【ツアー報告】珍鳥が渡る!春の与那国島 2021年3月26日~29日

(写真:ヤツガシラ 撮影:寺田祐治様)

26日、13:50に石垣空港を出発。いつも地元で鳥を見ている方から教えて頂いたカタグロトビのポイントへ向かうと、途中の電線にカタグロトビがとまっていた。ここの繁殖個体ではなく他所の個体のようだが、早速の登場にみなさんで観察する。ポイントへ着き、繁殖初期ということで影響を考慮して300m以上の距離で観察する。写真を撮る方にはちょっと遠いが、ツアーで繁殖を放棄させるなんてことは絶対に許されない行為なので、みなさんに理解していただく。暫くすると、雄が見張りの木のトップにとまり、さらに営巣木から雌が飛び出し、近くのギンネムの枝を折って巣へと運んでいく。営巣期の最も神経質な時期である。その後、サトウキビ刈りをしている畑まで行き、ハーベスターの周りにいるアマサギを観察していると、ムラサキサギが飛来して畑に降りたので、みなさんでじっくりと観察、撮影する。勝手に、ムラサキサギ、スグロゾゴイ、カンムリワシ、カタグロトビを八重山4点セットと呼んでいるが、1時間で2種と幸先がいい。3日前にカンムリワシの昨年生まれの真っ白な幼鳥を見たので余裕で見られると思った場所では、どこを探してもいない。シロハラクイナ、チョウゲンボウ、オオタカなどを観察して移動。海岸通りでミサゴがダイビングするがなかなか魚を捕れない。すると16:20 電柱にとまっているカンムリワシを発見。畑に降りてキシノウエトカゲを食べる。すると、近くの照葉樹から別個体の鳴き声がするので探すと、カンムリワシがとまっていた。ペアのようなのだが、しきりになく雌に雄は餌を与えない。しかし、帰って写真をみると雄同士の餌場のケンカのようだ。そして最後はズグロミゾゴイの幼鳥が餌を捕っている姿をみなさんで観察、撮影して終了。4時間で八重山4点セットを無事にコンプリートしてホテルにチェックイン。

27日、朝食後、最近、市街地で繁殖を始めたカバイロ(インド)ハッカやシロガシラ、キセキレイ、コチドリ、クロサギなどをみなさんで観察、撮影する。その後は石垣空港から与那国空港に移動。専用バスでホテルへ行き、機材の準備、昼食を済ませてから出発。気温24℃だが陽射しが強く、南国特有のジメッとした湿気をたっぷり含んだ風が吹く。まずは小学校の校庭にヤツガシラが2羽いてみなさんでじっくりと観察、撮影する。しかし、ヤツガシラは盛り上がる鳥なのだ。すると、校庭の隅に変な鳥がいる。「アオハライソヒヨドリだ!」。イソヒヨドリの亜種だが、なかなか出会えない鳥なので撮影したいが、いかんせん遠い。池に行くと真ん中の島にミサゴが、岸のマングローブにムラサキサギがとまっているので観察、撮影。すると車がバックして来て「ベニバトがいるよ」と親切に教えてくれる。見ると、耕作地で餌を啄むベニバトの綺麗な雄がいる。直ぐに飛び立ち、調整池のポールにとまるが見ずらい。それでも皆さんで観察していると、飛び立って行ってしまった。その後は水田へ行き、タヒバリの夏羽やクサシギ、イソシギ、シロガシラなどを観察、撮影してから集落内を歩いていると、クロウタドリが飛び立ってフクギ並木に入る。暫く周辺を探すが、その後、再発見できずに15:00に移動する。その後、立神岩を観光をして15:45に東崎へ行く。例年、ここにオオチドリが入るのだが、今年はまだのようだ。ツメナガセキレイ、ムネアカタヒバリなどを観察、撮影する。16:15に耕作地へ行く。昨年まで、広大な水田地帯だったのだが、今年は田植えをしている水田が4枚しかない。タシギ、タカブシギ、イソシギ、コチドリ、ケリ、オジロトウネンなどをじっくりと観察、撮影する。雨が酷くなってきたが、17:20に中学校の校庭にハクセキレイが4羽降りていて、1羽は亜種のホオジロハクセキレイ。しかし、雨が強くてバスから降りれない。17:35 ホテルに帰る途中でムクドリ28羽、ギンムクドリ7羽、ホシムクドリ1羽の群れを発見して、みなさんでじっくりと観察、撮影をして本日は終了。

28日、朝から晴れていて真夏のようだが湿度は高い。ホテルの近くの耕作地でノビタキの夏羽を観察してから、小学校へ行くと、ヤツガシラが4羽に増えている。漁港近くの公園の芝地にギンムクドリ15羽が降りて餌を啄んでいるので、みなさんで観察、撮影する。09:30西崎を観光、夏や秋の晴れた日には111km離れた台湾が見える。10:20 森林公園を歩く。タイワンヒヨドリやイシガキシジュウカラが鳴いているが、これといった鳥は見られない。11:00 再び、クロウタドリを探すが見付からない。道路脇のパパイヤ畑にヤツガシラがいて、この個体が警戒心がまったくない愛想のいい子なので、みなさんでたっぷりと堪能する。昼食後、13:00に耕作地へ行く。昨年まで島にあった水田はほとんどが止めてしまい、田原と割目に少しだけ残っているだけである。水田には昨日と同じメンバーのタシギ、タカブシギ、イソシギ、コチドリ、ケリなどいて観察、撮影する。学校へいくとカバイロ(インド)ハッカがペアで巣材運びをしている。石垣島でも近年、繁殖して増えているが、与那国島でも繁殖を始めるようなのだ。その後、耕作地を細かく見たが、特に新しい種は入っていないようで、東崎にもオオチドリは入っていない。15:45 再び小学校へ行くとアオハライソヒヨドリが屋根にとまっている。しかし、逆光で色が分からない。暫く待つと、学校の校庭に降りたので、みなさんで観察、撮影する。さらに、カラムクドリ4羽が飛んで来てモモタマナの木にとまったので、こちらもみなさんでじっくりと観察、撮影して本日終了。17:40にホテルに帰り、18:30に夕食。すると、お客様2名がホテルの近くでオオノスリのお写真を撮って帰ってきたので、みなさんに羨ましがられる。

29日、朝から真夏のように晴れてて湿度もたっぷりなのだ。本日は、昨日の夕方に確認されたオオノスリを時間ぎりぎりまで探すこととする。過去のツアーやプライベートでオオノスリが見られた場所をバスでゆっくりと走っていく。チョウゲンボウ、サシバ、ミサゴ、ハヤブサなどの猛禽類が次から次に現れてドキッとする。与那国空港や空港近くの耕作地などを探すが見当たらない。小学校の校庭を見るとハクセキレイの亜種のホオジロハクセキレイが近くにいるので、観察、撮影する。時間が無くなってきたが、もう一度、空港周辺を見て、さらに、水田まで足を延ばしてから帰ろうということになり探す。そして、最後に遠くをノスリが飛んでいる。慌てて、バスから降りて見ると、上面の初列風切の基部の白い部分が見える。「オオノスリだ!」。ちょっと距離はあるが、ゆっくりと旋回している。そして、旋回しながら高度を下げて尾根の向こうへと消えて行ったのである。その後は、急いで、与那国空港から那覇空港へ飛び、さらに那覇空港から羽田空港へと向かったのである。

石垣島では、カンムリワシ、ムラサキサギ、ズグロミゾゴイ、カタグロトビの“八重山4点セット”を観察し、与那国島ではヤツガシラ祭りにベニバト、カラムクドリ、ギンムクドリ、ツメナガセキレイ、ムネアカタヒバリ、そして、アオハライソヒヨドリと渡り鳥の島を実感できたことと思います。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

ベニバト 撮影:寺田祐治様

 

カラムクドリ 撮影:寺田祐治様

 

インドハッカ(カバイロハッカ)撮影:寺田祐治様

 

カンムリワシ 撮影:寺田祐治様

 

カタグロトビ 撮影:寺田祐治様

 

ズグロミゾゴイ 撮影:寺田祐治様

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