【ツアー報告】秋のシギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦 2021年10月15日

(写真:キリアイ 撮影:寺田祐治様)

すっかり秋の定番となったシギチドリ類を観察する日帰りバスツアーは一日で海水域と淡水域の両方をめぐります。淡水域での探鳥に関しては、通常のバスで巡れるような場所がほとんどないため、車幅の狭いマイクロバス利用の16名様限定としアクセスを良くして歩く距離を軽減しています。秋のシギチドリ類の渡りは場所に寄っては7月下旬からはじまり、10月中旬まで比較的長い時間見ることができますが、反面、ピークを当てることがほとんどできません。そのためツアーでは過去のデータを基にして種類数が安定している時期、また海水域に関しては潮位を見て日程を決めています。秋はなかなか天候が安定しないことが多く、今回も直前に台風の接近がありましたがこの日に関しては晴れマーク一色、10月にも関わらず最高気温26℃とのことでした。

15日、この日は潮位の関係から集合時間は08:00。朝から快晴の東京駅前に予定通りご集合が完了したことからまずは海水域での探鳥のため千葉県に向かいました。移動中のバス車内ではわずかな時間ながらこの日海水域で見られる可能性が高いシギチドリ類の解説、また全体的なシギチドリ類の見方についてのコツについて話しながら進め、到着後は長靴に履き替えるなど準備をしていただいてから干潟に向かいました。この日はタイミングが悪かったのか全体的な数は少なかったですが走り回るソリハシシギ、餌を探すメダイチドリ、やや距離をあったもののハマシギ、ミユビシギ、そしてなぜかうずくまるように座っているダイゼンが見られました。干潟状になった場所にはウミネコが群れ、その中にはセグロカモメの姿もありました。また当地の主役になりつつあるミヤコドリはこの日もかなりの数が見られ、鮮やかな姿は干潟に映えていました。そしてこの日は淡水域のシギチドリ類観察にかなり時間がかかるといった読みから、予定よりも30分ほど早く現地を出発しました。途中、サービスエリアで休憩をとり、その後は午後の観察場所まで移動してから一旦、各自昼食の時間としました。昼食後は光線の状況を考慮して、まずはメインとなるポイントではなく、その外周になるいくつかのポイントをめぐってみました。とあるハス田ではシギチドリ類が集中しているようで10羽ほどのタカブシギに1羽のコアオアシシギが混じり、下見時には見られなかった2羽のオオハシシギの姿もありました。その後は今回のメインポイントに向かい、ここでは水田の中の農道を歩きながら探鳥しました。最初のハス田ではコチドリ、トウネン、オジロトウネンが佇み、さらには1羽のウズラシギがノコノコ歩きながら現れました。さらに進むと2羽のキリアイが佇み、間近にその姿を楽しむことができました。この周辺にはシギチドリ類がいる可能性が高いハス田が点在していることから、さらに別の場所をのぞいてみると小型シギ類が集まっている場所があり、まずは数多くのトウネンの姿を見ることができました。しばらく観察しているとコチドリも見つかり、さらには1羽のヨーロッパトウネンの姿もあり、なかなか難解な識別ポイントを確認しながらしばらく観察しました。その後はさらに歩きながらコチドリ、トウネン、ウズラシギなどを観察しながら別ルートから戻ると、幸いなことに2羽で佇むツルシギに出会うことができ、さらに進むとトウネンの群れに混じるヒバリシギも見ることができました。この時点でかなり時間を使ってしまいましたが、残り時間を使って数個所めぐることができ、ここまで見ていなかったクサシギ、そして最後はアオアシシギの姿を見て、飛び交うショウドウツバメを見ながらこの日の探鳥を終えました。

この日は日焼けが気になるような陽気の1日でした。海水域ではタイミングを逸してしまった感じがありましたが、淡水域では最盛期に当たったようで、定番のタカブシギ、クサシギ、タシギ、トウネン、コチドリなどを中心に、ツルシギ、アオアシシギ、コアオアシシギ、オオハシシギ、オジロトウネン、ウズラシギ、そしてキリアイ、ヒバリシギ、ヨーロッパトウネンといった小型種も豊富に見られました。秋のシギチドリ類観察は難しいですが、またの機会、またシギチドリ類観察にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ヨーロッパトウネン

 

ツルシギ 撮影:寺田祐治様

 

ウズラシギ

 

ミヤコドリ 撮影:寺田祐治様

 

コアオアシシギ

 

チュウヒ 撮影:寺田祐治様

 

タカブシギ

 

ショウドウツバメ 撮影:寺田祐治

 

ウズラシギ

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