【ツアー報告】沖縄やんばるの固有種たち 2023年5月14日~17日

(写真:ノグチゲラ 撮影:刈田宏様)

14日、午後、那覇空港を出発。今年の沖縄はまだ梅雨入りしていないが、むわっとする南国特有の湿度の中を一気に北上してやんばるへ向かう。ノグチゲラのポイントで暫く待つと、直ぐにノグチゲラの雄がやってきてデイゴの花にとまって蜜を吸う。今年はデイゴの開花が早かったので花も殆ど散ってしまった。デイゴの開花が年によって23週間程のズレがあるので、ツアーの日程と外れるとまったく見られないのだ。それでも、ノグチゲラの雌3羽、雄1羽が次々とやってきてデイゴの真っ赤な花にとまって蜜を舐める姿をみなさんでじっくりと観察、撮影する。リュウキュウイノシシのうり坊2頭が駐車場を走って行く。林道をゆっくりと走ると、ヤンバルクイナが道路脇で餌を啄むが直ぐに隠れてしまう。それでも全員でヤンバルクイナを観察する。林内からリュウキュウアカショウビンやリュウキュウサンコウチョウの声がする。体色の濃いリュウキュウハジバトやリュウキュウヒヨドリ、体が一回り小さなリュウキュウハシブトガラスなどの琉球列島の亜種を観察、撮影してやんばるの森の中のホテルに到着。19:00夕食、ノグチゲラの話題で盛り上がったのである。

15日、一晩中、ホテルの周りでヤンバルクイナが鳴いていた。早朝に出発。ヤンバルクイナのポイントをゆっくりと走ると、ヤンバルクイナのペアがのんびりと餌を啄む。さらに別の場所でヤンバルクイナのペアと親鳥と殆ど同じ大きさのヒナが採餌をする。そんなシーンをみなさんでじっくりと観察、撮影する。ヤンバルクイナを観察しているとホントウアカヒゲも畑の端に出て来て盛り上がる。一旦ホテルに戻り朝食。再度出発して、再びヤンバルクイナのポイントで待つ。するとヤンバルクイナの成鳥3羽、ヒナ1羽が出て来てのんびりと餌を啄む姿や親鳥が餌を運ぶ姿などをたっぷりと堪能する。10:20やんばるの森の中の林道をゆっくりと走る。数ヶ所でホントウアカヒゲの雄を観察するが、動きが早くてなかなか全員で写真撮影といかない。それでも、何人かが綺麗なお写真を撮ることが出来て盛り上がる。ホントウアカヒゲは今年の秋に亜種から種となり奄美大島にいるアカヒゲとは別種になるのだ。林内からズアカアオバトの尺八の練習のような声がする。その後は昼食とお買い物。午後は昨日とは別のノグチゲラのポイントへ行く。晴れて汗ばむ天気となった。直ぐにノグチゲラの雄がやってきてデイゴの花にとまって蜜を吸う。さらに雌が次々にやってきて花にとまる。一年でほんのひと時だけ楽しめる、デイゴの真紅とノグチゲラの深紅の美しい光景なのだ。例年、デイゴの開花と梅雨入りが同じ頃で雨との戦いとなるが、今年は晴れてて素晴らしい光景をみなさんでじっくりと観察、撮影する。その後も、雄雌が入れ替わりに次々と花にやってきてみなさんでたっぷりとノグチゲラを堪能する。「花が邪魔だなぁ~」などという贅沢な笑い声が飛び交う。イシガケチョウやアオタテハモドキなどの蝶も飛び回り、近くでホントウアカヒゲやヤンバルクイナも鳴いている。やんばるの森をたっぷり堪能してからやんばるの森の中のホテルに到着。18:00夕食、ヤンバルクイナの話題で盛り上がったのである。

16日、晴れの気持ちのいい朝。早朝に出発してやんばるの林道をゆっくりと走る。所々にホントウアカヒゲの幼鳥が道路脇にいるが直ぐに飛んでしまい前の席の人しか見られない。ヤンバルクイナが走って行き、リュウキュウサンコウチョウが鳴きながら道路を渡る。一旦8ホテルに戻り朝食。朝食後はやんばるの林道を歩く。シロオビアゲハやベニモンアゲハが飛び回り、オキナワキノボリトカゲが隠れている。ホントウアカヒゲの成鳥や幼鳥が道路脇で採餌をしててじっくりと観察、撮影する。さらに、愛想のいい雄が囀っていてホントウアカヒゲをたっぷりと堪能する。雨さえ降らなければ、この時期がやんばる3点セットの観察、撮影にはベストシーズンなのだが、毎年雨なのだ。林道に2m程のアカマタがいてみなさんで恐々撮影大会となる。イジュの花の甘い香りが漂い、サクラランがまん丸の可愛い花を咲かせている。いかにも南国的なメタリックのリュウキュウハグロトンボでも撮影大会となり、今回のお客様は鳥だけでなくいろいろな生物に興味があるので、やんばるの森をたっぷりと堪能する。やんばるの森を下っている途中、リュウキュウアカショウビンが路上の木にとまっていて数人が確認する。昼食後はシロガシラ、タカブシギ、キアシシギ、コチドリ、サギ類などをみなさんで観察、撮影する。その後は再びやんばるの森を歩く。ヤンバルクイナが林道を歩き、リュウキュウアカショウビンが近くで囀る。夕方にはホテルに戻り周辺を歩く。ノボタンやゲットウが可憐な花を付け、リュウキュウサンショウクイやアマミヤマガラの巣立ちビナが親鳥の後を付いていく。夕食後は夜間観察に出発。デイゴの木に集まって花を食べる、翼を広げると7080cmもあるオリイオオコウモリ数頭をみなさんでじっくりと観察、撮影する。さらに、樹上で寝ているヤンバルクイナを発見するが、数人が見ただけで木から降りてしまった。さらに、リュウキュウコノハズクの声を聞きながら夜のやんばるの森をゆっくり走りホテルに戻ったのである。

17日、早朝に出発しヤンバルクイナのポイントをゆっくりと走る。ヤンバルクイナのペアやヒナ2羽を連れてる親鳥、さらに別のペアともう1羽などがのんびりと採餌をするシーンを見放題撮り放題なのだ。ヤンバルクイナをたっぷりと堪能してからホテルに戻り朝食。再度出発して農道をゆっくり走り、シマキンパラ、シロハラクイナなどを観察、撮影していると、亜種アカモズを発見。沖縄には亜種シマアカモズはたくさん渡って来るが、亜種アカモズは珍しいのだ。さらに、水浴びをするシロガシラやシマキンパラをみなさんでじっくりと観察、撮影して移動する。本日は時間がないのでお昼はお弁当を食べながらの移動。午後はアオアシシギ、ウズラシギ、真っ赤なトウネン、キアシシギなどのシギ・チドリ類、白色型のクロサギなどを観察、撮影する。岩礁に作られたクロサギの巣の中にいる白色型の雌にヒナが2羽(白色型1羽、黒色型1羽)を観察、撮影。さらに、周辺の耕作地で飛んでいるツバメチドリ、またクロツラヘラサギが近くで採餌をする姿をみなさんでじっくりと観察、撮影する。最後は寝ているヘラサギやクロツラヘラサギ、アオアシシギ、アカアシシギなどを観察、撮影して、急いで那覇空港へと向かったのである。この時期限定のデイゴの花にとまるノグチゲラの美しい景色とヤンバルクイナ、ホントウアカヒゲをたっぷりと楽しんだ3日間でした。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

ヤンバルクイナ 撮影:刈田宏様

 

ホントウアカヒゲ 撮影:刈田宏様

 

シロガシラ 撮影:刈田宏様

 

クロツラヘラサギ 撮影:刈田宏様

 

ヘラサギ 撮影:刈田宏様

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