイナを発見。しかし、後方からの車で逃げてしまう。その後、いつものヤンバルクイナのポイントを廻ると、餌を食べる雌と羽づくろいをする雄を発見して、みなさんでじっくりと観察、撮影する。すると、雌が交尾を促すように短い尾羽を振る。しかし、雄は無関心でとことこと歩きだして違う方向へと行ってしまったのだ。いきなりヤンバルクイナの交尾と思ったが残念。しかし、その後も6年間見ているペアも登場して、幸先の良いスタートである。夕方、やんばるの森の中のホテルに到着。やんばるのホテルに連泊というのも、このツアーのいいところなのだ。

17日、早朝、薄暗い中、リュウキュウコノハズク、アオバズク、アカショウビンが囀っている。やんばるの森を車でゆっくりと走るとアカヒゲの亜種ホントウアカヒゲがあちこちの路上で餌を採る。ノグチゲラのポイントへ行くと既に1羽が採餌していて、さらにもう1羽が飛来して採餌を始めるが、リュウキュウコゲラに追い出されて直ぐに飛んでしまった。その後、ポイントを代えてリュウキュウツバメ、オキナワシジュウカラなどをみなさんで観察、撮影する。リュウキュウアカショウビンが近くで鳴いているが姿が見えない。その後、ホテルに戻り朝食。再度出発し、やんばるの森の中の林道をゆっくり走る。数ヶ所のホントウアカヒゲのポイントでそれぞれの雄をじっくりと観察、撮影する。この時期の雄は特に綺麗なのだ。さらに数ヶ所でヤンバルクイナも道路で採餌をしたり横切ったりと楽しませてくれる。沖縄そばの昼食後は耕作地でサギ類やセイタカシギの群れなどを見る。体色の濃いリュウキュウキジバトやリュウキュウヒヨドリ、体の小さなリュウキュウハシブトガラスといった沖縄の亜種を観察、撮影する。再び、やんばるの森の中の林道をゆっくり走ると、道路の脇からノグチゲラが鳴きながら飛び出して車の前の木にとまる。その後も2羽で鳴きながらその場を離れないのでじっくり観察、撮影する。さらに待っていると我々の7m程の木に雄が飛来してとまる。我々もびっくりしたが、ノグチゲラも驚いたようでみんなが一瞬フリーズする。その後、ヤンバルクイナのポイントを廻り、夕方、やんばるの森の中のホテルに到着。夕食は「やんばる3点セット」の話で大いに盛り上がったのである。

18日、早朝にホテルを出発してノグチゲラのポイントで待つ。アカヒゲが朗々と囀り、リュウキュウサンショウクイが鳴きながら飛んでいく。少し離れた場所でノグチゲラが鳴いているので見に行くと、雄が別の雄を追い出し、さらに雌も出て来て3羽でバトルとなる。さらに、採餌ポイントにも飛来し、みんなで走りまわる。そして、アカヒゲとヤンバルクイナも出て来て、一ヶ所で「やんばる3点セット」を見てしまったのである。その後、ホテルに戻って朝食。再出発後はサギ類、シギ・チドリ類を観察、撮影。遊歩道を歩いているとハイタカが頭上を飛行する。午後、農耕地に行くとツバメチドリが十数羽飛んでいるが、残念ながら降りている個体は見られなかった。そして最後に、ヒバリシギ、ウズラシギ、トウネン、ヨーロッパトウネンなどのシギ・チドリ類やオナガガモ、ヒドリガモなどのカモ類、オオバン、クロサギなどをみなさんでじっくりと観察、撮影して那覇空港へと向かったのである。「やんばる3点セット」にたっぷりと遊んでもらった3日間でした。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

ホントウアカヒゲ 撮影:宮沢安二郎様

 

リュウキュウコゲラ 撮影:宮沢安二郎様

 

セイタカシギ 撮影:宮沢安二郎様

関連記事

ページ上部へ戻る