【ツアー報告】初夏の戸隠高原ハイキング 2019年5月14日~15日

(写真:クロツグミ 撮影:日下部英昭様)

私的なことではありますが、数多くある国内の探鳥地の中でも特に好きで長年通い、そのせいか特に得意にしているのが今回訪れる戸隠高原です。初夏と晩秋の頃は気候的な観点からもハイキングには最適で、以前は積雪が多い真冬にも通っていました。初夏の戸隠高原の特長といえばとにかく可愛らしい小鳥類が多く、また見やすいことでしょう。毎回、キビタキやコサメビタキ、サンショウクイ、アオジ、ノジコ、コルリ、また留鳥のコガラやエナガ、キバシリ、アカゲラ、オオアカゲラ、ゴジュウカラなどが存分に楽しませてくれます。珍鳥と呼ばれる種に出会う確率は極めて低いものの、美しい風景と野鳥、そして花々に囲まれる2日間はまさにバードウォッチングの醍醐味が凝縮されているといっても過言ではないでしょう。ただ、今回は残念ながら天気予報が芳しくない中での出発となってしまいました。

14日、最悪のことも考えていましたが、まだまだ薄雲り程度の東京駅を予定通り出発して長野駅を目指しました。途中、車窓から外を見ていましたが、意外や意外で空は明るくなり、上田駅周辺では青空も出てきたためなんとか夕方まで持ってくれないかと思ったほどでした。そして到着した長野駅も薄日が射していました。到着後は現地集合のお客様と合流してからバスにてまずは今回お世話になるホテルに向かいました。ホテル到着後はまずお部屋に入っていただいて各自昼食をとっていただいてから再度バスにて探鳥に出かけました。まずはホテル近くの湿地帯で一旦下車して見事な景観を作りだしているミズバショウの群落を観察しました。よく見ると黄色いリュウキンカの花やカタクリの花も見られ、ホオジロのつがいが地上採食し、上空をノスリが飛翔しました。その後は早速探鳥を開始。まだまだ雨は落ちておらずまずはサンショウクイのメスが1羽、珍しくじっとしていてくれました。するといきなりハシブトガラスに追われるようにオオタカが飛び、付近では口ごもったようなさえずりを披露するコサメビタキも見られました。川沿いまで来るとカラマツの上でモズが歌い、白樺林では繁殖行動中のニュウナイスズメが歌っていました。さらに行くと珍しくアオゲラが地上採食し、2羽のアカハラが歩いて餌を探していました。ただここで残念ながら雨が降り出したため屋根のある場所で雨具を着用するなど準備に取り掛かりました。しばらく歩くと数羽のコムクドリが地上採食していたためしばらく観察していると、どこからともなくアカゲラもやってきて一緒に地上採食をはじめてくれ雨の中ながら良いシーンを見ることができました。その後はさらに雨が激しくなってしまったため再び屋根のある場所から観察しましたが、意外にもコムクドリやアカゲラ、アカハラがしばらくの間楽しませてくれました。ただ15:00に合わせて移動することにしました。まずはトガクシショウマの花を楽しみ、池にはカイツブリの姿がありました。雨は落ちていましたが周辺の林ではサンショウクイのつがいやキビタキ、コガラが飛び回り、アカハラとカワラヒワが地上採食していました。木道ではクロツグミがさかんにさえずり、幸い高木ながらさえずっている姿を観察することができ、帰り間際には地上採食しているクロジのオスを見ることもできました。

15日、天気が心配でしたが早朝は予想以上の晴天で見る見る青空が見えだす中、05:00に出発して探鳥に向かいました。まずはせっせと巣穴を掘るコガラを観察しましたが、この日もとにかく森はクロツグミのさえずりで溢れていました。まずは早速、高木でさえずるクロツグミを望遠鏡でじっくりと観察し、さらに進んだ木道沿いではお馴染みのミソサザイが愛想良く歌ってくれました。また奥まで行くとさらにクロツグミが歌い、数回に渡ってさえずっている様子が見られたほか、枯れ木に営巣しているキバシリや飛び回るコサメビタキを見ることができました。一旦朝食のために戻った後は、再度出発して鏡池までのコースを歩きました。奥社側から入るとヤマガラ、シジュウカラが餌を求めてやってきていて、参道では軽やかに歌うキビタキを観察しました。また鏡池近くでは枝先を飛び回るサンショウクイ、そして珍しく巣立ったばかりのキバシリを観察することができ、キバシリは親鳥がせっせと餌を運んでいました。また周囲ではノジコの姿もようやく見られ、鏡池では見事な風景の中、オシドリのオスや飛び回るアマツバメが見られました。戻ってくる途中ではようやく枝に止まるコルリを観察しましたが時間が足りず、じっくりと言えない状況のまま一旦昼食のためホテルに戻りました。しっかり歩いて疲れましたが、毎回大好評の戸隠蕎麦をいただき、最後の数時間の探鳥でコルリを探すことにしました。ただこの日はなぜか声が少なく、キビタキやクロツグミ、アカハラなどを見ながら過ごしていると、ようやく最後に地面を歩き回るコルリの姿をわずかながら観察することができ、最後の最後には再び間近で歌い出したクロツグミをかなりの時間、じっくりと観察してツアーを締めくくりました。

さて、今回の春の戸隠高原は初日に雨に降られてしまい残念な部分がありましたが、雨の中でもサンショウクイやニュウナイスズメ、キビタキ、アカゲラ、コムクドリ、アカハラ、ミソサザイ、キバシリといった常連の鳥たちが楽しませてくれ、毎回観察に苦労するクロツグミが何度も何度もしっかり見られたことが印象的でした。一方、コルリやノジコが少なかったことはやや残念でした。ただ、花々や景観を含めたトータル的な素晴らしさに変わりはなく、やはり国内では最高レベルの探鳥地であることは変わりません。今年は秋にも企画しておりますのでまた違った印象の戸隠高原をお楽しみいただけましたら幸いです。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ミソサザイ 撮影:日下部英昭様

 

キバシリ 撮影:日下部英昭様

 

コムクドリのつがいとアカゲラ 撮影:日下部英昭様

 

コガラ 撮影:日下部英昭様

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