【ツアー報告】利根川周辺の冬の猛禽類 2015年11月26日

(写真:ハイイロチュウヒ)

初冬の日帰りバスツアー恒例の猛禽類を中心に観察するコースです。トビ、ノスリ、ミサゴ、チョウゲンボウといった見慣れた種に加え、冬鳥として渡来するコチョウゲンボウ、ハイイロチュウヒに期待するほか、関東唯一のヒシクイの越冬地を訪れ、ここ数年話題になっているホシムクドリなども探します。ただ前日からの雨が残り、早朝の東京駅前は小雨が降り続いていました。

いつもながらご集合が早めに済んだため予定よりも5分ほど早く出発することができました。出発時には空はやや明るくなってきていて雨もほとんど降っていないような状況でした。途中休憩を挟んでも約2時間で最初の探鳥地に到着し、早速観察機材の準備に取り掛かりました。再出発する頃にはちょうど雨は上がるという絶好のタイミングでした。畑地をバスで流していると雨が上がったためかチュウヒが飛翔し、ハヤブサ幼鳥も飛び立ちました。バスから降りるとタゲリの群れが飛び、地上で休んでいるハヤブサを観察することができました。望遠鏡で見ると胸の縦斑がはっきりとわかりました。また畦道に降りているノスリの姿もありましたが、急に雨が強くなってきたことから移動時間に充てることにしました。次の探鳥地に到着した頃には青空が見えはじめていましたが、まだまだ小雨が降っていたことからタゲリを車内から観察しました。はじめは1羽しか見られませんでしたが、その後は10羽ほどの小群を観察することができました。その後は一旦各自昼食とし、昼食後はヒシクイの越冬地に向かいました。途中に立ち寄った場所ではホバリングしながらさかんに餌の魚を探す2羽のミサゴが見られましたが、残念ながら魚がいなかったようでダイビングシーンは見られませんでした。ヒシクイの越冬地には先週下見に行っていましたが、その時は40羽ほどしか見られず、どうしたものかと思っていましたが、その後続々と渡ってきたようでこの日は123羽が見られました。日中はそれほど動きがないため見応えがあるわけではないですが、この日は比較的活発に採食していました。ほかにもノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウが見られました。その後は一旦トイレ休憩をとり、猛禽類を探しながらまた移動を開始しました。最初に行った干拓地では電線に止るコチョウゲンボウの姿があったためバスを降り、望遠鏡で見てみると美しいオス個体でした。このツアーでは定番種ですが、ここ数年はなぜかそのほとんどがメス個体だったので、オス個体との出会いは久しぶりで感激しました。その後は小さな水田で5羽ほどのクサシギの小群やカワセミ、ノスリ、さらには群れで飛翔するタゲリを観察して、ムクドリ観察ポイントに向かいました。とある場所では夕方になるとどこからともなくムクドリが集まっては採食や水浴びをします。その数はびっくりするほどなのですが、丹念に探すとその中に数羽のホシムクドリが混じっていることがあるため、ここ数年はホシムクドリも探しています。最初に出会った群れはかなりの数で期待が持たれましたが残念ながら出会えませんでした。時間も時間なので諦めようかと思ったのですが、遠くにもう一群れが見えたので行ってみると、その中に1羽のホシムクドリが混じっていました。この個体は電線にムクドリと並んで止っていましたが、うまい具合に一番はじに止っていたことから見つけやすく、望遠鏡を使ってじっくりと観察することができました。ここで時間が15:30を過ぎたことから急いで猛禽類の塒入り観察に向かいました。到着すると早くも1羽のハイイロチュウヒのメスがゆらゆらと飛翔し、数羽のチュウヒも飛んできました。そして16:20になってようやくハイイロチュウヒのオスが1羽現れてアシ原上を飛翔したかと思うと、そこからともなくもう1羽が現れて2羽で絡み合うように飛び始めました。時には一旦アシ原を離れたり、霞ヶ浦上空を旋回したりと普段見る塒入りとはかなり違った状況でしたが、薄暗くなるまで美しいハイイロチュウヒのオス2羽の飛翔を楽しんで観察を終了しました。

今日は午前中は雨に泣かされましたが、それでもチュウヒ、ハヤブサ、ノスリを見ることができ、午後からはミサゴ、チョウゲンボウ、そして美しいコチョウゲンボウのオス、そしてハイイロチュウヒ3個体を見ることができました。ほかにもタゲリ、ヒシクイ、ホシムクドリといった鳥たちも見ることができ、雨の中でしたが成果がありました。皆様お疲れさまでした。

石田光史

2016年11月26日発 利根川周辺の冬の猛禽類 日帰り

2016年11月27日発 利根川周辺の冬の猛禽類 日帰り

関連記事

ページ上部へ戻る