【ツアー報告】晩秋の十勝平野 ハクガンの群れとナキウサギ 2025年10月12日~14日

そもそも日本では定期越冬していなかったハクガンですが、十数年前に数羽の群れが新潟県や秋田県で越冬するようになりました。数羽であっても当時は話題になり、実際にこの群れを見るために新潟県にてツアーを企画していました。その数羽の群れがその後、みるみる増え2019年にはついに1000羽を超えるまでに増えました。今回は大群になったハクガンたちの中継地として知られている十勝平野を訪れるとともに、可愛らしいナキウサギとの出会い、さらには北海道らしい小鳥類との出会いも楽しめる晩秋の北海道をめぐるツアーを企画しました。なるべくムダな移動時間をなくしてコンパクトなツアーにするため往復共にとかち帯広空港を利用し、宿泊もバイキングが楽しめる温泉宿に連泊することで2日目、3日目の行動予定をハクガン、ナキウサギの観察状況に応じて行動できるようになり、これによりハクガン、ナキウサギとの出会いの確率をより高くできるようにすることができました。またガン類は警戒心が強いため、バス車内からの観察、撮影も考慮して参加人数を減らし、バス席をお一人様2席利用にして観察機材置き場も確保しました。渡りの中継地での観察であることから、ハクガンたちが渡ってくるタイミングを計ることが重要になるわけですが、ここ数年はハクガンの渡来時期が早まっている印象があり、ツアー時期を決めるにもなかなか難しいのが現状です。

12日、この日の東京は早朝からどんよりとした曇り空で、八丈島をはじめとした伊豆諸島に大きな被害を与えた台風22号に引き続いて、台風23号が次第に伊豆諸島に接近している状況でした。やや混雑はしていたものの、予定通りご集合していただいた後は資料配布、連絡事項をお伝えしてから搭乗し、ひとまず十勝帯広空港に向かいました。この日は天気予報が当たったようで、到着したとかち帯広空港はやや強い雨が降っていました。空港到着後は、空港内にて観察機材の準備をしていただいてからバスにて出発し、まずはハクガンを探しに向かいました。移動中のバス車内ではガン類の渡りについて、また識別ポイント、注意点などについて話し、そうこうしている間にも車窓からはタンチョウの姿が見られました。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

今回は初日は天気予報通り、雨に打たれる状況の中での観察になってしまいましたが、その後は次第に天候が良くなっていく3日間で、最終日は見事な秋空の下での観察になりました。ハクガンの群れはおそらく4桁とはいかなかったものの圧巻の群翔を堪能することができ、アオハクガンにも出会うことができました。またシジュウカラガンの群れは圧倒されるほどで、鮮やかな緑色の草地に群れる姿も印象的でした。またタンチョウが数多く見られ、時間がかかったもののなんとかナキウサギにも出会うことができました。ほかにも北海道らしく、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、シマエナガ、ミヤマカケス、オジロワシにも出会え、ヤマゲラ、ヤマセミに出会う幸運もありました。北海道はとても魅力的な探鳥地のため、季節ごとにさまざまなツアーを企画しております。ぜひまた北海道にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

関連記事

ページ上部へ戻る