【ツアー報告】秋のシギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦 2024年10月6日

(写真:アメリカウズラシギ 撮影:早川弘美様)

1日という限られた時間の中で海水域と淡水域の両方をめぐりながら、それぞれの環境に生息するシギチドリ類を集中的な観察する秋定番の日帰りバスツアー。淡水域での探鳥では道幅が狭い県道を走らなくてはならないため、車幅が狭い小型のマイクロバスを利用した少人数でコンパクトなツアーとし、アクセスを良くして歩く距離もできる限り軽減しています。また海水域に関しては潮位を見て日程を決めています。そして淡水域での探鳥ではさまざまなトラブル事例があることから、それらを回避するための探鳥ルールについて説明してから現地に向かうようにしています。ただ秋はなかなか天候が安定せず、ここまでの2日間は激しい雨あり、真夏のような陽射しありとめまぐるしく変わる天候の中でしたが、この日は曇り予報ながら、ようやくいつもの秋のシギチドリツアーになったなといった感じの1日でした。

6日、この日は潮位の関係から集合時間はやや遅めの09:00。早朝から東京駅前はどんよりとしていましたが、幸いにも雨は降っておらず、空は明るくなってきている印象がありました。ほぼ予定通りご集合いただいたことから出発し、まずは海水域での探鳥のため千葉県に向かいました。移動中のバス車内ではわずかな時間ながら、秋の地味な色合いのシギチドリ類識別のポイントを説明しながら進むとともに、下見を含めたここ2日間の状況もお伝えしました。到着後は長靴に履き替えるなど準備をしていただいてからトイレに立ち寄り干潟に向かいましたが、この日は各支部の探鳥会があるようでかなりの人出で賑わっていました。干潟を見回してみると降りているシギ類がやや少ないかなといった感じでしたが、まずは目の前に群れているミユビシギから見てみました。すると15羽ほどのオグロシギがどこからともなく飛んできて干潟に降りたため、移動して観察しました。どの個体も羽繕いをしてのんびりしていて逃げる様子はありませんでした。するとシロチドリ、ソリハシシギが干潟に降り、ミヤコドリも次第に増えてきました。観察後は場所を変え、ハマシギ、オバシギ、そしてオオソリハシシギが採食する様子を観察し、最後はキアシシギ、メダイチドリもやってきてくれました。探鳥後は靴や三脚の泥を落としていただいてから再びバスに乗って茨城県に向かいました。この時間も相変わらず曇ってはいたものの雨の心配はなさそうで、途中で立ち寄ったサービスエリアで昼食の時間にしました。昼食後はところどころ青空が見える中、淡水域のシギ類を探しました。まずはタカブシギ、コアオアシシギ、トウネンが見られ、さらに歩くと、トウネン、コチドリの群れに混じる2羽のウズラシギが見られ、赤みが強い美しい姿をじっくり見ることができました。観察後に隣の水田を見るとアオアシシギが佇み、その前を歩く3羽のオオハシシギが見られ、よく見るとさらに2羽のアオアシシギの姿もありました。さらに進むと今度はやや水深がある水田に2羽のツルシギの姿があり、嘴の特徴など間近に見ることができました。その後は一旦道を戻ってさらに別の水田を見てみると、ここにもトウネンの姿が多く、草陰にはウズラシギの姿がありました。ただよく見ると、間近にもう1羽の中型のシギ類が採食していて、これがアメリカウズラシギでした。当地では9月下旬に見られていたものの、その後は見られていなかったことから諦めていましたがラッキーな出会いでした。観察しているとツルシギとエリマキシギも飛んできてくれ、周辺ではコアオアシシギ、そしてムナグロも飛び回っていて、観察を終えて移動する途中ではハヤブサが飛んでいました。一旦、トイレに立ち寄った後は場所を変え、ここでもトウネンの群れ、タカブシギが見られ、最後はここまで見られなかったオジロトウネンとトウネンを比較しながら観察してこの日の探鳥を終えました。

この日は雲り空が続きはしましたが、ようやく秋らしい陽気の中で過ごすことができた1日でした。相変わらずこの日もシギチドリ類のバリエーションは見事で、海水域ではハマシギ、ミユビシギ、ダイゼン、シロチドリ、メダイチドリ、ソリハシシギ、オオソリハシシギ、キアシシギ、オバシギ、ミヤコドリ、オグロシギなどが見られ、淡水域ではツルシギ、エリマキシギ、コアオアシシギ、アオアシシギ、タカブシギ、オオハシシギ、トウネン、オジロトウネン、ウズラシギ、アメリカウズラシギ、コチドリなど計24種のシギチドリ類に出会うことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。また現地でお会いした皆様にも感謝申し上げます。

石田光史

オグロシギ 撮影:早川弘美様

 

ツルシギ 撮影:早川弘美様

 

ソリハシシギ 撮影:早川弘美様

 

ウズラシギ(左)とエリマキシギ 撮影:早川弘美様

 

オジロトウネン 撮影:早川弘美様

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