【ツアー報告】アホウドリに会いたい!東京~八丈島航路 2016年4月23日~24日

(写真:アホウドリ)

 3月下旬から始まった「アホウドリ月間」も早くも後半戦。今季はおかげさまで東京~八丈島航路は3度ツアーを催行することができ、今回はその3回目となりました。春の伊豆諸島航路は海況が悪いことが多く、そのため欠航になることもあり心配していましたが、今回は荒天の直後に当たることができ、天気予報は芳しくないものの波は穏やかとの予想でした。

 23日、21:30に予定通りご集合いただき、ツアーの説明や海鳥の解説、そして重要な海域についての解説を行い、予定通り22:10乗船、22:30出航となりました。

 24日、海況が良かったせいか予定よりも20分ほど早い04:50に三宅島に到着しました。ただなぜかこの日は錆が浜港ではなく東側にある三池港に着岸しました。今日の日の出は05:10でしたが曇り空から小雨が落ちている状況だったため三宅島出航後も薄暗く、準備は整っていたものの、薄暗い海上を飛ぶオオミズナギドリを見ながら過ごしました。御蔵島には05:50に着岸して06:00に出航。直後の06:05に早くもクロアシアホウドリが飛び、それ以降はベタ凪ぎの海面に浮くオオミズナギドリの群れがいくつも見られ、その中に混じるハシボソミズナギドリの姿も観察できました。やや視界が明るくなった06:25には再びクロアシアホウドリが飛び、06:40には3時方向に現れたアホウドリ亜成鳥がどんどん近づいてきて、船体脇を沿うように飛翔して船首に消えるなかなか良いシーンを見ることができました。ただ06:45からは海上にモヤがかかり一時、視界不良ぎみになってしました。モヤの中を飛翔するオオミズナギドリを観察しながら進むと、ようやく07:35頃から視界が良くなり、そんな中をいきなりキビタキが飛んでいました。どうやら船体のどこかで休んでいたようです。こういった小鳥を海上で観察して渡りを実感できることも海鳥観察の楽しみなのです。その後は時より現れるミナミハンドウイルカの群れを観察しながら予定よりもかなり早い08:35に八丈島に到着しました。到着後は一旦フェリーターミナル内で待機していただき、帰りのチケットを配布した後、再度乗船し09:40に出航しました。海況は相変わらずのベタ凪ぎで海面は鏡のようでした。そんな中、今度は10:15にクロツグミのメスが船体の周囲を飛び始め盛り上がりました。その後は再びオオミズナギドリの群れが連続して見られる中、11:15にクロアシアホウドリ、そして11:40には上面の白部分が目立つアホウドリ亜成鳥が現れ、しばらくの間、船体に並ぶように飛翔してくれましたが接近はしてくれませんでした。11:50には並ぶようにして2羽のカツオドリが飛翔し、11:55にはクロアシアホウドリを観察して12:30に御蔵島に着岸、12:45に出航しました。出航直後には飛翔するカンムリウミスズメが見られ、立て続けにカツオドリ、クロアシアホウドリ、そして風に流されるかのように10羽ほどのハシボソミズナギドリの群れを観察することができましたが、ここで突然強風が吹き始めて状況が変わってきました。三宅島には再び三池港に13:30に着岸し、13:40に出航。この日は離任される先生がいらっしゃったようで多くの子供たちが岸壁で手を振り続ける光景がありました。出航後は強風にため左舷に移動し、14:00頃からは波間を縫うように飛翔するオーストンウミツバメの姿が目立ってきました。14:10には右舷側をアホウドリ亜成鳥が風に飛ばされるように飛翔し、14:15には着水していたクロアシアホウドリが飛び立って間近を飛翔しました。14:20にはようやくアホウドリ成鳥が現れ、ダイナミックソアリングを見せましたが強風のせいか、船体に近づくことはなく飛び去って行きました。その後は再びオーストンウミツバメの群れが連続して見られ、16:05にはアカアシミズナギドリ、そして16:10に船体下からフワッと舞い上がった小型ミズナギドリ類が上下動しながら飛翔し始め、よく見ると驚いたことにマダラシロハラミズナギドリでした。私的にも国内での観察事例を3例ほどしか聞いたことがない極めて珍しいミズナギドリ類で大変驚きました。その後は乱舞するオオミズナギドリに混じるハシボソミズナギドリを比較的間近に観察する機会に複数回恵まれ、その特徴を観察しながら16:45に観察を終了しました。

今回は目的のアホウドリは観察機会が4度とやや少なめでしたが、往路で近い距離から1個体を観察することができ幸いでした。海鳥観察は回数から得られる慣れが重要ですのでまたの機会に別の航路探鳥にもご参加いただき、さまざまな海鳥を楽しんでいただければと思います。この度はお疲れさまでした。

石田光史

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