【ツアー報告】津軽半島最北端の渡り 春の竜飛岬 2022年4月27日~29日

(写真:ハイタカ 撮影:箕輪篤子様)

春の渡り期の定番ツアーとして長らく企画してきた竜飛岬でしたが、宿泊する宿の問題などがあってしばらく停滞していましたが、今回からは新たに青森市内のホテルに宿泊することによりシングル部屋利用ツアー、さらにバス席お一人様2席利用ツアーとしてリニューアルし、さらには新幹線であれば新青森駅まで4時間ほどかかることから、新たに飛行機を使って青森まで往復することにし、たった1時間で移動できるよう変更しました。この時期の竜飛岬はあたかも渡り期の離島のような探鳥ができることが特長で、夏鳥、冬鳥はもちろん、猛禽類、カモ類、カイツブリ類、海鳥、そして渡り途中の珍鳥にも期待できます。そしてもちろん実際に対岸の北海道に向かって飛び立って行く鳥たちの渡り風景を見ることができます。ただし竜飛岬は風の岬とも呼ばれ、強風が吹き荒れることが知られています。今回は天気予報は概ね良好でしたが初日は驚くような強風となりました。

27日、早朝から雨模様の東京都内から羽田空港にくるとちょうど雨が上がり、外は見る見る晴れてきていました。予定通りご集合いただいた後はわずか1時間ながら空の旅となり、あっという間に青森空港に到着。ただ、いきなり強風の中での出発となったためこの日の探鳥地を変更しながら進めることにしました。移動中、バスから外を見ると大きく木々が揺れ、ひとまず竜飛岬からの探鳥は無理と判断。まずは風が避けられる場所に向かいました。ここは強い西風を避けられるため、まず繁殖中のウミネコ、オオセグロカモメを観察し、堤防上には狙っていた夏羽のヒメウの姿もありました。またウミウや夏羽のユリカモメ、イソヒヨドリなどを見てから漁港に移動しました。ここではうまく風を避けることができませんでしたが岩場にへばりついて風を避けるノゴマが愛想よく姿を見せてくれたほか、タヒバリ、イソヒヨドリも見られ、その後はひとまず竜飛岬の駐車場まで行ってはみましたがバスを降りることも難しい状況だったため、すぐに引き返して森の中での探鳥に切り替えました。森の中は風を避けることができ、メジロの群れが移動し、早くも渡ってきたセンダイムシクイがさえずっていました。芝生広場では群れているツグミに混じるクロツグミのオス、メスが見られたほか、畑ではアトリの小群、林では美しいオオルリのオスが2羽、そして最後はベニマシコを見ることができ、やや時間があったことから港に向かうと、途中の小さな漁港でコクガンに出会うことができました。周辺を見てみるとセイタカシギの群れやコチドリの姿もあり、強風の中ではありましたがうまく風を避けながら探鳥することができた1日となりました。

28日、この日は早朝から快晴の中、朝食後にホテルを出て竜飛岬を目指しました。出発時はまだやや風があったことから、一旦、森の中で探鳥してから竜飛岬に向かいました。岬に立つとこの日は穏やかな快晴。早速、数羽のノスリが北海道に向けて飛び、シジュウカラ、ヒガラ、メジロが引っ切り無しに渡っていきました。海上を見ると真っ黒い塊のようになってヒヨドリの群れが渡り、イスカ、シメ、マヒワといった冬鳥たちの渡りも見られ、驚いたことにどこから来たのか?どこに行くのか?北海道では稀なサシバが北海道方面から飛んできたのには驚きました。また北海道には生息していないアオゲラが「ピョー、ピョー」と鳴きながら岬付近をウロウロしていたのも印象的でした。時間がちょうどお昼になったことから駐車場内で昼食の時間をとり、その後はまだまだ雪が一部で残る山道を日本海側に下りて探鳥しました。芝生の広場にはイソヒヨドリのつがいの姿があったほか、海岸ではウミネコが水浴びをしていました。公園まで歩くとツグミが群れ、ジョウビタキのメス、ノビタキのメスの姿もあり、ホオジロ、カワラヒワが飛び回ってはいましたが、これといった珍鳥には出会えず、海上に目を移すと夏羽に換羽したオオハムが3羽浮いていました。その後はさらに南下してミサゴやスズガモ、芝生に群れるツグミのほか、繁殖中のミサゴをバス車内から観察し、十三湖では夏羽が美しいカンムリカイツブリや群れるヨシガモ、つがいでスイスイと泳ぐミコアイサなどを見てから、最後は幼鳥を含む3羽のオジロワシを観察してこの日の探鳥を終了しました。

29日、この日は早朝に出発して竜飛岬を目指しました。天気予報は曇りとのことでしたが空は次第に明るくなってきていて風も全くありませんでした。途中、朝食の買い物を済ませていると空はどんどん青空に変わり、林からはアオジのさえずりが聞こえていました。途中、休憩した後は一気に竜飛岬まで行き、早速、探鳥を開始しました。猛禽類の姿が少なかったものの、相変わらずシジュウカラ、ヒガラ、メジロの渡りは活発で、この日は前日に増してヒヨドリの動きが良く、数十羽単位の群れが次々に我々をかすめるように海に飛び立って行きました。さらにこの日はフワフワとした独特の羽ばたきのカケスが何度か飛び、アオゲラ、アカゲラがそれぞれ木に止まってその姿を楽しませてくれたほか、コムクドリの小群が飛び回り、ニュウナイスズメのオスが枯れ木に止まってじっくりとその姿を楽しませてくれました。猛禽類はノスリが数羽飛んだのみで少なかったですが、オオタカの成鳥がハシブトガラスに追われて飛び、ミサゴを真上から見ることもでき、意外なことに海の上を飛ぶアオサギの姿を見ることもできました。順調に観察ができたことからその後はグランドまで戻ってみましたが、ツグミの群れは既に渡ってしまったようで全く見られず、ただ、アオゲラのつがいと思われる2羽が追いかけっこをするように飛び、最後は針葉樹にじっと止まっている姿を見ることができました。そして最後は公園にも立ち寄り、繁殖行動中のウミネコ、オオセグロカモメ、堤防上に並ぶヒメウ、ウミウを見てから青森空港に向かいました。

風の岬と呼ばれる津軽半島最北端の竜飛岬。風の強さや向きによっては探鳥地を変えながら進行しなくてはならないため、なかなか運行が難しく、今回も初日は立っているのも難しい状況になってしまいました。ただ以降は穏やかになり無事探鳥ができて幸いでした。岬ではノスリ、ミサゴ、オオタカ、ツミ、サシバ、そして竜飛岬では出会いの頻度が高いハイタカをじっくり見ることができ、シジュウカラ、ヒガラ、メジロ、マヒワ、シメ、イスカ、コムクドリ、ニュウナイスズメ、ヒヨドリ、カケスといった小鳥類の渡りに加え、アカゲラ、アオゲラ、アオサギとの出会いもありました。海鳥観察ツアーでは海上を渡る小鳥類を見ることはありますが、実際に渡る様子を見る機会は稀なため貴重なシーンを見ることができました。また海辺では夏羽のヒメウやオオハム、カンムリカイツブリ、そしてコクガンにも出会い、さまざまな種の野鳥たちに出会えたのも成果でした。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ニュウナイスズメ 撮影:箕輪篤子様

 

ノゴマ 撮影:箕輪篤子様

 

ツミ 撮影:箕輪篤子様

 

ヒメウ 撮影:箕輪篤子様

 

ヒヨドリ 撮影:箕輪篤子様

関連記事

ページ上部へ戻る