【ツアー報告】ミナミオナガミズナギドリに会いたい!大洗~苫小牧~八戸航路 2022年10月22日~25日

(写真:ハイイロウミツバメ 撮影:上野達雄様)

数年前は秋の大洗~苫小牧航路を往復乗船するだけで、それなりの確率で見られていたミナミオナガミズナギドリですが、どうもここ数年、その姿を見ることができなくなってしまい幻の海鳥と化してしまった感があります。そのため過去の観察データを洗い直し、この大洗~苫小牧航路に、さらに八戸~苫小牧航路を加え、観察の可能性が高い北寄りの海域を3度航行して集中的に探すといった新たな航路ツアーに作り直しました。加えた八戸~苫小牧航路は観察時間は短いものの、船が小さいため海鳥との距離感が近く、また単純に良い海域を航行することから、より密度の高い探鳥ができることが魅力です。ただこの時期は海況が悪いことが多く、企画はしたもののなかなか催行できず、結局運行できたのは半分ほどでした。ただ、今回に関してはひとまず海況不良はなかったものの、最終日の午後からは急激に波が高くなる予報が出ていました。

22日、この日はこれといったトラブルなく、22:30前に無事ご集合が完了したことから、検温データの回収、資料配布、トラベルイヤホン配布、翌日の連絡事項をお伝えし、その後は翌日の波予想や風向きの予想、最後に今回ぜひ出会いたいミナミオナガミズナギドリやハジロミズナギドリの識別ポイントなどをおさらいしてからまずは苫小牧港を目指して22:45に「さんふらわあ だいせつ」に乗船しました。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウエブサイトでは公開しておりません。

海鳥観察の定番となった大洗~苫小牧航路は長らく企画してきましたが、さらに船が小型の八戸~苫小牧航路は海鳥との距離感が近く、特に秋はミナミオナガミズナギドリに出会う確率が極めて高いことからこのツアーでは4航路を乗り継ぐ形にしています。今回は残念ながらミナミオナガミズナギドリの姿をしっかり見ることができませんでしたが、ハジロミズナギドリの乱舞やフルマカモメの群れ、そして今回はハイイロウミツバメをしっかりと観察する幸運がありました。ほかにもコアホウドリ、クロアシアホウドリ、トウゾクカモメ、またこの時期らしく海上を渡っているオオハクチョウやシジュウカラガン、そして今回は極めて稀ながらシマアオジが見られ、オオジュリン、ホオジロ、マヒワ、カワラヒワ、ウグイス、ヒバリなども見られ、命がけで海上を渡っていく鳥たちの姿を見ることもできました。海鳥観察の醍醐味はやはり究極の一期一会であると思います。今後も大洗~苫小牧航路をはじめ、八丈島航路、小笠原航路、知床や根室では漁船やクルーザーを使っての海鳥観察など企画してまいります。なお定期航路では瞬時の海鳥出現に対応するためトラベルイヤホンを使用してデッキ上で観察している全員で情報共有しながら効率的に探鳥できるよう配慮してまいります。この度はご参加いただきましてありがとうございました。特別に沖縄からご参加くださった宮島仁さんにも感謝申し上げます。

石田光史

ハジロミズナギドリ 撮影:上野達雄様

 

フルマカモメ 撮影:上野達雄様

 

ハイイロウミツバメ 撮影:上野達雄様

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