【ツアー報告】秋の対馬 大群で渡るアカハラダカと渡りの小鳥たち 2020年9月17日~19日

(写真:アカハラダカ 撮影:刈田宏様)

17日、羽田空港を発ち、中継地の長崎空港に到着すると、我々が乗る予定の対馬行きの便は、対馬での激しい降雨による視界不良のため、着陸できない場合は福岡空港に向かう条件付きの運行であると伝えられ、波乱の幕開けとなりました。しかし、乗機すると飛行中の揺れもほとんど感じず、予定通りに対馬空港に着陸して、予定通りに波多野ガイド、福岡空港集合のお客様と合流します。しかし、空港の外に出ると、長崎空港で聞いていた通り、強い雨が降っていて、雨のなかでの探鳥となってしまいました。最初に空港にも近い場所に向かいますが、条件が悪い強い雨の中だけあり、鳥影も薄かったのですが、多くの実が落ちた柿の木の周りに10羽ほどのエゾビタキが群れて、地上で採餌をしていました。地上にばかり降りるので不思議に思っていたら、どうやら落ちた柿の実についた昆虫を捕食しているようで、エゾビタキ同様に昆虫食のオオルリ、コサメビタキ、センダイムシクイも同じような動きをしています。次いで水田地帯を訪れると、川沿いの灌木にコホオアカの姿を観察することができましたが、雨も依然降り続いているので、少し早めにホテルへと向かい、初日の探鳥を終えました。

18日、昨日の雨が夜を通して降り続き、朝になってもまだ降り続いている。アカハラダカの観察地の内山峠に向かうも、降り続く雨に加え霧も出ていて肌寒い。この様子だと本日はアカハラダカの渡りが見られそうもないので、厳原市内の津島観光物産協会を訪れ、お土産物の買い物をした後に水田に向かいます。到着すると雨もほぼ止んでおり、渡り途中のシマセンニュウを見つけたり、山の斜面に点々と休む4羽のチゴハヤブサを観察したりします。昼食のお弁当を食べた公園でハクセキレイの亜種ホオジロハクセキレイを観察してから、午後の探鳥を開始します。水田地帯では稲の刈取りが終わっていないため、観察条件としては良くありませんが、ツメナガセキレイ(亜種マミジロツメナガセキレイ)やアカモズ(亜種シマアカモズ)など、この時期ならではの鳥たちも観察することができました。最後に渡り途中の鳥を探しに向かうが、エゾビタキの姿が目立ったほかは、カラ類の群中にヒガラの姿を見つけた程度でした。

19日、本日は期待していた秋晴れの美しい晴天で、ホテルを出発する前から、すでに内山峠で観察を始めている対馬野鳥の会の方から「飛んでいる」という連絡が入ってきます。はやる気持ちを押さえながら内山峠に向かうと、到着するなり50羽から200羽ほどの群れが次々と頭上に現れます。天気が良いため、高いところを飛んでいく群れが多いが、数百羽のアカハラダカがひとつの群れとなって舞い上がった後、いっせいに同じ方向に流れていく様子は、やはりここならではの光景です。私たちが滞在していた午前中だけで3000羽を超えるアカハラダカを観察しましたが、本日は5000羽を超える数が記録されたそうです。昼食後、対馬での最後の探鳥を、初日に訪れた水田地帯で行うと10羽ほどのツメナガセキレイのほか、新たにムネアカタヒバリやマミジロタヒバリの姿も観察することができました。ツアーの前半は雨による荒天に苦労させられたが、狙いであるアカハラダカの群れの渡りを観察することができたほか、この時期の渡り鳥の姿も観察することができた3日間でした。ご参加いただきました皆様、お疲れさまでした。

田仲謙介

アカハラダカ 撮影:箕輪篤子様

 

アカハラダカ 撮影:刈田宏様

 

アカハラダカ 撮影:箕輪篤子様

 

ツメナガセキレイ 撮影:刈田宏様

 

アカハラダカ 撮影:箕輪篤子様

 

チョウゲンボウ 撮影:刈田宏様

 

シマアカモズ 撮影:箕輪篤子様

 

タカブシギ 撮影:刈田宏様

 

マミジロタヒバリ 撮影:箕輪篤子様

 

シマアカモズ 撮影:刈田宏様

 

ツメナガセキレイ 撮影:箕輪篤子様

 

シマセンニュウ 撮影:刈田宏様

 

ホオジロハクセキレイ 撮影:箕輪篤子様

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