【ツアー報告】冬鳥満喫!じっくり散策 冬の真岡市井頭公園 2023年1月13日
(写真:トラツグミ 撮影:押田正雄様)
冬の小鳥類をまとめて観察することを目的とした毎冬恒例の日帰りバスツアー。前回からは終日井頭公園で観察する行程に変更して、よりじっくりとめぐることにしました。ここ数年の井頭公園は相変わらず小鳥類は安定して見られ、池に飛来するヨシガモの個体数が一気に増えたことで、そもそもよく見られていたミコアイサと共に人気のカモ類が増えました。小鳥類ではエナガが良く見られ、ヤマガラ、シジュウカラも多く、冬鳥としてやってくるジョウビタキ、ルリビタキ、トラツグミ、シロハラ、シメ、ビンズイは定番種で、過去にはトモエガモ、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、アリスイ、クイナ、ニシオジロビタキなども見られています。この日は真冬だというのに天気予報は晴れで暖かく、最高気温が15℃になるとのことでした。
13日、朝から晴天の東京駅前を予定通り09:00に出発して東北道を走りました。ただこの日はどういうわけか事故が多く、なかなかバスが前に進まない状況になってしまいました。途中からは北関東自動車道を走って現地に向かい、いつものようにバス車内ではこの日に見られる可能性がある種の中から、特に目立った種に関して識別ポイントなどの解説を行いました。途中、サービスエリアで休憩をとっても2時間ほどで現地に到着し、到着後は各自観察機材の準備を行っていただいてから公園内を歩きました。池が一望できる場所では純白に見えるミコアイサの姿が目立ち、しばらく観察していると2羽のオスと1羽のメスが戯れるような行動をし、オスは首を伸ばしたり冠羽を立てたりと求愛行動のような動きを見せてくれました。また一部が凍結していたことから氷の上に上がった個体を見るなど、いきなり良いシーンに出会うことができました。ほかにもヨシガモ、オカヨシガモの姿が目立ち、かなりの数のヨシガモを楽しむことができました。その後はマガモ、カルガモ、ヒドリガモなどを見ながら池の周囲を歩き、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、メジロの混群を観察しているとルリビタキのメス型もやってきて楽しませてくれました。さらに進むと今度はエナガの群れに出会うことができ、付近にはアオジ、ウグイスの姿もあり、ここでもまた別個体のルリビタキのメス型に出会うことができました。池のふちまでくるとコガモの姿が目立ち、その後は一旦各自昼食の時間としました。昼食中にもエナガ、ヤマガラ、ビンズイなどの姿があり、昼食後にはさらに公園の奥に向かって歩きました。すると松林の地面を歩きまわるビンズイの小群に出会い、付近では水道の水溜まりで水を飲むシジュウカラ、見上げると松の木にはキクイタダキ、エナガ、ヤマガラの姿もありました。さらに進むと薄暗い林の地面で餌を探すシロハラ、そしてトラツグミにも出会うことができ、トラツグミは足踏みをするような独特の動作を見せてくれました。ふと見ると地面には20羽ほどのシジュウカラが群れで餌を探し、その後はなぜかメス3羽で地面を歩きながら餌を探しているアオジを見ることもできました。その後は再び湖畔まで出るとジョウビタキのメスが現れて、珍しくじっとしていました。さらにはミソサザイがすばしこく動き回り、さらに進んだ湿地帯では再びシロハラの姿がありましたが、モズの襲撃にあってどこかに飛び去ってしまいました。そして薄暗いスギ林ではようやく青いルリビタキに出会うことができ、行動範囲が狭いせいか何回もその姿を見ることができました。駐車場に戻る途中では大きな魚を咥えたカワセミに出会うことができ、しばらく見ていると捕らえた魚を木に叩きつけて弱らせていましたが、なかなかうまくいかにようで食べるのにかなりの時間を使っていました。
春のような陽気の中での散策となったこの日は、いきなり池でよいシーンを見ることができ、特にミコアイサの求愛行動は見応えがありましたし、数多くのヨシガモ、オカヨシガモも見事でした。林では冬鳥がやや少なめでしたが、ジョウビタキ、ルリビタキ、ビンズイ、シメ、シロハラ、アオジ、定番のシジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラ、エナガ、コゲラ、カワセミ、そしてトラツグミの面白行動も見られました。たくさん歩いていただきお疲れさまでした。またご一緒できましたら幸いです。
石田光史