【ツアー報告】大洗の海鳥と涸沼の猛禽類(追加設定) 2019年2月14日

(写真:シノリガモ 撮影:嶋徹様)

平成27年にラムサール条約登録湿地となった涸沼と海鳥たちが楽しめる大洗海岸をセットにした毎冬恒例の日帰りバスツアーです。この冬も涸沼にオオワシの渡来が確認されるなど、周辺の干拓地は猛禽類の宝庫であり、ほど近い場所にある大洗海岸もシノリガモやウミアイサが確認されています。ほかにもさまざまな環境を巡ることから数ある日帰りバスツアーの中でも観察種数が多く、過去には70種を超えたこともあります。今年もおかげさまで追加設定となり、前週に引き続いての出発となりました。前回のツアーは残念ながら終日雨の中でしたが、今回は穏やかな晴天予報の中での出発となりました。

14日、早朝から快晴の東京駅前を予定通り08:00に出発してこの日は茨城県を目指しました。いつものように移動中のバス車内では今日見られそうな鳥の解説をしつつ、途中、休憩に立ち寄ったサービスエリアで観察機材の準備をしてからまずは涸沼の西端の畑地にて探鳥を行いました。バスを降りると畑地内を飛び回るツグミ、ヒバリの群れが目立ち、今回もオオハクチョウの群れを間近に観察することができました。よく見るとその中に混じる数羽のコハクチョウの姿もあり、周囲にはノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウの姿もありました。その後は20羽ほどで飛び回るタゲリの群れを観察してから、涸沼のオオワシ観察ポイントに移動しました。やや風があるものの空は青空で条件はバッチリでした。湖面を眺めるとキンクロハジロやスズガモ、カルガモ、ホシハジロなどのカモ類やカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、そしてカモメ、ユリカモメが飛び回っていました。堤防上からひたすらオオワシの出現を待ちましたが、お昼になってもその姿はなく、仕方なくそのまま昼食の時間とし、引き続き堤防上からオオワシを待ちましたが、この日は結局その姿を見ることができませんでした。ただ当地ではシロハラやモズ、アオジ、そしてアオバトをご覧になったお客様もいらっしゃいました。その後は大洗海岸での探鳥を行いました。まずは岩礁海岸をめぐりながら岩場でシノリガモ、クロサギを観察しましたが、ふと海上を眺めるとカモメ類やウ類が乱舞していたため見てみると、驚くような数のウミスズメが潜水と浮上を繰り返していました。また別の場所では岩礁に止まるウミウとヒメウ、カルガモとヒドリガモの群れ、そして美しいヨシガモを間近に見ることができました。またこの日はカモメ類も多く、ウミネコ、カモメ、セグロカモメ、オオセグロカモメが群れていて、付近では潜水しながら餌を探すウミアイサのメスの姿もありました。その後は前回、ウミスズメが見られた漁港に行ってみると、この日も2羽のウミスズメが漁港内で見られ、潜水や浮上、そしてゆっくりと羽繕いをする様子が見られました。そして最後に立ち寄った漁港では珍しくクロガモの姿がったほか、ウミアイサのオスやハジロカイツブリ、せっせと餌を探すハマシギなどが見られ、夕方に合わせて涸沼の北部に行ってみました。毎年、チュウヒが多数見られるのですが、この冬はほとんど見られず、湖面に浮かぶキンクロハジロやスズガモ、ミコアイサやホオジロガモを見て探鳥を終了しました。

今回は天候には恵まれましたがこのツアーの目玉であるオオワシを見ることができず残念でした。ただ大洗海岸では海上に群れるウミスズメが見られたほか、漁港内でもウミスズメが見られ、岩礁海岸ではシノリガモ、アカエリカイツブリ、クロサギ、ヨシガモ、そして漁港内でウミアイサやクロガモ、ハジロカイツブリが見られましたが、例年に比べると全体的に鳥が少ない印象がありました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ヒメウ 撮影:松岡哲弘様

 

クロガモ 撮影:嶋徹様

 

クロサギ 撮影:松岡哲弘様

 

オオハクチョウ 撮影:嶋徹様

 

クロサギ 撮影:嶋徹様

 

アメリカヒドリ 撮影:嶋徹様

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