【ツアー報告】秋のシギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦 2025年10月3日

(写真:エリマキシギ 撮影:前野ふみ子様)
1日という限られた時間の中で海水域と淡水域の両方をめぐりながら、それぞれの環境に生息するシギチドリ類を集中的な観察する秋定番の日帰りバスツアー。淡水域での探鳥では道幅が狭い県道を走らなくてはならないため、車幅が狭い小型のマイクロバスを利用した少人数でコンパクトなツアーとし、アクセスを良くして歩く距離もできる限り軽減しています。また海水域に関しては潮位を見て日程を決めています。そして淡水域での探鳥ではさまざまなトラブル事例があることから、それらを回避するための探鳥ルールについて説明してから現地に向かうようにしています。ただ秋はなかなか天候が安定せず、晴れたり雨が降ったりと毎回毎回悩ましいのですが、この日は曇り予報で前日のような暑さはなく、過ごしやすい1日になるとの予報でした。
3日、この日は潮位の関係から集合時間は09:00。雨、そして初夏のような陽気と続きましたが、この日は曇りベースだったこともあり涼しい1日になるとの予報でした。この日は集合時間が遅めだったこともあり、早めにご集合が完了したことから順調に出発することができ、まずは海水域での探鳥のため千葉県に向かいました。移動中のバス車内ではわずかな時間ながら、秋の地味な色合いのシギチドリ類識別のポイントを説明しながら進むとともに、ここまでのツアーで見られた種について解説しました。到着後は長靴に履き替えるなど準備をしていただいてからトイレに立ち寄り、それから干潟に向かいました。この日は潮位がそれほど低くなかったためシギチドリ類は干潟上のやや奥に固まっていたことから、まずここから見てみることにしました。行く途中では2羽のトウネンの姿があり、まずは最小サイズのシギ類を観察することができました。さらに進むと砂浜にはシロチドリ、ソリハシシギの姿があり、水際まで行くとハマシギが群れていました。観察しているとミユビシギが混ざり始め、遠くからは4羽のオオソリハシシギが次第に接近してきていました。そちらに向かうとミヤコドリの多数見られ、最後はオオソリハシシギが間近を歩いて通過していきました。そして最後はトウネン、ミユビシギ、ハマシギの3種を同時に観察して干潟での探鳥を終え、茨城県に向かうため高速道路を走りました。そしてちょうどお昼になったことから、途中にあるサービスエリアでまずは各自昼食をとっていただき、昼食後は車内で午後から見られる可能性がある種やここまでのツアーで見られた種について、また淡水域でのシギチドリ観察のルールについて説明しながら進めました。現地に到着後は最初のポイントに向かい、ここではまずコチドリ、タカブシギが見られ、タシギの群れが飛び交っていました。さらに歩くとトウネン、ウズラシギが群れている水田があり、真っ赤なウズラシギの幼鳥が印象的でした。少々場所を変えると、ここではエリマキシギ、ツルシギ、オグロシギが群れていたことから、しばらく時間をかけて観察しました。観察中にはオジロトウネンが飛んできて加わり、周辺には数羽のトウネンも見られました。その後はトイレに立ち寄ってから次の場所に移動しました。ここにはセイタカシギが群れていて、この日はコアオアシシギも群れていて、そこに1羽のツルシギが混じっていて見ごたえある風景でした。観察中にはどこからともなくチョウゲンボウが舞い始め、さらには8羽のアオアシシギが飛んできて加わったことから群れが大きくなり、最後はさらに接近してツルシギを間近に観察してこの日の探鳥を終えました。
めまぐるしく天気が変わった3日間でしたが、この日は曇り空で涼しく探鳥日和でした。海水域では少々シギチドリ類の数が寂しかったですが、ミヤコドリ、オオソリハシシギ、ソリハシシギ、ハマシギ、ミユビシギ、トウネン、シロチドリなどが見られ、淡水域ではセイタカシギ、オグロシギ、アオアシシギ、コアオアシシギ、ツルシギ、エリマキシギ、ウズラシギ、トウネン、オジロトウネン、タカブシギ、タシギなど計22種のシギチドリ類に出会うことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史