【ツアー報告】ミナミオナガミズナギドリに会いたい!大洗~苫小牧~八戸航路 2023年10月28日~31日
(写真:ハジロミズナギドリ 撮影:佐久間昭宏様)
数年前は秋の大洗~苫小牧航路を往復乗船するだけで、それなりの確率で見られていたミナミオナガミズナギドリですが、どうもここ数年、その姿を見ることができなくなってしまい幻の海鳥と化してしまった感があります。そのため過去の観察データを洗い直し、この大洗~苫小牧航路に、さらに八戸~苫小牧航路を加え、観察の可能性が高い北寄りの海域を3度航行して集中的に探すといった新たな航路ツアーに作り直しました。加えた八戸~苫小牧航路は観察時間は短いものの、船が小さいため海鳥との距離感が近く、また単純に良い海域を航行することから、より密度の高い探鳥ができることが魅力です。この時期はなかなか天候、海況が安定しないのですが、今回は日曜日の天候、海況が悪いとの予報の中での出発となりました。
28日、ここ数日は秋とは思えない暖かさが続いていましたが、ここにきてようやく朝夕は冷え込むようになってきました。この日も夕方からは肌寒く感じる中、22:30前に無事ご集合が完了したことから、資料配布、トラベルイヤホン配布、翌日の連絡事項をお伝えし、その後は翌日の波予想や風向きの予想、最後に今回ぜひ出会いたいミナミオナガミズナギドリやハジロミズナギドリの識別ポイントなどをおさらいしてからまずは苫小牧港を目指して22:45に「さんふらわあ だいせつ」に乗船しました。
*諸般に事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
海鳥観察の定番となった大洗~苫小牧航路は長らく企画してきましたが、さらに船が小型の八戸~苫小牧航路は海鳥との距離感が近く、特に秋はミナミオナガミズナギドリに出会う確率が極めて高いことから4航路を乗り継ぐ形にしてみました。今回は大きな目的だったミナミオナガミズナギドリに出会うことができず残念ではありましたが、現在はそれほど簡単に出会うことができないようです。ぜひまたチャレンジしていただけましたら幸いです。一方、今回は複数のアホウドリに出会えたほか、フルマカモメの個体数が多く、白色型フルマカモメとの出会いは印象的でした。また秋の定番となっているハジロミズナギドリはたっぷり見られ、コアホウドリ、クロアシアホウドリ、アカアシミズナギドリ、トウゾクカモメ、クロトウゾクカモメ、さらには海上を必死に渡る、カワラヒワやオオジュリン、ヒガラ、シジュウカラといった小鳥たちも盛り上げてくれました。海鳥観察の醍醐味はやはり究極の一期一会であると思います。今後も大洗~苫小牧航路をはじめ、さまざまな航路で海鳥観察ツアーを企画していくとともに、瞬時の海鳥出現に対応可能なトラベルイヤホンを使用して全員で情報共有しながら効率的に探鳥できるよう配慮してまいります。この度はご参加いただきましてありがとうございました。特別に沖縄からご参加くださった宮島仁さんにも感謝申し上げます。
石田光史