【ツアー報告】春の渡り鳥を求めて 新潟県・粟島 2025年4月26日~28日

(写真:カラアカハラ 撮影:森久美子様)

26日、村上駅に皆様ご集合した後、岩船港からとても穏やかな海況のなかをフェリーで粟島に向かいます。普段なら多数のオオミズナギドリが洋上を舞う様子が観察できるのですが、なかなかオオミズナギドリが現れません。それでもようやく少しずつ現れ始め、夏羽に変わったウトウがフェリーのすぐ前に現れる一幕もありました。粟島の粟島港に到着後、宿泊する宿で休憩、観察道具の準備を整えて、初日の本日は島内の渡り鳥がどのような様子か、先ずは農耕地を歩くとツグミとカシラダカ、アオジの姿が良く目立つもののこれといった鳥とは出逢えなかったので、島の北側の農耕地を歩くと、ホシムクドリやコムクドリのほか、粟島では珍しいタゲリが農耕地にいて、この時期らしく冠羽が長く伸び、顔が黒っぽくなっている個体でした。また畑地で見られるアトリの群れも頭の真っ黒な個体が多く、春の渡りの島を訪れたことを実感させてくれます。そして驚かされたのが港で観られたコブハクチョウ。島の人に尋ねると、1週間ほど前に現れたそうですが、当日はこの島の環境に慣れきったようで、港内を我が物顔で泳ぎ、岸のアオサを盛んに食べています。逸出個体の可能性が高いものの粟島という場所から考えて、これがもし野生個体の渡来であったらと考えると答えは出ず、なんともロマンを感じさせてくれる出逢いとなりました。

27日、本日は夏鳥が少し入って来たようで、鮮やかな青色が美しい雄のオオルリの姿を何回か見かけるようになり、エゾムシクイやサンショウクイも確認することが出来ましたが、昨日と比べるとツグミやアトリの数はだいぶ減ったので、鳥の数はだいぶ減っています。農耕地にカラアカハラが2羽入っているというので探しに行きますが、あまり開けたところに現れず、確認するのが難しかったのですが、なんとかオスのカラアカハラを確認することができました。内浦ではカシラダカを中心としたホオジロ類の小さな群れが見られましたが、草の茂みに入っているのでその全数を把握することが難しかったのですが、草の中から頭を上げた鳥がノジコであったりと、春の離島らしく、どのような鳥が含まれているか分からない群れを楽しむことができました。

28日、最終日の今日は昨日と変わってヒヨドリの姿がほとんど見られずとても静かだったので、隣接する畑地を歩くとノビタキやベニマシコの姿が目立ちました、相変わらずホオジロ類の姿は少なく感じます。朝食後は今朝、コホオアカが見られたという内浦で探しますが、こちらも昨日同様に、ホオジロ類が草の中に隠れているのでなかなか確認が難しいところです。それでも、昨日までは観ることができなかったキマユホオジロが新たに現れて、ようやく春の離島らしいホオジロの出現に喜びます。そして同じ畑地ではムネアカタヒバリも観られましたが、顔の赤みに乏しい個体で、昨日観察した個体とは別個体でした。そして帰る直前になって探していたコホオアカもようやく確認することが出来、粟島を後にしました。

今年は渡り鳥、特にヒタキ類の姿があまり多くなく少し淋しい春の渡りでしたが、ムネアカタヒバリ、キマユホオジロ、コホオアカなど春の離島らしい鳥に加えて、この時期ならではの羽衣になった美しいアトリやタゲリの姿に春の渡りを実感することができました。この度はご参加いただき誠にありがとうございました。

田仲 謙介

ホシムクドリ 撮影:大槻繁様

 

ムネアカタヒバリ 撮影:森久美子様

 

オオルリ 撮影:宅間保隆様

 

アトリ 撮影:大槻繁様

 

キマユホオジロ 撮影:森久美子様

 

ウトウ 撮影:宅間保隆様

 

シベリアアオジ 撮影:大槻繁様

 

ノジコ 撮影:森久美子様

 

コシアカツバメ 撮影:宅間保隆様

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