【ツアー報告】越冬シギチドリ巡り 東京湾と霞ヶ浦 2015年11月9日

(写真:タゲリの群れ 撮影:椎葉淳様)

前日に引き続いて催行された越冬中のシギチドリ類を観察する日帰りバスツアー。この日は雨が早朝まで残るとの予報でしたが、早朝の東京駅はすでに雨は上がり、東京駅の上の空は明るくなりはじめていました。

東京駅前を08:00に出発してまずは船橋海浜公園で探鳥です。空が明るくなってくる中、まずは堤防沿いに歩いてカモ類を観察しました。前日同様にスズガモの群れの中にビロードキンクロの姿があり、時より羽繕いをするため特徴的な目の上の白斑を見ることができました。またわずかながらハジロカイツブリの姿を見ることができ、アシ原からはオオジュリンの声が聞こえました。

干潟ではまず個体数の多いハマシギの観察をし、その中に混じるミユビシギの姿も合わせて観察しました。前日同様に嘴の長さ、形の違いに始まり、全体的なスタイルの違い、色の違いなど比較しながら観察することができました。またこの日はたった1羽ながらトウネンの姿があり、ハマシギやミユビシギよりもさらに小型で姿勢を低くした採食姿勢も観察できました。また名物になっているミヤコドリの群れ、波打ち際に佇むダイゼン、長く反った嘴が特徴のオオソリハシシギ、そして中洲にはウミネコの群れに混じっているオオセグロカモメ、セグロカモメ、ユリカモメの姿がありました。

その後は一旦干潟を離れて高速道路上のサービスエリアに向かい各自昼食とし、午後からは霞ヶ浦周辺の水田に向かいました。まずはツアーでも人気の高いタゲリの群れが見られ、独特の長い冠羽、特徴的な子猫のような声を聞くことができました。群れは前日よりも数が増しているようで見応えがありました。ハス田ではタカブシギ、アオアシシギの姿がありましたがやはり個体数は少なく、その後めぐったポイントでもシギチドリ類の姿はありませんでした。そのため周辺を巡ってみたところ、小さなハス田にクサシギの姿がありました。尾羽を振りながら採食する姿はタカブシギに似ていますが、白いアイリングがはっきりしていること、胸がエプロン状になっていること、翼の白斑が少ないことなど微妙な違いを観察することができました。その後歩いたハス田では残念ながらコチドリの姿があるのみでしたが、シギ類を狙ってやってきたオオタカ幼鳥、塒入りのために飛翔するチュウヒの姿が見られました。

今年は目玉となる種の越冬はないようでしたが、海水域ではミヤコドリ、トウネン、ビロードキンクロ、淡水域では人気のタゲリの群れが見られ、アオアシシギ、タカブシギ、クサシギなどの姿を見る機会がありました。秋のシギチドリ類は成鳥冬羽、幼鳥と地味な色合いの個体が多く識別が難解ですが、やはり目を慣らすことが重要です。機会がありましたら繰り返し観察することをおすすめいたします。この度はお疲れ様でした。

石田光史

2016年11月3日発 越冬シギチドリ巡り 東京湾と霞ヶ浦 日帰り

ミヤコドリ 撮影:椎葉淳様

ミヤコドリ 撮影:椎葉淳様

 

タゲリ 撮影:椎葉淳様

タゲリ 撮影:椎葉淳様

 

シロチドリとハマシギ 撮影:椎葉淳様

シロチドリとハマシギ 撮影:椎葉淳様

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