【ツアー報告】東シナ海第四の秘島 春の粟国島 2022年3月25日~28日

(写真:オオチドリ 撮影:竹村章様)

25日、11:50那覇空港を出発。クロツラヘラサギ8羽、セイタカシギ約30羽、コサギ、アオサギ、ハシビロガモなどを観察、撮影する。12:45 公園で海を見ながらお昼を食べてから北上。13:50に耕作地へ行くと、タカブシギ約50羽が田芋畑で餌を啄んでいる。いつも思うのだが、シギの仲間は「本当に同じ種なのかな?」と思うほど大きさの違うやつがいる。多分、大きいのが雄なんだろう。みなさんでじっくりと観察、撮影する。ハクセキレイもかなりの数がいて、何か珍しい亜種がいないか11羽確認する楽しみがある。亜種タイワンハクセキレイらしい個体がいるが若鳥で断定できない。さらにコチドリ、クサシギ、イソシギなどを観察、撮影するが、この冬はシギ・チドリ類が殆ど見られなかったのである。17:30に観察終了。ホテルへチェックイン。

26日、早朝に雨の中、ホテルを出発。耕作地の農道をゆっくりと走るがイソヒヨドリ、スズメしかいない。海岸ではヒドリガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、オカヨシガモなどのカモ類、白色型のクロサギ、アオアシシギ、ミサゴなどを観察、撮影していると、近くにソリハシセイタカシギいるので慌ててみなさんで観察、撮影する。今年は全国で見られたそうだが、何度見てもいい鳥である。朝食を食べていると「波が高くて粟国島フェリーが欠航」と電話がくる。離島のツアーは渡れないというリスクが付き物だがショックを受ける。しかし、そこはホームの沖縄なので、急いで本日のプランを考えて、ホテルや夕食の手配を会社にお願いして、急遽、やんばるへ向かうとヤンバルクイナが遠くで鳴く。その後はノグチゲラのポイントへ行く。近くでヤンバルクイナが鳴いているので探しに行くと、ノグチゲラのペアが求愛の追いかけっこをしているので慌てて皆さんで観察、撮影する。この時期、やんばる3点セットの中で最も出会うのが難しいノグチゲラをゲット。さらに、同じ場所で、ホントウアカヒゲの雄が囀る姿を皆さんでじっくりと観察、撮影する。昼食後、小雨の中をヤンバルクイナのポイントをゆっくりと回る。カタツムリやミミズを食べるので雨の日は出会う確率が高いのである。すると、なんてことだ。雨の中で水浴びをするヤンバルクイナを発見。皆さんで観察、撮影する。なんと、やんばるに到着してたった3時間でやんばる3点セットをコンプリートするという奇跡的な事が起ったのである。その後はシロガシラなどを皆さんでじっくりと観察、撮影して17:30にホテルへチェクイン。

27日、早朝、かなり激しい雨の中を出発。耕作地を車でゆっくりと走る。ミフウズラを探すが出会えずに朝食。さらにミフウズラを探すが時間切れとなり、那覇へ向かう。港で乗船手続後に出港。「ニューフェリーあぐに」は粟国村が運航している全長65m、451トン、定員270名の立派なフェリーなのだ。粟国島は那覇市の北西約60kmに位置し、面積約7.6k㎡、周囲12.8km、産業は主に農業と漁業だが、近年では製塩業も有名である。周囲に島がないことから渡り鳥が立ち寄る離島として一部のバーダーの間では昔から有名で勝手に「沖縄の舳倉島」と呼んでいる。粟国島まで約2時間。どうも南の島の海というとカツオドリやネッタイチョウがばんばん飛ぶというイメージを持っている人が多いが、まったくそんなことはなく、大荒れの海を2時間頑張ったがオオミズナギドリ1羽を見て粟国島に着岸。急いで広場に行くとハクセキレイの群れが降りてて、亜種のホオジロハクセキレイ、タイワンハクセキレイ、シベリアハクセキレイが混じっているので、皆さんでじっくりと観察、撮影する。昼食後はムクドリとコムクドリ50羽位の群れを見付け、さらに何か混じっていないかを確認していると飛ばれてしまう。その後、耕作地の農道を車でゆっくりと走る。刈り取ったサトウキビ畑でヤツガシラを発見。ヤツガシラは個体によって警戒心が物凄く強いヤツと全く平気なヤツがいるので、まずは車内から観察する。全員が見たところで車のドアを開けてみるが、あまり警戒しない個体のようなので、皆さんでじっくりと観察、撮影する。毎年、春の離島ではヤツガシラに会うのが楽しみなのだ。さらに農道を走るとアオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギが50羽以上休んでいる。ツバメが何百羽と飛びまわりジョウビタキがあちこちにいる。サシバもあちこちの電柱にとまり、ハヤブサ、チョウゲンボウもいる。さらに農道を走るとツバメチドリの綺麗な夏羽を発見。ツバメチドリも春の渡りの常連であり、皆さんでじっくりと観察、撮影する。耕作地でムネアカタヒバリの夏羽を観察、撮影しているとツバメチドリがすぐ近くに降りて餌を捕獲する。17:30 勝手に“珍鳥街道”と呼んでいる過去にいい思いをたくさんした道を歩く。ジョウビタキとルリビタキがたくさんいてドキドキする。オオルリの雄がとまり観察、撮影して本日は終了。18:10 ホテルにチェックイン。小さな離島には珍しくプチホテルがあり、全員個室でウォッシュレット完備というのが素晴らしい。

28日、早朝にホテル周辺を歩く。風が強くて寒い。ツバメが飛んでいるが数が減った感じがする。貯水池にホオジロハクセキレイがいるが直ぐに飛んでしまう。ムクドリ、コムクドリ40羽程の群れにカラムクドリが1羽入っていたが、全員で見る前に飛んでしまう。近年定着したインドハッカが変な声で鳴いている。電線に怪しいムクドリ1羽がとまっていて、結果はコムクドリの雌だったがかなりドキドキする個体だったのだ。こういうのがあるから渡りの島は楽しいのである。朝食後に広場へ行くと、昨日よりも多くのハクセキレイの群れが降りてて、ハクセキレイ、ホオジロハクセキレイ、タイワンハクセキレイ、シベリアハクセキレイの4亜種が混じっているので、皆さんでじっくりと観察、撮影する。“珍鳥街道”を歩くとジョウビタキとルリビタキがたくさんいて、個人的にはルリビタキの雄を見るのは15年ぶりで嬉しいのだがお客様たちの反応は少ない。耕作地へ行くと、ムネアカタヒバリが道路脇を歩いている。ススキ原にシマキンパラ、ノビタキがとまっているがなかなかすっきりと見られない。さらに農道を走ると、綺麗な夏羽のオオチドリ2羽を発見。皆さんでじっくりと堪能する。そして、港へ向かう途中でムクドリ、コムクドリ50羽程の群れにギンムクドリ3羽が入ってて、皆さんで観察、撮影する。その後フェリー乗り場へ行き出港。何もいない海上を頑張って見張ったがトビウオを確認しただけで着岸。その後は那覇空港へ到着したのである。渡り鳥の中継地・粟国島。みなさま、お疲れ様でした。

宮島仁

ヤンバルクイナ 撮影:宅間保隆様

 

オオチドリ 撮影:中村裕一様

 

ヤツガシラ 撮影:竹村章様

 

ホントウアカヒゲ 撮影:宅間保隆様

 

ヤツガシラ 撮影:中村裕一様

 

ムネアカタヒバリ 撮影:竹村章様

 

ギンムクドリ 撮影:宅間保隆様

 

ツバメチドリ 撮影:中村裕一様

 

ツバメチドリ 撮影:竹村章様

 

ソリハシセイタカシギ 撮影:宅間保隆様

 

オオルリ 撮影:中村裕一様

 

オオミズナギドリ 撮影:竹村章様

 

ホオジロハクセキレイ 撮影:宅間保隆様

 

サシバ 撮影:中村裕一様

関連記事

ページ上部へ戻る