【ツアー報告】ミナミオナガミズナギドリに会いたい!大洗~苫小牧~八戸航路 2021年10月21日~24日
(写真:クロトウゾクカモメ 撮影:上野達雄様)
数年前は大洗~苫小牧航路でも秋によく見られていたミナミオナガミズナギドリですが、どうもここ数年、その姿を見ることがなくなってしまい、ちょっと大袈裟ながら幻の海鳥と化してしまった感がありました。そのため過去の観察データを洗い直し、この大洗~苫小牧航路に、さらに八戸~苫小牧航路を加え、観察の可能性が高い海域を3度航行して集中的に探すといった新たな航路ツアーに企画しなおしました。ただこの時期は台風シーズンということもあってなかなか催行できず、過去4回企画しながら2回が荒天中止、ようやく昨年2回目の催行でようやく念願のミナミオナガミズナギドリに出会うことができました。今回に関しては直前に大きな低気圧が通過しましたが、良いタイミングで低気圧は去り、ちょうど海況の良いタイミングに合わせて出港できることになり、事前の予報によると秋としては珍しく海況も穏やかで天候も良い3日間になるとのことでした。
21日、この日は若干のトラブルがあったものの無事ご集合が完了したことから、資料配布、トラベルイヤホン配布、翌日の波予想、天気予報、連絡事項をお伝えし、最後に今回見られるであろう海鳥たちの識別ポイントなどをおさらいしてからまずは苫小牧港を目指して22:45に「さんふらわあ しれとこ」に乗船しました。
*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
海鳥観察の定番となった大洗~苫小牧航路は長らく企画してきましたが、さらに船が小型の八戸~苫小牧航路は海鳥との距離感が近く、特に秋はミナミオナガミズナギドリに出会う確率が極めて高いことからこのツアーでは4航路を乗り継ぐ形にしています。今回は残念ながらミナミオナガミズナギドリの姿を見るには至りませんでしたが、何かしら目的をもって海鳥観察をすることは極めて楽しいものだとあらためて感じることができました。秋の定番、ハジロミズナギドリの乱舞やアホウドリ類3種、さらにはトウゾクカモメ、クロトウゾクカモメ、フルマカモメ、また実際に海上を渡っているアトリやマヒワといった小鳥類の姿は感動的で、マガン、コクガン、シジュウカラガン、さまざまなカモ類が渡って行く姿も見ることができました。今後も海鳥観察の醍醐味である究極の一期一会を楽しめればと思います。今後も大洗~苫小牧航路をはじめ、八丈島航路、小笠原航路、知床では漁船やクルーザーを使っての海鳥観察など企画してまいります。なお定期航路では瞬時の海鳥出現に対応するためトラベルイヤホンを使用して情報共有しながら効率的に探鳥してまいりますので今後ともよろしくお願いいたします。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史