【ツアー報告】冬の道東巡り(流氷観光船+落石クルーズ乗船) 2020年2月19日~22日

(写真:ベニヒワ 撮影:岩倉定雄様)

冬季のツアーは盛りだくさんですが、それらの中でもまず外すことができないのが九州とこの道東でしょう。この冬の道東ツアーは一般的には流氷船から観察するオオワシとオジロワシ、サンクチュアリーでのタンチョウ観察、そしてシマフウロウの4点セットが基本ですが、我々のツアーはこれに留まることなく、幻想的なタンチョウの塒での観察、さらには得意分野である海鳥クルーズも組み込み、ほぼここでしか観察できないウミバトをはじめとしたウミスズメ類や人気のコオリガモを間近に観察できるようにし、ほかにもチシマウガラスやエゾフクロウ、そしてシマエナガも見られるようコース設定しています。ここまで凝縮したツアーはおそらく他社には作れないレベルと自負しています。また行程もムダな移動時間がかからないよう、俗にいう一筆書きでめぐれるように配慮し、めいっぱい探鳥時間が確保できるようにしています。今回は事前の天気予報は概ね良く、比較的暖かく穏やかな4日間になるとのことでした。

19日、春のような陽気の羽田空港を予定通り出発して中標津空港に向かいました。着陸直前には窓から一面の雪景色が見られ、冬の北海道にやってきたという印象を与えてくれました。この冬はどこも積雪が少なく、冬の北海道らしさが感じられませんでしたが、中標津空港周辺は数日前の雪が残っていたためまずまずの積雪があり、バスに向かう途中にはいきなりシマエナガの群れが出迎えてくれました。この日はシマフクロウ観察に全力を注ぐため、空港から宿に直行し、少しでも早く現地に到着できるようにしました。途中、知床に近づくにつれて海上には真っ白な大陸のように見える流氷があり、冬の知床の雰囲気は十分でした。現地到着後は一旦お部屋に入っていただき、防寒装備と観察機材を持って観察地に向かいました。ただ少々時間があったため翌日に乗る船の見学も兼ねて羅臼港によってみると、港にはスズガモ、シノリガモ、コオリガモ、カワアイサ、シロカモメ、ワシカモメの姿がありました。到着後は早速各自準備に取りかかり、後はシマフクロウの登場を待つばかりとなりました。実は厳冬期はシマフクロウが最も見づらい時期にも関わらず、オオワシやタンチョウを見るため世界中のバードウォッチャーが集結するため観察場所は大変な混雑となるのです。ただ今年はコロナウイルスの影響からバードウォッチャーが少なく、拍子抜けするほどでした。この日は無風のため観察条件は最高でしたが翌朝の観察も踏まえて観察し、じっくりと待ってみましたが残念ながらシマフクロウに出会うことができませんでした。

20日、いきなり出鼻をくじかれた形になってしまいましたが、この日は早朝に宿を出て流氷観光船からオオワシ、オジロワシの観察を行いました。流氷はまさに風任せで、風の状況でその日の流氷の位置が決まり、状況によっては陸地から大きく離れてしまい、観光船で流氷に到達できないこともあります。ただこの日は幸いにも流氷が比較的陸地に近い位置にあり、しかも快晴無風という過去に経験したことがないような最高の条件に恵まれました。06:00を過ぎた頃からは国後島から朝日が昇り、沈んだ色調だった流氷が一気に色づき、灰色だった氷の海が橙色に染まり、思わず息を飲むような絶景が広がりました。ふと振り返り羅臼岳側を見ると青空を背景にしてオオワシとオジロワシが飛び交い見事な迫力でした。約3時間の滞在でしたが、オオワシ、オジロワシの乱舞は見事で、また無風だったこともあり、いつものような厳しい寒さを感じることがない異例の流氷観光船体験でした。下船後は一旦宿にて朝食をいただき、その後は根室方面に向かいました。今年の冬は冬鳥の飛来状況が良いことから期待していましたが、早速ハギマシコの群れに出会うことができ、それほど警戒しないことからジワジワと接近して観察することができました。その後はさらに進み、漁港ではウミアイサ、ホオジロガモを観察してから昼食の時間としました。その後は半分ほどが凍ってしまっていた漁港でコオリガモを間近に観察し、その後はさらに移動して観察していると、この冬の鳥の状況の良さを象徴するかのようにベニヒワの小群に出会うことができ、地上でせっせと餌を探す可愛らしい姿をじっくりと観察することができました。そしてこの日の最後はまずここでしか見ることができないチシマウガラスを探しました。見る見る陽が傾いてくる中、現地に到着するとなぜかこの日は鳥の姿がほとんどなく、ヒメウがたった1羽だけ止まっていました。これは残念と思いましたが、このたった1羽を良く見てみるとなんとこれがチシマウガラスで、しばらく見ているともう1羽がやってきて、驚いたことに2羽のチシマウガラスを見ることができました。さらに岬からは複数のケイマフリの姿を見ることができ最後までラッキーな1日でした。

21日、この日は我々のツアーではすっかり定番になっている落石クルーズに乗船するため、早朝から天候や風が心配でしたが窓から外を見るとこの日も信じられないくらいの快晴無風でした。予定通り朝食をいただき落石漁港に向かい、到着後はライフジャケットの装着をしていただき落石クルーズに乗船しました。この落石クルーズは普段なかなか間近に見ることができない海ガモ類、ウミスズメ類を間近に観察できる貴重なクルーズで、この日もまずは漁港内でコオリガモ、クロガモ、ウミアイサなどを観察してから外洋に出ました。この日は快晴無風のため概ね海況は良く、まずはこの海域の主役であるケイマフリを何度も間近に観察し、この冬に多く見られているウミガラス、そして飛ばれてはしまいましたがウミバトに出会うこともできました。ただこの日の主役は流氷の時期に合わせてその数を増すコウミスズメでした。行く先々で群れを見ることができ、警戒心が強いことからなかなか船で接近できませんでしたが、何度かじっくり見る機会に恵まれました。下船後は根室海峡に押し寄せてきている大量の流氷、そして木々に止まっているオジロワシを見てから昼食の時間としました。ただこの場所にあるちょっとした雑木林で頻繁にシマエナガが見られることから時間をやや延長して待っていると、予想通りシマエナガの群れが何度もやってきては間近にその姿を楽しませてくれたほか、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、アカゲラなども見ることができ、その後はこの日の最後の探鳥地に向かいました。ここでもこの冬は冬鳥の飛来状況が良いことを象徴するかのようにケアシノスリが飛来しているとのことで探してみました。一面の雪原の中に立つ電柱にチョウゲンボウが止まっていたため観察していると、突然、ハイイロチュウヒのオスがやってきてチョウゲンボウを追い回し、いきなり見事なシーンを見ることができました。さらに探すとケアシノスリの姿があり、一旦飛んでしまったものの電柱に止まったことから観察しようとすると、さらにもう1羽がいたことからこの個体を観察することにしました。北海道でも数年に1度やってくるかどうかといった鳥のため、しばらくの間じっくりとその姿を堪能することにし、観察後はホテルに向かいました。

22日、ここまで快晴が続いていましたがこの日は空が雲に覆われる中、早朝にホテルを出てタンチョウの塒に向かいました。ここは快晴になり気温が-20℃を下回るような日には川霧が立ち、それが周囲の木々に霧氷となって取り付くことから、幻想的なシーンの中でタンチョウが観察できることから早朝にも関わらず多くのバードウォッチャーが訪れます。ただここもコロナウイルスの影響からか訪れている人の数は例年の半分以下でした。06:00前から観察を開始し、少しずつ明るくなってくるとタンチョウの姿が次第に見え始めました。曇り空だったことから気温がそれほど下がらず-10℃に満たなかったこともあり、霧氷は見られませんでしたが川霧が立つ中でタンチョウの姿を観察することができました。07:00には一旦現地を離れて朝食の時間とし、その後は再びタンチョウの塒に戻って塒から飛び立つタンチョウを観察した後はサンクチュアリーに向かい、ここでは1時間ほど時間をとって求愛ダンスなどを観察しました。本来であればここで終了とするところでしたが、屈斜路湖にも行きたいとのご意見が多数だったことから最後に屈斜路湖に向かい、周辺の雑木林を歩いてみました。残念ながら思ったほど小鳥の姿はありませんでしたが、地上で餌を探すシロハラゴジュウカラ、そしてここまでなかなか見ることができなかったカケスの亜種、ミヤマカケスに出会うことができ、地面を歩きながら餌を探す様子、また珍しくじっと木に止まっている姿を望遠鏡でじっくり観察してツアーを締めくくりました。終わってみれば4日間を通して穏やかな中で過ごすことができました。

さて今年の冬の道東巡りシマフクロウに出会うことができず残念なスタートになってしまいましたが、タイミングを合わせるのが難しい流氷の接岸にピタリと合うことができ、快晴無風の中、見事な流氷とオオワシ、オジロワシを堪能することができました。また幻想的なタンチョウの塒でも観察することができ、冬鳥の飛来状況が良いことを象徴するかのように、ハギマシコ、ベニヒワ、ケアシノスリに出会うことができました。また運次第といった感が強い、エゾフクロウ、チシマウガラスにも出会うことができたほか、人気のシマエナガ、北海道だからこその鳥として知られる、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、ミヤマカケスにも出会うことができました。また我々のツアーではすっかり定番になっている落石クルーズでは、大量のコウミスズメに出会うことができたほか、ケイマフリ、ウミガラス、ウミバト、ウミスズメ、コオリガモ、クロガモなどを漁船だからこその距離感で楽しむことができました。北海道は生き物好きには非常に魅力的な場所であり、季節を変えてさまざまなツアーを企画しています。また季節を変えてぜひ北海道にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

オオワシ 撮影:寺田祐治様

 

コオリガモ 撮影:今津信二様

 

オジロワシ 撮影:窪田徹様

 

ケアシノスリ 撮影:岩倉定雄様

 

ウミガラス 撮影:寺田祐治様

 

ウミアイサ 撮影:今津信二様

 

ハギマシコ 撮影:窪田徹様

 

チシマウガラス 撮影:岩倉定雄様

 

ウミスズメ 撮影:寺田祐治様

 

シマエナガ 撮影:窪田徹様

 

オオワシ 撮影:岩倉定雄様

 

オジロワシ 撮影:寺田祐治様

 

タンチョウ 撮影:窪田徹様

 

コウミスズメ 撮影:岩倉定雄様

 

シノリガモ 撮影:寺田祐治様

 

オオワシ 撮影:窪田徹様

 

シマエナガ 撮影:岩倉定雄様

 

ケアシノスリ 撮影:寺田祐治様

 

ウミアイサ 撮影:窪田徹様

 

ハギマシコ 撮影:岩倉定雄様

 

オジロワシ 撮影:寺田祐治様

 

シロハラゴジュウカラ 撮影:窪田徹様

 

ウミガラス 撮影:岩倉定雄様

 

オジロワシ 撮影:窪田徹様

 

エゾフウロウ 撮影:岩倉定雄様

 

オオワシ 撮影:窪田徹様

 

コオリガモ 撮影:岩倉定雄様

 

ミヤマカケス 撮影:岩倉定雄様

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