【ツアー報告】冬の信州でイスカに会いたい!(追加設定)2023年1月23日~24日

(写真:ルリビタキ 撮影:坂東俊輝様)

人気のある赤い鳥の中でも特徴的な嘴を持っているイスカは日本国内では冬鳥とされていますが夏季にも見ることがあり、少々謎がある鳥でもあります。また毎冬毎冬飛来するわけではないためなかなか出会いのチャンスがないのも事実で、出会うことはなかなか難しいのが現実です。イスカは特にマツの種子を好んで食べるため針葉樹の林を探すことが重要で、松かさをこじ開けやすいよう嘴が互い違いになっていることが最大の特徴です。この嘴を使ってマツなどの針葉樹の種子をついばんで食べるためこういった採食シーンが見られればとも思いツアーを企画しています。またツアーではここ数年、皆様からのリクエストが増えているシングル部屋を利用したプランにしています。今回は過去最高クラスの寒気が入り込むとのことで2日目の天候や気温、さらには帰りの高速道路の状況など、さまざまを気にしながらの出発となってしまいました。

23日、このツアーは遠方からのご参加が可能になるよう、集合時間を通常よりもやや遅めの東京駅前09:00にしています。この日は現地の天気予報は良かったものの東京は早朝からどんよりとしていて小雨が落ちてきていました。順調にご集合いただいたことから東京駅前を予定通りに出発して、ひとまず中央自動車道を走りました。バス車内ではいつものようにこのツアーで見られそうな鳥の解説やイスカの話などをしながら進め、途中、曇り空のサービスエリアで休憩し、その後は車窓から雲を被っている八ヶ岳を遠くに眺めながら進み、昼前には晴れ間が見えるサービスエリアに到着しました。このツアーでは当日の現地の気温、路面状況が今一つわからないことから現地到着直前のサービスエリアで時間を取り、ここで現地の状況を各自で判断していただき身支度などを整えていただいています。同時にちょうど時間がお昼ということで一緒に昼食の時間もとるようにしています。バスを降りると穏やかな陽気ながらやはり空気の冷たさを感じました。そのため着替えなどして装備を整えてから再度バスにて出発し探鳥ポイントに向かいました。まずは高速道路を降りポイントに向かいました。到着後はバスを降り全く積雪がない舗装道を歩き出しました。展望台からはまだまだ八ヶ岳を眺めることができ、さらに歩くと草地では4羽のホオジロが一列に並ぶかのように地上で餌を探していました。ヌルデの実にはこの日もジョウビタキのメスがやってきていて、ツグミは地面を歩きながら餌を探しているようでした。さらに進むとヒガラ、コガラ、コゲラ、エナガといった顔ぶれがやってきてカラマツの枝で動きまわり「キョッ、キョッ」と鳴きながらアカゲラが木を登っていました。さらに歩くと樹液が出ている木でヒガラ、コガラが樹液をすすり、この日は珍しくアオゲラが針葉樹の枝に止まっていました。さらに奥まで進むとここでイスカが「ピキッ、ピキッ」と鳴きながら飛んでいましたがやはり木に止まることはありませんでした。ただここでは数羽のミヤマホオジロの群れに出会うことができ、わずかながらその姿を見ることができたほか、付近にあったツルウメモドキの実にはツグミの群れがやってきていました。戻る途中では草の実についているベニマシコに出会うこともできましたが、この日もイスカ、オオマシコといった赤い鳥に出会うことはできず一旦トイレ休憩の時間としました。その後はまだ時間があったことからもみじ山周辺を歩いてみました。ここもその昔、イスカやオオマシコで有名になった場所です。ただこの日は残念ながら鳥の姿は極めて少なく、周辺の松林を丹念に見てみましたがイスカの気配はなく、コガラ、ヒガラに出会ったのみでこの日の探鳥を終えました。

24日、この日は前夜から天気予報を注視していましたが、ひとまず現地の雪は夕方からとのことで、東京は午後から晴れ。夜には一時雪になり積雪があるかもしれないとのことで出発時はどんよりとした空模様ながらもまだまだ雪は落ちてきていませんでした。ひとまず出発して現地を目指し、トイレ休憩後は昨日と同じルートを歩いてみることにしました。展望台からの眺めはまだまだ良かったですが、次第に雲がかかってくることは容易に想像できました。早速、林の中では数羽のアトリが飛び回り、一緒にカシラダカの姿も見られました。いつものヌルデにはこの時間はルリビタキのメスが姿を見せ、この日は昨日、イスカの気配があった場所まで歩くことにしました。ここではいつものようにコガラ、ヒガラ、エナガ、さらにはシジュウカラ、ヤマガラ、コゲラも姿を見せ、カラマツの木ではアカゲラがせっせと餌を探していました。しばらく見ているとどこからともなくシロハラの小群がやってきて木に止まり、さらに30羽はいようかというアトリの群れも飛んでいました。するとここでほとんど昨日と同様の場所で3羽のイスカが飛んできて松林に飛び込みました。全員で探しましたがなかなか見つからずといった感じでしたが何人かの方が望遠鏡で捉えてその姿を見ることはできましたが、全員で見ることができず残念でした。その後はしばらく待ってみましたがイスカの登場はなく一旦、トイレ休憩のため道を引き返しました。ただこの頃から周辺の山々は真白になりいよいよ風に乗るように雪が強まってきました。そんな中でもヌルデには今度は青いルリビタキがやってきてはいましたが、雪に追われるようにその後は山を下りることにしました。諏訪湖畔公園でひとまず昼食の時間をとった後は小雪が舞う中、諏訪湖畔で探鳥しました。ここでは名物になっているミコアイサが驚くような密度で見られ、付近には10羽ほどのメスを従えたホオジロガモのオスが見られ、盛んにディスプレイをしていました。ここではほかにもホシハジロ、キンクロハジロ、カワアイサ、カンムリカイツブリなども見られ、空がみるみる暗くなってくる中、大事を取って予定よりも1時間ほど早く帰路につきました。

この冬は冬鳥の渡来状況が比較的良いとのことで期待しての出発でした。結果的にはイスカに関してはわずかながら出会うことは叶いましたが、オオマシコは渡来していないようで残念ながら出会うことができませんでした。一方、今回もヒガラ、コガラ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、エナガが楽しませてくれ、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、ルリビタキ、ツグミ、シロハラ、アカゲラ、アオゲラ、雪のため2日目の午後は諏訪湖畔に移動し、ミコアイサやホオジロガモなどの水鳥も見ることができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。ぜひまたチャレンジしていただけましたら幸いです。

石田光史

ルリビタキ 撮影:佐久川望様

 

コガラ 撮影:坂東俊輝様

 

ミコアイサ 撮影:佐久川望様

 

コゲラ 撮影:坂東俊輝様

 

ホオジロガモ 撮影:佐久川望様

 

ヒガラ 撮影:坂東俊輝様

 

コガラ 撮影:佐久川望様

 

ミコアイサ 撮影:坂東俊輝様

 

カワアイサ 撮影:佐久川望様

関連記事

ページ上部へ戻る