【ツアー報告】固有種と渡りの鳥たち 春の奄美大島 2016年4月7日~9日

(写真:ルリカケス 撮影:須崎明男様)

すでに南西諸島の春の渡りがはじまり、奄美大島でも渡りの鳥たちに出会える可能性が高い季節になりました。そしてもちろん、奄美大島には魅力的な固有種が生息していて、それらを観察することも島での探鳥の目的でもあります。この2つの目標を持った春恒例のツアーの始まりです。

 7日、奄美大島空港到着後は現地ガイドの高美喜男さん、大阪からのお客様、現地合流のお客様と合流し探鳥に出かけることにしました。予定ではこの日は空港近くの海岸と漁港での探鳥を予定していましたが、翌日の天気予報が悪く、雨の中で樹林内を歩き回る探鳥は避けたいと考え、この日は予定を変更してこのツアーで最も見ることが難しい、というか毎回観察に苦労しているアカヒゲ観察の時間に充てることにしました。到着時は美しい海が見え、空も青く、明日の悪天候が信じられないほどでした。到着すると早速、現地ガイドの高さんがよくアカヒゲを見るという場所に向い、周辺を探していると突然、奄美大島の代表種であるルリカケスが我々の頭上にやってきて驚かされました。時間帯が午後だったことからアカヒゲのさえずりはそれほど聞かれませんでしたが、地上を這うように歩き回りながら採食する姿を数回見ることができ、合わせてルリカケスの姿も観察することができました。

 8日、まだ薄暗いうちにホテルを出てアカヒゲを探しに出かけました。一時、激しい雨が降ることもありましたが僅かな時間で上がり、そのせいかアカヒゲは連続してよくさえずっていました。基本的には声がする方向を探すというオーソドックスな方法でアカヒゲの姿を追いましたが、深く薄暗い樹林の中にいるため、その姿はなかなか見られません。また同じ場所でさえずることが少なく、一声歌っては移動という行動を繰り替えずことも観察を難しくしています。ただ、2時間ほどの観察の中で複数回望遠鏡に捉えることはでき、何度かその姿を見ていただくことができました。その後は朝食のため一旦ホテルに戻り、再出発しました。ただ、この頃は雨が激しく降っていて、そのため昨日行くことができなかった海岸に向いました。激しい雨の中でしたがツバメが飛び、ホウロクシギ、アオアシシギ、セイタカシギ、オバシギ、岩礁にはキョウジョシギ、メダイチドリ、シロチドリなどの姿があり、隣接する漁港ではコチドリ、イソシギ、そして十数羽の夏羽のムネアカタヒバリの姿をバス車内から観察しました。その後は昼食をとり、やや空が明るくなる中、数日前にムクドリ類の群れが見られた場所に立ち寄ることにしました。到着すると電線にコムクドリの群れが止り、芝生にはヤツガシラの姿がありました。また周辺の樹木には数羽のヒレンジャクの姿があり、渡り途中の鳥を満喫することができ、隣の芝生広場ではようやくギンムクドリの群れが見られたほか、ムネアカタヒバリ、亜種マミジロツメナガセキレイも見られ、かなり忙しい状況になりました。そして最後は公園を歩き、ルリカケス、アカハラ、シロハラの姿があったほか、ズアカアオバトの姿を見るのみでした。終ってみれば天気予報ほど悪天候にならない1日で助かりました。

 9日、早朝に出発してオオトラツグミを探しに出かけました。この日は雨上りのため濃霧が立ち込めていましたが、到着後は森の中からルリカケス、カラスバト、アカヒゲ、シジュウカラ、ヤマガラなどの声が聞こえ、林道を歩いていくとようやくオオトラツグミの「キョロン、キョロン」という声が聞かれました。姿を見ることは極めて難しい鳥ですが、この日は複数個体が歌い、比較的近い距離からその声を聞くことができました。朝食後はまたまた寄り道をしてルリカケスを観察し、最後は再び時間いっぱいアカヒゲを探すことにしました。ややモヤが立ち込める時間帯もありましたが、ようやくアカヒゲの全身を見ることができ、最後は樹林内で枝にじっと止まっているアカヒゲを望遠鏡で捉えることができ皆様にご覧いただくことができました。またルリカケス、オーストンオオアカゲラなどを観察されたお客様もいらっしゃいました。

もともと雨が多く、ツアー時期も雨に降られることが多いツアーですが、今回は事前の天気予報ほど天候が悪くはならず、アカヒゲ、ルリカケスを観察することができ、渡り途中と思われるヒレンジャク、ヤツガシラ、ギンムクドリ、ムネアカタヒバリ、ツメナガセキレイなどが花を添えてくれました。皆様お疲れさまでした。そして現地ガイドの高美喜男さん、ありがとうございました。

石田光史

(ムネアカタヒバリ 撮影:須崎明男様)

ムネアカタヒバリ 撮影:須崎明男様

 

(ヤツガシラ 撮影:須崎明男様)

ヤツガシラ 撮影:須崎明男様

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