【ツアー報告】東シナ海の秘島 平島 2025年4月25日~5月1日
25日、鹿児島空港に全員集合。ジャンボタクシーで鹿児島港南埠頭へ向かい「フェリーとしま2」に乗船。「フェリーとしま2」は1,953トン、全長93.4mのフィン・スタビライザを装着した立派なフェリーである。バーダーが何人も乗っていて中には知っている方々もいて島内での情報交換のご挨拶をする。
26日、早朝、甲板でバードウォッチングを開始、千羽を超えるのオオミズナギドリがずっと流れていく。カツオドリがフェリーに付いて来てみなさんで盛り上がる。2023年は諏訪之瀬島が噴火をして噴煙を上げていたが、今はおとなしくしているようだ。8:35に平島に到着。民宿へ向かう途中、ツバメ類がたくさん飛び、あちこちにビンズイ、キビタキがいるので鳥は入って来ているようだ。民宿に荷物を置き、民宿周辺を歩く。ビンズイ、キビタキ雄、キマユムシクイがあちこちにたくさんいる。ツバメが数百羽乱舞していて、イワツバメ、コシアカツバメ、アマツバメもかなりの数が混じっている。コイカル7羽がいてみなさんでじっくりと観察、撮影する。昼食後、キビタキ雌、オオルリ雌、マミチャジナイが入ってきたようであちこちで見るようになる。アオバトとズアカアオバトが鳴いているが、本土の種と琉球の種の両方いるのが吐噶喇列島の面白いところなのだ。クロウタドリの情報で駆けつけると既に道路に数人がいたので、近くの耕作地で待っているとこれがビンゴで、みなさんでじっくりと観察、撮影する。民宿の近くの電柱にとまっているコムクドリの群れにカラムクドリが入っていてみなさんで盛り上がって観察終了。本日の確認種は48種。夕方、週に3日だけオープンする「あかひげ温泉」へ行く。皆さんで温泉に浸かりながら地元の人と雑談するというのもなかなかないいものである。夕食に出た伊勢海老の刺身が美味い。
27日、晴れ、早朝から宿の周りを歩く。ビンズイがたくさんいて、サンショウクイとリュウキュウサンショウクイもいる。カラアカハラが出てきたが数人のお客様が見ただけで藪に入ってしまった。朝食後、集合時間まで各自が自由に観察、撮影。するとお客様が他のバーダーからミヤマビタキの情報を聞いて戻ってきてくれた。急いで、みなさんに連絡するが散らばっていてなかなか連絡が取れない。やっと全員に連絡が取れて駆けつけるが、既に飛んでしまって数人しか見られなかった。暫く待つが気配が無いので移動する。遠くでカンムリカッコウの声がする。キマユムシクイ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キクイタダキが入って来ててあちこちにいる。すると、再びミヤマヒタキの連絡が入り感謝しつつ急いで駆けつけて、全員でじっくりと観察、撮影する。シベリアアオジがかなりの数が入っているようでアオジも所々にいる。カラアカハラが数か所にいるようで全員で見られて盛り上がる。サシバが次々と入ってきて、島で高度を上げて渡っていく。こんな時期なのに、ざっと数えても100羽以上が渡っていったのである。昼食後、鳥が出て行ってるのかどんどん減っている感じがする。男女諸島から奄美諸島にいる種アカヒゲがあちこちで囀っているがなかなか姿が見られない。鳥は減ってきたが、キマユホオジロ、シロハラホオジロ、コホオアカ、シベリアアオジ、アトリなどが合計30羽程いる耕作地があってみなさんでじっくりと観察、撮影する。夕方、さらに鳥が減っていく。夜から雨の予報なので鳥たちもどんどん移動しているようなのだ。本日の確認種は47種。夕食は島でとれた貝と新鮮な魚の刺身が美味しい。
28日、夜から台風のような暴風雨で朝になっても雨は止まずに宿で待機。10:00に雨が上がったが風が強い中を歩く。あれだけいたビンズイ、キビタキ、オオルリがほとんどいなくなり、ムシクイ類やホオジロ類も僅かに残っているだけである。それでも、新しくノビタキ、アカショウビンが入ってきて、居残りのクロウタドリ、カラアカハラ、カラムクドリ、キマユホオジロ、シロハラホオジロ、コホオアカなどをみなさんでじっくりと観察、撮影する。愛想のいいアカヒゲがいて、なんとか全員で見ることができて盛り上がる。その後も鳥が減っていき、ぱっとしないまま、本日は終了。夕食は獲れたての鰆の刺身。脂がのってて美味い。
29日、晴れ、早朝に宿の周りを歩く。再び、ビンズイ、シベリアアオジが入ってきたようであちこちにいる。アカガシラサギの真っ赤な繁殖羽が風に飛ばされて飛んでいく。朝食後、ズグロチャキンチョウの情報があり待つが鳥が少なくシーンとしている。広場をサンコウチョウが鳴きながら飛んでいく。昼食後、シベリアムクドリの写真を撮られたお客様がいた。また、カンムリカッコウを見たお客様が数名いてみなさんで探す。しかし、竹林に入ったまま出てこないので諦めて牧場へ行く。牛が入り口にたくさんいて入れないため、入り口からセッカ、イソヒヨドリ、タカブシギ、ツメナガセキレイ、ハクセキレイ、亜種シマアカモズなどをみなさんで観察する。港でササゴイを観察。さらに綺麗な繁殖羽のアカガシラサギやセイタカシギを観察、撮影する。その後、再びカンムリカッコウを探すが、確認はできなかった。民宿の近くの電柱にとまるコムクドリの群れにシベリアムクドリが入っていてみなさんで盛り上がって観察終了。本日の確認種は56種と最も多い。夕食は諏訪之瀬島から届いた旬の筍が美味しい。
30日、晴れ、まだ暗い中、広場へ行く。ヨタカがとまっていて何とか確認できる暗さである。夜が明けてくると遠くでアカコッコが囀る。すると、お客様が「ハイイロオウチュウ」と言う。見ると照葉樹にハイイロオウチュウがとまっていてフライングキャッチをしている。最後のサプライズにみなさんで大盛り上がりとなる。さらに、民宿の近くの電柱にシベリアムクドリがとまっていてこちらも盛り上がる。朝食後 「フェリーとしま2」は鹿児島に向けて出港。オオミズナギドリ、カツオドリなどを見ながらの航海だが南の海は心が折れるほど鳥が少ない。海上を渡るコシアカツバメやサシバに感動して鹿児島港に接岸。鹿児島市内のホテルへ向かったのである。
1日、鹿児島空港へ到着あとは羽田空港へと飛び立ち、長い旅は終わったのである。
ミヤマビタキ、シベリアムクドリ、ハイイロオウチュウ、カンムリカッコウという大珍鳥の出現で、アカガシラサギ、カラアカハラ、クロウタドリ、カラムクドリ、キマユホオジロ、シロハラホオジロ、コホオアカなどが霞んでしまうという贅沢な平島でした。みなさま、お疲れ様でした。
宮島 仁