【ツアー報告】真夏の宮古島 アカショウビンと海アジサシ 2020年6月24日~27日
(写真:リュウキュウアカショウビン 撮影:日下部英昭様)
24日、お客様が全員揃って宮古島空港を出発。今年は梅雨が早く開けて、真夏の宮古島で皆さまをお迎えしようと思っていたのに、戻り梅雨とかで毎日激しい雨が降っている。本日も雨の予報だが、今は晴れているので急いで耕作地へ行き農道をゆっくりと走る。毎年、ツバメチドリがたくさん繁殖しているが、今年は6月8日に宮古島で50年に一度という豪雨が降り、その影響なのかヒナや幼鳥が少ない。それでもツバメチドリの成鳥や幼鳥をみなさんでじっくりと観察、撮影する。再び農道を走っていると車から2m程の耕作地をミフウズラの雌がとことこ歩いている姿を発見し、みなさん慌てて写真撮影する。さらに農道をゆっくりと走り、シロハラクイナ、リュウキュウツバメや色の濃い亜種のリュウキュウヒヨドリ、リュウキュウキジバト、脇腹も灰色の亜種のリュウキュウメジロなどの琉球ならではという種類を観察、撮影する。その後はホテルに戻り夕食後に夜間観察に行く。日没には時間があるので林の周りの道路をゆっくり走ると亜種のリュウキュウアオバズクやリュウキュウアカショウビンがとまっていて観察、撮影する。ポイントで車を降りて待つと、日暮れ頃からインドクジャクがネコのような声で鳴き、翼長1m近くもあるヤエヤマオオコウモリが飛ぶ。薄暗くなるとリュウキュウアオバズクとリュウキュウコノハズクが一斉に鳴き出す。ちょっと困ったようなかわいい顔をしたリュウキュウコノハズクをみなさんでたっぷりと堪能してホテルに帰る。
25日、早朝にホテルを出発し探鳥へ行く。最近、雨がたくさん降ったのであちこちに水溜りがあって鳥たちがわざわざこの池に水浴びに来ないのだ。それでも待っているとリュウキュウサンコウチョウが数回水浴びに来て、リュウキュウアカショウビンも水場の近くまでやって来る。すると、オオクイナが林から歩いてきて水浴びを始めるので、みなさん大喜びで観察、撮影する。さらに別のオオクイナもやってきて水浴びをする。そして、リュウキュウキビタキも水浴びにやってきて、さらに、また、別のオオクイナもやってきて水浴びをするので、みなさんたっぷりと堪能する。その後、周辺の樹林へ行くと、あちこちでリュウキュウアカショウビン、キンバト、カラスバトがチラッチラッと見えるがなかなか写真撮影まではいかない。その後は日本一長い伊良部大橋を渡る。橋の長さは3,540m(サンゴ礁“サン・ゴ・シ・オウ”と覚えてください)。周辺でベニアジサシとエリグロアジサシ合計50~60羽が採餌をする姿をじっくりと観察、撮影する。すると、テトラポットにとまる個体がいて、間近でとまっているアジサシ類の写真が撮れて盛り上がる。その後は漁港へ行く。港内にある生簀でエリグロアジサシ、ベニアジサシ、クロサギなどが採餌をしている。暫く待つとオオアジサシが飛来して港内を飛び回りみなさんで盛り上がる。さらに、漁港の奥でエリグロアジサシ数ペアが抱卵している。例年ならヒナの時期だが、今年は大雨で失敗して、やり直しをしているペアが数羽いてこれらをそっと観察、撮影する。昼食後、別の耕作地を廻ってミフウズラを数羽観察する。午後からは漁船に乗って沖合の岩礁へ行く。海はかなり荒れていたが我々の向かう方向がうまいこと風が避けて波を被るようなことはない。岩礁ではクロアジサシ約200羽、マミジロアジサシ約50羽、エリグロアジサシ多数などが飛び回っている。少し距離があるがみなさんでじっくりと観察、撮影する。すると、漁船に向かって飛んでくるクロアジサシ2羽が、頭上と至近距離を目線の高さで飛んでいくので大盛り上がりとなる。ところが、突然、数メートル先が見えない程の土砂降りとなり、下を向いて耐えるだけとなる。雨雲がどんどん湧き上がり暫くは止みそうもないので撤収とする。波は被らなかったが全身ずぶ濡れとなって帰港。着替えた後、耕作地をゆっくりと走り、約15羽のミフウズラに会うがなかなかじっくりと写真を撮れるまではいかない。そこで、昨日、リュウキュウアカショウビンがいたポイントへ行くと、パパイヤの木にとまっているリュウキュウアカショウビンがいて、南国的な風景をみなさんでゆっくりと撮影することが出来たのである。17:00にホテルに帰り、18:00から近所の料理屋さんで夕食。本日はたくさんの鳥たちに出会ったのでみなさん笑顔で乾杯。
26日、早朝にホテルを出発。ポイントを変えて島の南側へ行く。舗装道路でキンバトが採餌をしている。耕作地を走るとミフウズラやシロハラクイナが次々に出現する。今年はミフウズラとの遭遇率が異常に高いように感じるのだ。昨年、キンバトがいた場所へ行くと、キンバトの雌雄がのんびりと採餌をしている。この時期は、子育てに忙しいのに変だなと思っていると、飛び立って公園の木にとまる。すると、とまっている枝の近くに一部が崩壊している巣がある。多分、6月初旬の大雨で卵かヒナが流れてしまったのだろう。しかし、繁殖をやり直す気配があるので、急いでその場を離れたのである。さらに別の場所でもミフウズラを数羽観察、撮影する。昼食後は北上し、ムラサキサギやヨシゴイ、クロハラアジサシが飛ぶ。湿地の水草の伐採をするということで、湿地内に作業道路がつくられているが、そこをリュウキュウヨシゴイが歩いている。ちょっと遠いがみなさんで観察、撮影する。雨が激しくなってきたので雨宿りをする。ここの雪塩ソフトクリームが絶品でみなさんで頬張る。雨があがりは岩礁でエリグロアジサシ6羽をみなさんで観察、撮影。その後、ミフウズラを何回も観察しながら耕作地を南下すると道路の水溜りでキンバトが水浴びをしている。リュウキュウサンコウチョウが道路を何度も横切るが素早くて写真を撮れない。カラスバトやズアカアオバトが電線にとまっている。ホテルに戻った後は近所の料理屋さんで夕食。本日もたくさんの鳥たちに出会ったのでみなさん笑顔で乾杯。
27日、早朝にホテルを出発してサガリバナを見に行く。夜に咲いて朝には散ってしまう花なのだが、今年は新型コロナウィルスの影響で夜間のライトアップをやっていないのだ。まだ、咲いている花の甘い香りが辺りに漂う。その後は道路を歩く。リュウキュウアカショウビンやリュウキュウサンコウチョウがとまるが全員でじっくり見る前に飛んでしまう。キンバトが数羽、道路に降りて餌を啄む。シロハラクイナのペアが6羽のヒナを連れて道路を渡る。道路脇のホウライカガミに日本で一番大きなオオゴマダラ22頭やツマムラサキマダラ12頭とまっている。その後、空港周辺の耕作地の水が溜まっている畑に、コチドリ、アカアシシギ、アオアシシギ、タカブシギ、セイタカシギ、チュウサギ、コサギなどが降りてて、みなさんでじっくりと観察、撮影する。さらに昼食を挟んでこの周辺の耕作地だけで約30羽程のミフウズラと出会うという信じられないことが起こって宮古島空港へ行く。晴れたり土砂降りになったりというお天気でしたが、南の海アジサシ類、夜間のリュウキュウコノハズク、リュウキュウアカショウビン、リュウキュウサンコウチョウ、オオクイナ、キンバト、そして、ミフウズラが大爆発のツアーとなりました。みなさま、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
宮島 仁